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2023年1月より、協会けんぽ申請書の様式が変更されました。


協会けんぽに対して傷病手当金や出産手当金等の各種給付を申請するとき、これまでは協会けんぽが指定する様式を利用していました。

この様式が2023年1月より変更になりました。


様式が変更になる申請書は、下記となります。




今回の記事では、協会けんぽの様式変更のポイントと、企業の証明(以下、事業主証明)が必要な様式について紹介します。

また、あまり知られていない健康保険証の通称名記載および旧姓併記についてもお伝えします。



様式変更のポイント


新様式は、「より分かりやすくすること」「より記入しやすくすること」「より迅速に給付金が支払されること」を目的としてつくられています。


文字の読み取り精度の向上と、迅速な事務処理のため、マス目化した記入欄が増え(ポイント①)、記入方法を分かりやすくするため記述式から選択式に変更(ポイント②)するなどの工夫が行われています。



2023年1月以降の申請について



2023年1月以降は、新様式で申請を行います。

従業員自身が申請書を用意するときも新様式を使用するように伝えてください。


旧様式での申請も可能ですが、新様式を使用したときと比べて事務処理等に時間を要することがあるため、新様式での申請をおすすめします。



協会けんぽの申請書で事業主証明が必要なもの



協会けんぽの申請書には、従業員自身で申請を完結できるものと、事業主証明が必要なものがあります。


事業主証明は、従業員から申出があった場合は速やかな対応が必要です。

ここでは、事業主証明が必要な4つの申請書を紹介します。


【健康保険傷病手当金支給申請書】

傷病手当金とは、業務外の理由による病気やケガで仕事を休んだ日について、企業から給与の全額または一部が支払われないときに支給されます。


従業員から申出があれば、企業は傷病手当金支給申請書の3ページ目(事業主記入用)に、従業員氏名・勤務状況・賃金支給状況・事業所名称等を記載します。

押印は不要です。



【健康保険出産手当金支給申請書】

出産手当金とは、健康保険の被保険者である女性従業員が、出産のため休んだ期間(出産日以前42日から出産日翌日以降56日までの範囲内)で、給与の支払がなかった期間を対象に支給されます。


企業は、出産手当金申請書の3ページ目(事業主記入用)に、従業員氏名・勤務状況・賃金支給状況・事業所名称等を記載します。

押印は不要です。


【健康保険被保険者証再交付申請書】

健康保険証(被保険者証)の印字が見にくくなったり、紛失したときに協会けんぽに提出し、健康保険証を再発行します。


企業を通じて健康保険被保険者証再交付申請書を提出する必要があるため、企業は従業員から申出があったら作成を行い提出をします。



【健康保険埋葬料(費)支給申請書】

埋葬料とは、被保険者である従業員が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者により生計を維持されていた埋葬を行う方に「埋葬料」として5万円が支給されるものです。


埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に、実際に埋葬に要した費用が「埋葬費」として支給されます(埋葬料5万円の範囲内)。


また被扶養者が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。


企業は、埋葬料(費)支給申請書の2ページ目の事業主記入欄に、死亡した方の氏名・死亡年月日・事業所名称等を記載します。

押印は不要です。




健康保険証の通称名記載および旧姓併記について



健康保険証の氏名欄には、原則戸籍上の氏名が表記されます。


しかし、性同一性障害を有する方が通称名を希望する場合や結婚などで姓が変わった方が旧姓の併記を希望する場合は、健康保険証の氏名等記載変更に係る申出により、氏名等の記載を変更した健康保険証の交付を受けることができます。


1 健康保険証に通称名を記載する場合

性同一性障害を有する方が、健康保険証に通称名の記載を申出し、協会けんぽがやむを得ないと判断した場合に、健康保険証に通称名等が記載されます。


【健康保険証への記載について】

表面 氏名欄:「通称名」を記載、性別欄:「裏面参照」と記載

裏面 備考欄:「戸籍上の氏名」と「性別」を記載




【申出に必要な書類】

・被保険者証への通称名記載に関する申出書

・医師の診断書など性同一性障害を有することを確認できる書類

・通称名が社会生活上、日常的に用いられていることを確認できる書類

・健康保険被保険者証再交付申請書


2 健康保険証に旧姓を併記する場合

社会保険の各種手続・届出において、原則は戸籍上の氏で記載されることになっていますが、申出により健康保険証に旧姓が併記されます。


【健康保険証への記載について】

表面 氏名欄:戸籍上の氏と名の間に「括弧書きで旧姓」を記載

裏面 備考欄:「氏名欄の括弧内は旧姓」と記載




【申出に必要な書類】

・被保険者証氏名欄の旧姓併記に関する申出書

・旧姓を併記した住民票の写し、戸籍謄(抄)本等の旧姓と戸籍姓が確認できる書類のいずれか1点

・健康保険被保険者証再交付申請書


通称名記載、旧姓併記についての詳細は以下のサイトをご確認ください。



まとめ



健康保険の手続にはさまざまな申請書が存在し、手続の種類によって提出先が協会けんぽ・日本年金機構と異なります。


手続の煩雑さを軽減すべく、公的機関も様式や制度自体の見直しを行うことがあります。

手続をより早く正確に完了させるためにも、最新の情報を把握した上で、手続をすすめてください。


次回の記事では、よくある手続のひとつである「傷病手当金支給申請書」を取り上げ、今回の様式変更に伴うポイントなどをお伝えします。

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