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- 【2026年度】処遇改善加算、計画書作成と運用のポイント
制度の全体像から、書類作成、運用の注意点までをまとめて解説します 2026年度の処遇改善加算計画書。 「制度が変わったのは分かるけれど結局どこから手をつければいいの?」 そんな声を、よく耳にします。 2024年度の新加算への一本化、2025年度の猶予措置を経て、 2026年度はいよいよ 新加算の本格スタート となる年度です。 さらに、上位区分の取得に関わる新しい考え方も加わり これまで以上に“制度理解”と“実務の段取り”の両方が重要になっています。 この記事では、2026年度の処遇改善加算について、 次の3点に絞って整理します。 2026年度の制度変更で、まず押さえるべき全体像 計画書を作るときの実務的な進め方 計画書を出した後に起こりやすい運用リスクと対策 「これから申請する方」にも、 「毎年やっているけれど今年は不安」という方にも、 全体の見取り図として読んでいただける内容です。 まず押さえたい。2026年度は“新加算の本格スタート”です その流れの中で、2026年度は単なる延長線ではなく、 新加算を前提に実務を組み直す年 と捉えるのが自然です。 2024年度の新加算への一本化、2025年度の追加猶予を経て、 2026年度は本格運用に入り、上位区分の取得にも関わる新要素が入ってきます。 ただし、見方を変えれば、これは“取りにくくなった”だけではありません。 一定の条件を満たすことで、一部要件を免除または誓約で補える仕組みがあるため これまで上位区分を見送っていた事業所にとっては、見直しのチャンス でもあります。 上位区分のカギになる「特例要件」とは? 今回の計画書で特に引っかかりやすいのが、 「令和8年度特例要件」 という考え方です。 この特例要件をクリアすることで、 処遇改善加算I・IIなど、上位区分の取得につながる設計になっています。 介護事業所では、たとえば次のいずれかを満たすことが求められています。 訪問・通所サービス等で、ケアプランデータ連携システムに加入している 施設サービス等で、生産性向上推進体制加算IまたはIIを取得している 社会福祉連携推進法人に所属している また、障がい・障がい児事業所では、 生産性向上に関する取組の実施 や、 社会福祉連携推進法人への所属 に加え 加算IIロ相当の加算額の2分の1以上を月給賃金で配分すること などがポイントになります。 ここで大切なのは、「何となく取れそう」で進めないことです。 特例要件は、 区分を上げるための入口 なので、 自社がどの要件に該当するかを最初に整理しておく必要があります。 「満たす」と「誓約する」は、似ているようで意味が違います 実際のExcel様式を見ると、特例要件について 「満たす」「誓約する」 という2つの選択肢が出てきます。 ここはかなり重要な分岐です。 満たす 計画書を出す時点ですでに要件を満たしている状態 誓約する 現時点では未達だが、 2027年3月末までに満たすことを約束する状態 この違いを曖昧なまま進めると、 後から「前提が違っていた」という話になりかねません。 上位区分で申請する場合ほど、 今の自社の状態を正しく見極めること が大切です。 計画書づくりは、“入力順”で難しさが大きく変わります 国のExcel様式を開いて、シートの多さに氣持ちが止まってしまう。 これは珍しいことではありません。 ただ、2026年度の計画書は、 順番どおりに入力する ことでかなり整理しやすくなります。 次の流れで進めていきましょう。 基本情報入力シート 別紙様式2-2(個票:4月・5月) 別紙様式2-3(個票:6月以降) 別紙様式2-1(総括表) 提出 「総括表から見たくなる」という方も多いのですが 先に土台を固めないと、あとで何度も戻ることになります。 結果として、いちばん時間がかかるのは“入力そのもの”より“やり直し”です。 なぜ「4・5月」と「6月以降」で分かれているのか 今回の様式で戸惑いやすいのが、個票が 4・5月 6月以降 で分かれている点です。 これは、2026年4月から5月と、 2026年6月から2027年3月までで、 加算の算定方法や対象サービスの考え方が変わる前提 になっているためです。 2026年6月から 「訪問看護」 「訪問リハビリテーション」 「居宅介護支援・介護予防支援」などが、 新たに対象サービスとして追加されることにも触れられています。 つまり、このシート構成は単に“見づらい”のではなく、 年度途中の制度差分を吸収するための構造 です。 ここを理解しておくと、「なぜ分かれているのか」が腑に落ち、 入力の意味も見えやすくなります。 いちばん大事なのは「基本情報入力シート」です 実務上、最も重要なのは最初の 基本情報入力シート です。 ここは単なる表紙ではなく、以降の計算や判定の土台になる部分です。 ここを正確に入れることが、 後工程を大きくラクにするポイントです。 特に報酬算定に関わる部分は、最初の入力精度が後の整合性に直結します。 現場では、どうしても後ろのシートの数字合わせに意識が向きがちです。 ですが実際には、 事業所情報 区分の前提 報酬算定の条件 サービス種別ごとの整理 といった 基本情報の精度 が、全体の正しさを決めます。 “合っているように見えるけれど前提が違う”状態が、いちばん危険です。 計画書を出した後こそ、運用の差が出ます ここまでが、計画書作成のポイントをお伝えしました。 ここから運用のお話をいたします。 計画書が完成すると、ひと区切りついた気持ちになります。 ただ、本当に差がつくのはその後です。 2026年度は制度変更により、 上位区分の細分化や配分ルールがより複雑になる とされており これまでの「なんとか自社Excelで回してきた」 やり方ではリスクが高まりやすいと指摘されています。 特に気をつけたいのは、次の3つです。 1. 計算式が崩れるリスク 複雑なルールを手作業のExcelで組んでいると、 ひとつの設定ミスで全体が崩れるおそれがあります。 2. 担当者しか分からない“ブラックボックス化” 作成者の退職や異動で、マクロや数式の中身を誰も触れなくなる。 これは現場ではかなり起こりやすい問題です。 3. 修正作業の長期化と返還リスク 制度改正のたびにExcelを直し続けるのは、時間も労力もかかります。 さらに、計算ミスや要件未達があれば、 加算返還のリスク も生じます。 「足りない分は賞与で調整する」といった 一時金頼みのやり方は 通用しなくなってきています。 処遇改善は「計画書を書くこと」ではなく、「運用を回し切ること」 処遇改善加算は、申請がゴールではありません。 実際には、 月次の賃金配分 区分要件との整合 ルール変更への追随 実績報告を見据えた記録管理 まで含めて、 はじめて“運用できている”状態です。 だからこそ、今年の計画書づくりでは、 「出せるかどうか」より「1年間回せるかどうか」 で考える必要があります。 賃上げや環境改善は、助成金もあわせて検討したい 処遇改善を進めるうえで避けて通れないのが、原資の問題です。 賃上げや生産性向上は必要。 でも持ち出しばかり増えるのは苦しい。 そのとき、あわせて見ておきたいのが助成金です。 処遇改善加算と併用を検討したい助成金として、次の3つを紹介します。 業務改善助成金 事業場内最低賃金の引上げと設備投資等を行った場合に、費用の一部が助成される制度。勤怠システム導入や福祉車両購入など、DXや業務効率化との相性も良いとされています。 働き方改革推進支援助成金 労働時間削減や年休取得促進などの取組計画を作成し、設備投資等を行うことで助成対象となる制度です。 キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース) 非正規雇用労働者の基本給を3%以上増額改定し、適用させた場合に助成される制度として紹介されています。 処遇改善加算だけで考えると苦しく見える施策も 助成金と組み合わせることで、 “守りの対応”から“前向きな投資”へ変わる ことがあります。 2026年度の計画書づくりで、今やっておきたいこと 最後に、実務として優先度の高いポイントを整理すると、次の3つです。 1. まず、自社がどの区分を目指すのか決める 特例要件の確認前にここが曖昧だと、全体がぶれます。 今の区分を維持するのか、上位区分を狙うのかを先に決めましょう。 2. 基本情報を正しく整える 計画書は“あとで合わせる”より、“最初に整える”ほうが圧倒的に早いです。 報酬算定やサービス区分の整理は、最初の段階で丁寧に確認するのが近道です。 3. 提出後の運用方法まで想定する 今年は特に、「出した後どう管理するか」が重要です。 Excel運用でいくのか、仕組み化するのか。 担当者依存を続けるのか、見直すのか。 ここまで含めて考えておくと、後半で慌てにくくなります。 まとめ 2026年度の処遇改善加算計画書は、単なる様式変更ではありません。 制度の本格運用にあわせて、申請の考え方も、 運用の考え方も切り替わる年度 です。 だからこそ大切なのは、 制度の全体像を押さえること 書類を正しい順番で進めること 提出後の運用まで見据えること この3つです。 「何から始めればいいか分からない」 「上位区分を取れるのか判断が難しい」 「Excel管理のままで大丈夫?」 そんなときは、一人で抱え込まず 社会保険労務士法人WORKidへご相談ください。 弊社では、こうした処遇改善加算の運用負担を 少しでも減らせるよう、 「処遇改善加算管理システム Hitotsu」 を開発しました。 ご相談の際は、計画書作成はもちろん、 その後の管理方法も含めて状況にあわせてご案内していますので 「 お問合せはこちら」 からご連絡ください。 制度対応を“その場しのぎ”で終わらせず、 人が集まり、定着する職場づくり につなげていきましょう。
- キャリアアップ助成金、突然の現地調査で“不支給”に?
キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、 「 非正規雇用者を一定要件満たした状態で 正社員にすれば助成金がもらえる制度」として多くの企業に活用されてきました。 しかし、2025年度は明らかに運用が変わっています。 書類が整っていても突然の現地調査によって不支給となるケースが出始めています。 本記事では、実際の申請対応を通じて見えてきた 「審査のリアル」 を整理します。 キャリアアップ助成金についてはこちら(北海道労働局HP) ① 審査は「書類確認」から「実態確認」へ 従来の審査は、提出書類の整合性確認が中心でした。 しかし現在は労働局によるランダムな現地調査が実施される運用に変化しています。 申請企業が抽出され、支給決定前に訪問確認が行われるケースが増えています。 つまり ✔ 書類が整っているだけでは足りない ✔ 実際の運用が問われる ✔ 労務管理レベルが審査対象になっている 制度の性質そのものが変わりつつある印象です。 ② 最も多いリスクは「最初から正社員前提」 現地調査で必ず 対象労働者本人にも 確認される質問があります。 それが 「入社時から正社員になる約束はありましたか?」 というものです。 キャリアアップ助成金の趣旨は非正規雇用からの転換促進であるため 事前に正社員化を約束していた場合 助成金は直ちに不支給となります 。 実務上は ✔ 採用時の説明内容 ✔ 雇用契約書の文言 ✔ 面談履歴 これらが確認されます。 企業側の認識と対象労働者の認識がズレているケースも少なくありません。 ③ 転換試験は「証拠が残る形」で実施が必要 近年、特に重視されているのが転換プロセスの客観性です。 単なる口頭評価ではなく ✔ 試験の実施記録 ✔ 評価基準 ✔ 点数やコメント こうした証拠が求められます。 「評価はしたが記録がない」この状態はリスクが高いと言えます。 助成金審査では評価の有無ではなく 評価の証明が問われ るため、 必ず記録の保存をしましょう。 ④ 賃金台帳は“実務運用そのもの”が確認される 現地調査では賃金台帳の提示を求められます。 ここで重要なのは助成金申請用に整理した資料ではなく日常的に管理している帳簿が確認対象となる点です。 具体的には毎月の給与計算後に発行される支給控除一覧表などが該当します。 つまり ✔ 後から整えた書類では不十分 ✔ 日常の労務管理の整備が前提 ✔ 助成金対応=労務管理水準の証明 という構造になっています。 まとめ|2026年度を待つと対応が遅れる可能性 2026年度(令和8年度)の制度詳細は例年どおりであれば4月頃に公表される見込みです。 しかし、2025年度の運用を見る限り ✔ 審査は実態確認型へ移行 ✔ 現地調査が前提となる可能性 (特に初めて申請をする場合) ✔ 記録・証拠がない場合のリスク増大 この流れは今後も続くと考えられます。 特に ・正社員転換のプロセス設計 ・評価制度の整備 ・賃金管理の実務運用 これらは制度公表後ではなく今のうちに整理しておくことが重要です。 今年度の審査対応を通じて強く感じるのは 助成金は制度対応ではなく 日々の労務運用の水準が問われる制度になっているという点です。 形式的な書類整備ではなく実態として運用されているかが確認されます。 少しでも氣になる点があれば以下よりお問い合わせください。
- 【2026年最新】扶養の130万円ルールはこう変わる
<年収130万円の数え方が変わります> 2026年4月より、「社会保険の扶養(被扶養者)認定」に関する制度変更がありました。 健康保険の扶養家族に該当するかどうかの判定方法が より実態に即した運用へと見直されるのです。 ①判定の基準が「年収見込み」から「労働契約書」ベースに これまでは、扶養認定の基準(年収130万円、19歳以上23歳未満は150万円)について 「今後1年間の収入見込み」を給与明細等から推測して判断していました。 令和8年4月からは、 原則として「労働契約書(雇用契約書)に記載された賃金」に基づき 判定されることになります。 ②「当初想定されなかった臨時収入」は認定基準から除外されます これまでは、健康保険組合によっては 「1円でも130万円を超えたら脱退」という厳しい運用もありました。 ですが、新制度では「当初想定されなかった臨時収入により、 結果的に年間収入が130万円以上となった場合 その臨時収入が社会通念上妥当である範囲か」を確認され、直ちに扶養脱退とはならない仕組みになります。 「実支給額」だけで機械的に判断するのではなく 「なぜ見込みを超えたのか?」という実態の背景が考慮されるようになります。 ③今後、会社や従業員様に求められる対応(準備) 制度変更に伴い、健康保険組合からの確認調査(検認)の際、以下の対応が必要になることが予想されます。 労働契約書の提出・管理 扶養者の加入している健康保険組合から、「締結済みの労働契約書」の提出を求められるケースが発生する見込みです。 賃金変更時の再提出 昇給や勤務時間の変更などで契約を更新した際も、新しい労働契約書の提出が必要になる場合も? 一時的な増収の証明 もし残業等で基準額を超えた場合、それが「一時的なもの」であることを証明する書類(申立書など)を求められる可能性があります。 まとめ:令和8年4月に向けた3つのポイント 今回の変更で、「契約の実態」が重視されるようになります。 契約書が「命」に! 扶養認定の根拠が「労働契約書」になるため、 契約内容(時給・勤務時間)を正しく書面に残しておくことが これまで以上に重要になります。 「うっかり残業」で慌てない 突発的な残業による一時的な増収であれば 事情を説明することで扶養を維持できる可能性が高まります。 組合ごとのルールを確認 最終的な判断基準や必要書類は、各健康保険組合によって異なります。 「うちはどうなるの?」と不安な方は、早めの確認がおすすめです。 2026年4月の新ルール移行まで、残された時間はわずかです。 制度の解釈で迷い、対応が後手に回るのが一番のリスク。 社会保険労務士法人WORKidでは、貴社の実態に合わせた契約書の見直しを承っております。 「今の内容で大丈夫かな?」と少しでも不安を感じる方は、ぜひお氣軽にご相談ください。 トラブルを未然に防ぎ、一緒に万全の体制で4月を迎えましょう!
- 【離職証明書の書き方】パターン別
従業員の退職時に 離職票の交付 を希望された場合、 企業は離職証明書を作成し、ハローワークへ届け出なければなりません。 今回は自己都合退職した従業員の用紙での申請を例に 離職証明書の書き方や記入に至る背景を解説しながら、 具体的なパターンを説明していきます。 離職票発行の流れと、離職証明書の基本的な書き方は 過去の記事をご確認ください。 過去の記事『 離職票発行の流れと基本の書き方 』 離職証明書について 離職証明書とは、企業が離職票発行のために ハローワーク へ提出する書類です。 離職証明書の用紙 左側 は 従業員の離職日以前の賃金支払い状況を記入し、 用紙 右側 は 離職理由を記入する仕様になっています。 特に用紙左側は従業員の勤務形態や在職時の勤務状況によって 書き方が大きく異なるため、正確な手続のためにも 労務担当者は離職証明書の書き方をおさえておく必要があります。 この記事では、用紙左側に該当する 「 離職日以前の賃金支払い状況 」の欄について紹介しています。 離職証明書では各記入欄に番号が振られています。 記事内でも実際の番号に従って紹介していきますので 以下の内容をご参考ください。 【離職証明書左側の見本】 ⑧欄:被保険者期間算定対象期間 ⑨欄:被保険者期間算定対象期間における賃金支払基礎日数 ⑩欄:賃金支払対象期間 ⑪欄:賃金支払対象期間の基礎日数 ⑫欄:賃金額 ⑬欄:備考 ⑭欄:賃金に関する特記事項 日給月給制で欠勤があったとき 給与体系にはさまざまな種類があります。 月給制にも 完全月給制や日給月給制 などがあり、 遅刻や欠勤をした場合に給与から控除する方法が異なるため 離職証明書への記入にも注意が必要です。 たとえば、従業員が体調不良などの理由で欠勤した場合、 日給月給制であれば基本給から欠勤分を減額します。 「⑨欄」「⑪欄」には 歴日数から欠勤日数を除いた日数 を記入し、 「⑫欄」には 欠勤による減額後の賃金額 「⑬欄」には 欠勤日数 を記入しなければなりません。 離職証明書の記入例は以下のとおりです。 なお、離職月の賃金が確定していない場合、 「⑬欄」に「 未計算 」と記入することで ハローワークへ提出が可能になります。 離職日の翌日に応答する日が各月にないとき 離職証明書は、離職日や離職日の翌日に応答する日をもとに 雇用保険の被保険者期間が離職日を含む以前の 2年間で12か月以上 (特定理由離職者と特定受給資格者は離職日を含む以前1年間で6か月以上)を 確認するために月日を記入しなければなりません。 従業員が「 1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月の30日 」に 退職した場合、 離職日の翌日は各月の31日 となります。 離職証明書の「⑧欄」は、離職日から1か月ずつさかのぼって記入するため、 離職日の翌日に応答する日で31日がない月(2月、4月、6月、9月、11月)は その月の末日 を記入してください。 また、記入する年がうるう年のときは、末日の日付に注意してください。 離職証明書の記入例は以下のとおりです。 残業代のみ翌月に支払うとき 集計作業などの事務負担を減らすため、 固定給は当月に支払い、残業代などの変動給は 翌月に支払う ケースもあります。 離職証明書は支払いベースではなく、 あくまでもその期間の実労働分の賃金を記入しなければなりません。 そのため、残業代などの変動給部分は実際に残業をした期間に 割り戻して賃金額を記入します。 (10月分の給与が確定する前に提出するときは、「⑬欄」に未計算と記入します) 上記のケースにおける離職証明書の記入例は以下のとおりです。 月給制から日給制に変更となったとき 企業の人員配置や業務内容の変更、または従業員からの 雇用形態の変更希望などの理由から、 給与の支払い形態を変更することがあります。 たとえば、月給制から日給制に支払い形態が変更になると 「⑨欄」「⑪欄」の基礎日数も変わるため、記入の際は注意が必要です。 「⑫欄」にはA欄B欄の2つの記入欄がありますが 月給制の期間はA欄に記入し、 日給制に切り替わる月以降は月決め手当をA欄に記入し、 それ以外の日額や残業代はB欄に分けて記入してください。 変更後の支払い形態が分かるように 支払い形態が変更された月の「⑬欄」に 「 日給制へ切替 」と記入してください。 離職証明書の記入例は以下のとおりです。 給与の締切日に変更があったとき 給与の締切日が変更になることは多くはありませんが 事業拡大で従業員が増加したことにより 給与計算や支給の管理が煩雑になるような場合に、 給与の締切日を変更することがあります。 【給与の締切日が変更となるケース】 ・事業拡大で従業員が増加したことにより、給与計算や支給の管理が煩雑になるとき ・企業の再編や合併により、新しい企業の給与締切日にあわせるとき ・締切日から支給日までの日数が少なく、給与担当者の業務負担が大きいとき など この場合、「⑩欄」は 締切日ごと に、 「⑪欄」の日数が 11日以上ある完全月 ※を 6か月分 記入します。 「⑪欄」「⑫欄」も対象期間の基礎日数と賃金額を記入してください。 また、締切日が変更された期間が分かるように「⑬欄」へ「 締切日変更 」と記入します。 離職証明書の記入例は以下のとおりです。 ※完全月とは 給与締切日の翌日から次の給与締切日までの期間が 満1か月 であり、 かつ賃金支払基礎日数が 11日以上 ある月のことです。 以下のときは、完全月に含まれないため、注意してください。 ・給与締切日の途中で入社した場合の入社月 ・給与締切日の途中で離職した場合の離職月 (上記【例】9月21日~離職日10月15日) ・給与締切日の途中で給与の支払い形態の変更があった月 ・給与締切日の変更により、完全な1か月ではない月 (上記【例】8月1日~8月20日) ・欠勤や休職、産休育休の取得により、賃金支払基礎日数が10日以下のとき ケガや病気で給与の支払いが30日以上なかったとき 従業員がケガや病気で仕事を休んだ場合、 労災保険の休業補償や健康保険の傷病手当金などの 生活保障を受けることがありますが、 企業では欠勤扱いとなり、給与の支払いがないことがほとんどです。 離職証明書の手続において、原則離職日を含む以前の2年間までが算定対象期間ですが、 そのあいだにケガや病気、出産などの理由で、 引き続き30日以上給与の支払いを受けられなかったときは その日数を算定対象期間に加算することができます( 最長4年間 )。 長期欠勤の期間があると離職証明書へ記入する期間も多くなりますが、 給与支払いがなかった期間の 事実を証明する書類 を添付できるときは 「⑧〜⑫欄」の記入を省略できます。 この場合、医師の診断書や傷病手当金支給申請書などの写しの添付が必要です。 「⑬欄」には、「 給与支払いがなかった期間 」「 日数 」 および「 その原因 」を記入します。 離職証明書の記入例は以下のとおりです。 賃金支払対象期間について、「⑬欄」への記入と傷病手当金支給申請書などの 写しを添付することで、以下の青枠「⑧〜⑫欄」(2023年2月21日~2023年10月20日)を 省略しています。 なお、「⑧〜⑫欄」1段目の離職日までの最後の期間 (上記2023年10月21日~離職日11月20日)の記入は省略できません。 傷病により長期欠勤のまま退職するケースもあるため、 その場合「⑨欄」「⑪欄」は0日、「⑫欄」は0円と記入してください。 産休育休で給与の支払いが30日以上なかったとき 厚生労働省の実施した令和3年度の雇用均等基本調査によると、 過去1年間に育児休業を終了し、復職した女性の9割以上が 6か月以上の育児休業を取得しています。 キャリア形成の観点から仕事と育児の両立に関する制度の見直しが進み、 多くの従業員が産前産後休業、育児休業を取得しています。 離職日を含む以前の2年間までの算定対象期間に、 産休育休の取得により給与の支払いがなかった場合も ケガや病気で給与の支払いが30日以上なかったときと同様に 離職証明書を作成してください。 離職証明書の記入例は以下のとおりです。 なお、「⑧〜⑫欄」1段目の離職日までの最後の期間 (上記2023年8月1日~離職日8月31日)の記入は省略できません。 「⑨欄」「⑪欄」は0日、「⑫欄」は0円として記入してください。 また、省略期間に育児休業をしていた子どもの育児休業給付金を受給していた場合、 ハローワークで事実確認ができるため添付書類は原則不要です。 ただし、産休育休取得後に雇用保険に加入したため 育児休業給付金を受給していなかったなどの場合は、 母子健康手帳の写しや産前産後休業申請書(任意様式)など、生日と休業期間が証明できる書類を添付してください。 まとめ 今回の記事では、パターン別の離職証明書の書き方と記入例をご紹介しました。 離職証明書は、従業員の失業保険の受給額に直結するだけでなく、 記載内容一つで 助成金の受給資格を失ったり、後の労働トラブルに発展したりするリスク も含んでいます。 「この離職理由で本当に問題ないか?」 「複雑な賃金計算でミスをしていないか?」 と不安を感じる場合は、 一人で抱え込まずに専門家へ相談することをおすすめします。 離職手続き・労務管理でお困りの方へ 社労士法人WORKid(ワーキッド) では、煩雑な社会保険手続きの代行から、 トラブルを未然に防ぐ労務コンサルティングまで幅広くサポートしています。 「書き方が合っているか不安で時間がかかる」 「助成金への影響を考慮してアドバイスが欲しい」 「退職者とのやり取りをスムーズに終わらせたい」 といったお悩みがあれば、 まずは下記よりお氣軽にご相談ください。 貴社の状況に合わせた最適なサポートをご提案します。
- 【経営者必見】男性育休で活用できる助成金
最近では、若手社員を中心に「育休が取れる職場かどうか」が就職や定着の大きな判断基準となっており、また、顧問先様でもパパ育休の取得が増えてきています。 今回は、両立支援助成金の中でも男性の育児休業取得が対象となる 「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」についてご紹介いたします! 01| 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)とは? 会社が男性の育児休業を取得しやすい環境を整備し、実際に育休取得があった場合に支給される助成金です。 中小企業の場合、 第1種:最大20万円 第2種:最大60万円 段階的に取り組むことで、 合計最大80万円 の支給が見込めます。 単に育休を取ればよいという制度ではなく、 ✔ 制度を整える ✔ 業務体制を見直す ✔ 取得を定着させる といった“職場づくり”そのものが評価される仕組みです。 両立支援等助成金(出生時両立支援コース)|東京労働局 02| 第1種:まずは「1人目」の育休取得から! 男性社員が育児休業を取得しやすい環境を整え、実際に 出生後8週間以内に一定期間の育休 を取得させた場合に受給できます。 【主な要件】 ①育児・介護休業法等に定める雇用環境整備の措置を複数実施 ②育児休業取得者の業務代替者の業務見直しに係る規定等を策定し、 業務体制の整備を実施 ③男性社員が、子の出生後8週間以内に、 5日以上 の育休を取得すること。 03| 第2種:育休取得の「定着」をさらに評価! 第1種を受給した企業が、その後も継続して男性の育休取得を促進し 育休取得率が大幅に向上 した場合に上乗せで受給できるものです。 【主な要件】 ①育児・介護休業法等に定める雇用環境整備の措置を複数実施 ②育児休業取得者の業務代替者の業務見直しに係る規定等を策定し、 業務体制の整備を実施 ③以下のいずれかの達成 A 申請年度の前事業年度の男性労働者の育休取得率が、 前々事業年度と比較して30%以上UP&育休取得率50%以上 B 申請年度の前々事業年度で子が出生した男性労働者が5人未満かつ 申請前事業年度と前々事業年度の男性労働者の育休取得率が連続70%以上 04| 助成金を“職場づくり”にどう活かすか この制度の本質は、金額だけではありません。 男性が安心して育休を取得できる環境を整えることは、 ・若手人材の採用力向上 ・離職防止 ・従業員満足度の向上 ・組織への信頼感強化 につながります。 助成金は、その取り組みを進めるための原資として活用できます。 助成金の申請には、 「就業規則の改訂」や「事前のプラン作成」が必須となります。 「うちは対象になる?」 「手続きが難しそう」と感じられたら、 まずは一度お氣軽にご相談ください! 貴社の「誰もが働きやすい職場づくり」を、全力でサポートいたします。
- 2026年から始まる「子ども・子育て支援金制度」について
〜「こども未来戦略(加速化プラン)」と、企業・従業員が支える新しい仕組み〜 01| なぜ今、新しい制度が必要なのか? 少子化・人口減少に歯止めをかけるため、政府は令和5年12月に 「こども未来戦略(加速化プラン)」を策定しました。 この財源の一部を社会全体(企業、従業員、国民)で分かち合い、支え合う仕組みとして導入されるのが 「子ども・子育て支援金制度」 です。 子ども・子育て支援金制度について|こども家庭庁 02| 【負担と仕組み】会社にどのような影響があるの? これらの支援策を支えるため、医療保険制度を通じて「支援金」の拠出が始まります。 開始時期: 令和8年(2026年)4月 の給与(翌月徴収であれば5月支給分)から 負担率(支援金率): 標準報酬月額の 0.23% です ※労使折半: 事業主と従業員で半分ずつ負担するため、従業員負担分は実質 約0.115% となります 徴収方法: 毎月の健康保険料等の社会保険料とあわせて徴収されます 賞与について: 給与だけでなく、賞与からも同様に徴収されます ※健康保険組合によっては異なる場合があります。 詳細については、加入している保険者にご確認ください。 03| 拡充される支援の内容 確保された財源をもとに、すでに以下のような給付の拡充が始まっています。 児童手当の抜本的拡充(令和6年10月〜) 所得制限撤廃: 全ての子育て世帯が支給対象へ 期間延長: 支給期間が「高校生年代」まで延長 第3子以降の増額: 第3子以降は月額3万円に増額 働きながら子育てしやすい環境へ(令和7年度〜順次) 出生後休業支援給付: 両親ともに14日以上の育休を取得した場合、最大28日間、手取りの10割相当が支給されます 育児時短就業給付: 2歳未満の子を育てながら時短勤務をする場合、賃金の10%が支給されます 妊婦のための支援給付: 妊娠届出時や出産後の面談等を通じ、計10万円相当の支援が行われます 04| 【Q&A】よくある疑問 Q. 独身や子育てを終えた世代も負担するのですか? A. はい。社会全体でこどもの育ちを支えることは、独身の方や高齢者の方を含めた全世代にメリットがあるため、全員で支え合う仕組みとなっています。 Q. 育休中も支払う必要がありますか? A. いいえ。産休・育休期間中の社会保険料免除と同様に、支援金の拠出も 免除 されます。 05| 次へのアクション 本制度の開始に向けて、それぞれの立場で以下のご対応・ご確認ください。 給与計算システムの改修準備 令和8年4月以降、社会保険料の計算に「子ども・子育て支援金(0.23%)」を追加する必要があります。給与システムの確認をしましょう。 法定福利費の予算修正 支援金は「労使折半」です。 企業負担分として、全従業員の標準報酬月額および標準賞与額の約0.115%相当が、新たなコストとして発生します。 令和8年度の予算策定時に法定福利費の増額を見込んでください。
- 12月スタート!「賃上げ・職場環境改善支援事業」のポイント
〜令和8年度改定を待たずに行われる、緊急的な人材確保支援〜 はじめに|「報酬改定まで待てない」現場の声に応える制度です 介護業界では、人材確保・定着がこれまで以上に大きな課題となっています。 そうした中、厚生労働省より 「令和7年度 介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業」 の実施要綱が公表されました。 この制度は、 → 令和8年度の介護報酬改定を待たずに →人材流出を防ぐため、令和7年12月から緊急的に実施される支援策 です。 「結局、何をすれば対象になるの?」 「うちの事業所は使えるの?」 そんな疑問にお応えできるよう、 今回はこの支援事業の 仕組みと要件をできるだけシンプルに 解説します。 1.いつから始まる?|実施時期と補助額の考え方 まずはスケジュールを確認しましょう。 ● 開始時期 令和7年(2025年) 12月16日 から適用されます。 ● 補助額の計算方法 原則として、 令和7年12月のサービス提供分の報酬額 を基準に 6か月分(令和8年5月まで) の補助額が算出されます。 → 「12月の実績」がポイントになるため、 今のうちから対象要件を確認しておくことが重要です。 2.補助金を受け取るための「3つのステップ」 この支援事業の特徴は、 事業所の取り組み状況に応じて、段階的に補助が上乗せされる仕組み になっている点です。 ステップ①|ベースとなる賃上げ支援【必須】 まず必ず満たす必要があるのが、このステップです。 ● 要件 基準月(令和7年12月)において、 「介護職員等処遇改善加算」 を算定していること。 ※ 現時点で未算定の場合でも、 申請時に「算定することを誓約」すれば対象 となります。 →多くの事業所が該当しやすい、基本となる要件です。 ステップ②|生産性向上・協働化への取り組み【上乗せ】 ステップ①に加えて、次の取り組みを行っている場合、 補助が上乗せされます。 ● 対象となる取り組み ※例 訪問介護の場合 ケアプランデータ連携システムへの加入 社会福祉連携推進法人へ所属 上記のいずれかに取り組むこと ステップ③|職場環境改善への取り組み【上乗せ】 業務の洗い出し 役割分担の明確化 改善委員会の設置 など 職場環境改善に向けた計画・実施 を行っている場合 このステップの補助対象となります。 → 「すでにやっている取り組みが該当していた」 というケースも少なくありません。 ■ポイント ステップ②を満たしている事業所は、ステップ③も満たしているとみなされます。 令和6年度介護人材確保・職場環境改善等事業による補助金の交付を受けている場合もステップ③を満たしているとみなされます。 ステップ②を選択せず、ステップ①+ステップ③の活用も可能です。 3.補助金は何に使える?|使い道の基本ルール 補助金の使い道は、大きく2つに分かれています。 ① 賃金改善に使う(基本) ステップ①・②に対応する補助額は、 職員の賃金改善 に充てる必要があります。 基本給 各種手当 賞与・一時金 →基本給での改善が望ましいとされていますが 手当や一時金での対応も可能です。 ② 職場環境改善に使う(ステップ③分) ステップ③に該当する部分は、 採用活動費 研修費など、 環境改善に関する経費 に使えます。 また、この部分についても 職員の賃金改善に充てることが認められています。 ※ 注意点 PCや介護ロボットなどの機器購入費(テクノロジー導入)には使えません。 ⚠ 申請にあたっての注意点|自治体からの案内を必ず確認してください まとめ|「うちは対象?」と感じたら、早めの確認を 今回の支援事業は、 ✔ 比較的多くの事業所が対象になりやすく ✔ 取り組み状況によって補助額が変わる 制度です。 一方で、 加算の算定状況 申請時の誓約内容 賃金改善・環境改善の整理 など、 事前確認が欠かせないポイント も多くあります。 「自社はどこまで対象になるのか知りたい」 「今の加算の取り方で問題ないか少し不安」 そう感じた方は、 まずは現状を整理するところから 始めてみませんか。 下記のアンケート(3問・1分程度)にご回答いただくことで、 貴社の状況に近い選択肢を整理できます。
- 令和7年度 業務改善助成金
― 2026年度(令和8年度)を見据えて、今知っておきたい実務のリアル ― 業務改善助成金は、例年どおりであれば 次年度(2026年度/令和8年度)の詳細は 4月頃に公表 される見込みです。 ただし制度が出てから検討を始めるのでは、 実際の申請・交付決定には間に合わない というのが 今年度の実務を通じての率直な実感です。 本記事は、実際に令和7年度の申請を多数進めている 社労士事務所として、現場で「本当に起きていること」を整理した内容です。 業務改善助成金についてはこちら(厚労省HP) ① システムの「月額利用料」は助成対象外 まず、今年度の申請対応で最も影響が大きかった点です。 システムの月額利用料(サブスクリプション費用)は助成対象外 これは制度解釈の揺れではなく、 実際の審査・差戻しを通じて明確になった運用 です。 ■なぜ対象外になるのか 審査上は一貫して 「通常の事業活動に伴う経費」 と判断されています。 実務ポイント 初期導入費・機器購入費:対象になり得る 月額・年額の利用料:原則対象外 「去年はいけた氣がする」という感覚で進めると、今年度は確実に引っかかります。 ② 工事費の審査は、想像以上に“ピンポイント” 令和7年度は、 工事費に関する確認が明らかに厳格化 しています。 実際の審査では、 「その工事は、その機器を導入するために不可欠か」 この一点を、かなり細かく見られています。 対象として認められる工事 導入機器を設置・稼働させるために必須の工事 差戻し・否認になりやすい工事 ついでに行った内装・改修 将来を見据えた工事 機器と直接の因果関係が説明できない工事一式 ■実務対応として重要なこと 見積書を「機器関連工事」と明確に切り分ける なぜ必要なのかを文章で説明できる状態にしておく 書き方次第ではなく、 中身そのものが問われている 印象です。 ③ 申請集中により、交付決定まで“かなり待つ”のが前提 今年度は申請件数が非常に多く、交付決定までの期間が明らかに長期化しています。 実際の申請対応では、 申請後、長期間動きがない 年内に交付決定が出ないケースも珍しくない という状況が発生しています。 ■改めて重要な点 交付決定前の購入・契約は助成対象外 「早めに動く」では足りず、かなり前倒しで準備する必要あり 設備導入の時期が決まっている場合ほど、 助成金ありきのスケジュールは危険 です。 【実績】令和7年度・交付決定が出た設備例 以下は、 実際に交付決定が出たもの です。 勤怠クラウドシステム・労務クラウドシステム 福祉車両 スチームコンベクションオーブン カーポート 見守り(防犯)カメラ ルンバ 業務用換気扇・天蓋 除雪機 入浴用車いす フォークリフト ナースコール いずれも共通しているのは、 「生産性向上との結びつきが説明できること」です。 まとめ|2026年度を待つ前に、今やっておくべきこと 2026年度(令和8年度)の制度詳細は、 おそらく 4月頃に公表 される見込みです。 ただし、令和7年度の運用を見る限り、 ✔ 審査は年々厳格化 ✔ 申請から決定まで長期化 ✔ 「後から考える」は間に合わない この流れは、次年度も続く可能性が高いと考えています。 「この設備は対象になるのか」 「工事費はどこまで認められるのか」 こうした判断は、制度が公表されてから考えるより 今のうちに整理しておく方が圧倒的にスムーズです。 少しでも氣になる点があれば、 以下よりお問い合わせください。
- 勤怠管理は「記録」から「経営を守る仕組み」へ
〜2026年、いま見直したい勤怠管理の考え方〜 ▼ この記事で分かること ・勤怠管理の役割が、ここ数年でどう変わってきているか ・「把握している」だけでは足りない理由 ・人に頼る勤怠管理が抱えるリスク ・これから求められる勤怠管理の考え方 01|勤怠管理の役割は、ここ数年で大きく変わっている これまで勤怠管理は、給与計算のための事務作業として扱われることが一般的でした。 しかし現在は、労働時間を正しく把握し、必要に応じて説明できているかが強く求められています。 単に出退勤を記録するだけでなく、「その管理方法自体が適切か」が問われる時代です。 勤怠管理は、日々の業務を回すための作業から、会社を守るための重要な管理業務へと位置づけが変わっています。 02|「把握している」だけでは足りない時代へ 「残業時間は把握している」 「だいたい合っている」 という感覚的な管理では、十分とは言えなくなっています。 今求められているのは、誰が見ても分かる形で、客観的に記録されていることです。 紙やExcelでの管理では、修正履歴が分かりにくかったり、確認や説明に時間がかかったりすることも少なくありません。 管理の正確さと説明のしやすさが、これまで以上に重要になっています。 03|人に頼る勤怠管理は、限界が見えやすい 勤怠管理が特定の担当者の経験や判断に依存している場合、 業務が属人化しやすくなります。 その人が不在になると分からなくなる、引き継ぎが大変、 といった状況は珍しくありません。 また、月末ごとに確認や修正に追われる状態が続くと 管理する側の負担も大きくなります。 人の頑張りで成り立つ管理には限界があり、仕組みとして整える必要性が高まっています。 04|仕組みを変えると、管理の質が変わる 勤怠管理を仕組み化すると、打刻から集計までが自動で行われ 人が手作業で関わる場面を減らすことができます。 その結果、計算ミスや確認漏れのリスクが下がり、管理の精度が安定します。 操作が分かりやすく、法令対応を前提に設計されたクラウド勤怠管理として KING OF TIME に関心を持つ企業も増えています。 まずは、今の管理方法がこの先も問題なく使えそうかを 確認することから始めてみてください。 ■今の勤怠管理、少しだけ確認してみませんか? 今の状態を1分で整理できる簡単チェックをご用意しました。
- 厚生労働省から、労働に関する現状や課題についての発表がありました
2024年9月、厚生労働省による「令和6年版 労働経済の分析」(労働経済白書)が 発表されました。 労働経済の分析(労働経済白書)とは、一般経済や雇用、労働時間などの現状や課題に ついて、統計データを活用して分析をした報告書です。 毎年、テーマを決めて分析しており、75回目の公表となる今年のテーマは「人手不足への 対応」です。 このマガジンでは、「令和6年版 労働経済の分析」(労働経済白書)を基に、人手不足の 現状と課題や、企業が人手不足に対応するためのポイントをまとめています。 人手不足の現状と課題 1 雇用の過不足の状況 雇用の過不足の状況を産業別・企業規模別の雇用人員判断D.I.の推移で確認します。 雇用人員判断D.I.とは、雇用が「過剰である」と回答した企業の割合から、「不足して いる」と回答した企業の割合を引いたものです。 雇用人員判断D.I.が0を下回るということは、雇用が「過剰である」と感じている企業 よりも、 「不足している」と回答した企業の方が多い ことを示しています。 2023年においては、すべての産業で雇用人員判断D.I.が0を下回り、かつ、新型コロナ ウイルス感染症の拡大前の水準よりも低いため、より一層の人手不足感が高まっています。 特に、「宿泊・飲食サービス」や中小企業で、人手不足感がより高い傾向がみられます 背景としては、経済の回復により労働力の需要が増加していること、また、高齢化や人口 減少に伴い労働力の供給に制約があることがあげられます。 【産業別・企業規模別にみた雇用人員判断D.I.の推移】 (出典) 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P37 2 充足率の推移 生じている欠員の求人に対する充足状況を充足率(新規求人に占める就職件数の割合)で 確認します。 求人の充足率は、2010年代以降、長期にわたり低下しています。特にフルタイム労働者に おいて、2023年は10%程度と過去50年の中で最低水準となりました。このことから、 生じている欠員の求人の充足が困難となっていることがうかがえます。 また、フルタイム労働者においては、企業の中核的な役割を担う人材ゆえに採用活動も 長期化しやすい傾向もあり、企業は人手不足を強く実感していると考えられます。 【充足率の推移】 (出典) 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P112 3 労働力需給ギャップの推移 「企業が必要とする総労働力」を労働力需要と、「労働市場に参加している者が供給できる 最大の総労働力」を労働力供給と定義し、それぞれ時間単位で計算した労働力供給から 労働力需要を差し引いたものを労働力需給ギャップといいます。 人材不足の程度を労働力需給ギャップで定量的に確認します。 労働力需給ギャップが マイナスであることは、すべての求職者が就職したとしても、 すべての企業が必要とする労働力需要より不足する ことを意味しています。 全体の労働力需給ギャップの推移をみると、2017年にマイナスとなり、2020年には新型 コロナウイルス感染症の影響により企業が必要とする労働力需要が低かったことなどに よりプラスとなったものの、2022年以降は労働力需要が回復し、再びマイナスとなって います。 また、産業別では、特に「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」「医療、福祉」で 大きなマイナス幅がみられます。 このことから、「卸売業、小売業」「宿泊業、飲食サービス業」「医療、福祉」を中心に、 広範な産業において人手不足が生じている ことが分かります。 【労働力需給ギャップの推計】 (出典) 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P130 多様な人材の労働参加の現状と課題 労働力需給ギャップでみたように、人手不足は広範な産業で生じており、労働力の供給 増加には、多様な人材の労働参加が欠かせません。この章では、多様な人材の労働参加に 向けて、近年就業者の増加が著しい 女性、高齢者、外国人 についての現状と課題を解説して いきます。 1 女性の就業 日本の女性の就業率は上昇しており、OECD(経済協力開発機構)26か国と比較しても、 就業率からみた労働の「量」は国際的にも遜色ない水準となっています。 一方で、パート比率については、世界的な低下と対照的に、日本は30%を超える水準まで 上昇し、OECD26か国中5番目に高くなっています。 今後は、希望すれば正規雇用として就業できる環境整備など、 「質」の改善 に取り組む 必要があります。 【女性の就業率とパート比率の国際比較】 (出典) 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P153 2 高齢者の就業 日本の高齢者の就業率は、ほかのOECD諸国と比較したとき、韓国・アイスランドに次いで 高い水準にあり、国際的にみても高齢者の就業は進んでいます。 【高齢者の就業率の国際比較】 (出典) 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P158 また、高齢者の年齢ごとの就業率では、就業率の大きな低下が高年齢者雇用安定法の 改正による定年年齢の引上げなどもあり、60歳から65歳へシフトしています。 65歳までの雇用確保を目的とした高齢者の雇用確保措置の義務化や深刻な人手不足を 背景に、高齢者の労働参加が進展したと考えられます。 一方で、60歳での就業率の大きな低下は解消できたものの、新たに65歳での大きな低下が 生じています。男女ともに健康寿命が70歳を超えていることや、65歳を超えた高齢者の 就労希望が他国と比較しても高いこと、中高年層の賃金のフラット化が進んでいること などを踏まえると、今後は、65歳を超えても働く意欲のある高齢者が、能力を十分発揮 して、適切な待遇において生き生きと就労できるよう、必要な支援を講じていく必要が あります。 【高齢者の年齢別就業率の変化】 (出典) 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P160 3 外国人労働者 日本で働く外国人の人数は、2023年10月末時点は約205万人となり、2007年に外国人雇用 状況の届出が義務化されて以降、11年連続で過去最高を更新しました。 一方で、日本への主な送出国の平均賃金と日本の平均賃金の比較においては、賃金水準の 差が縮まっています。 今後は、日本が 外国人労働者から選ばれる国になるために 日本国内での賃上げなどに 引き続き取り組む必要があります。 【外国人労働者数の推移】 (出典) 厚生労働省「【概要】令和6年版 労働経済の分析」P12 【日本と諸外国の賃金差の推移】 (出典) 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P167 企業における人手不足への対応 企業における人手不足への対応として、「令和6年版 労働経済の分析」で提言されている 2つの取り組みをご紹介します。 1 労働生産性の上昇 労働力需給ギャップでも確認したとおり、すべての求職者が就職したとしても労働力需要 より不足していることを踏まえると、人手不足への対応として 労働生産性の上昇 が欠かせ ません。 労働生産性とは、従業員がどれだけ効率的に成果を生み出したかを数値化したもので、 効率性を測る指標とされています。 企業の取り組みとしては、たとえば、人の手で行う作業をロボット・AI・ICTなどの技術を 活用、現場の知見をいかしたデータ分析の活用による高付加価値の商品やサービスの提供が 挙げられます。 また、人口が減少していく中で、これまで以上に一人ひとりの労働者が貴重な存在となる ため、リ・スキリング支援を通じた人材育成なども重要です。 2 多様な人材の受け入れと職場づくり 多様な労働参加の現状と課題の章で記載した、 女性、高齢者、外国人 など多様な人材を 積極的に受け入れることや、 多様で柔軟な働き方の実現、能力や強みを活かせる職場づくり の取り組みも重要です。 たとえば、残業や広範囲の転勤などを含めた働き方の見直しや、能力に応じてやりがいを もって働けるような一人ひとりに寄り添ったマネジメントの実施などがあげられます。 取り組みを通して、より多様な人材が能力や強みを発揮できる機会を確保することが大切 です。 おわりに 2010年代以降、充足率が低下するなど、人手不足が長期的かつ粘着的に生じている可能性が あります。 それに加えて、高齢化は今後も続くことから、人手不足はさらに進むことが考えられます。 「令和6年版 労働経済の分析」(労働経済白書)では、特に人手不足が深刻な介護や小売・ サービス分野での取り組み効果も紹介されています。 介護分野においては、人手不足が深刻な場合には、介護福祉機器の整備による職員の身体的 負担の軽減や、労働環境などの改善が重要である一方、やや不足している場合には比較的 高い賃金水準を確保すること、またICT活用が人手不足対応に資するなど、人手不足の状況 に応じて、必要な対応が異なることが紹介されています。 参考| 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P188〜P199 小売・サービス分野においては、正社員、パート・アルバイトともに、賃上げの実施や時間 外労働を削減すること、加えて、正社員については、有給休暇の取得や研修・労働環境・ 労働条件の整備も重要であることが紹介されています。 参考| 厚生労働省「【本文】令和6年版 労働経済の分析」P199〜P213 こうした取り組み事例を参考に、企業の持続的な成長や発展のためにも、生産性の向上や 多様な人材が活躍できる職場づくりなどを通して、人手不足へ対応していくことがより 一層大切です。
- 【2024年度版】被扶養者資格の再確認
毎年度実施されている、全国健康保険協会(以下、協会けんぽ)の「被扶養者資格の 再確認」が、今年度も行われます。 社会保険の適用拡大により、2024年10月から厚生年金保険の被保険者数51人以上の 企業は特定適用事業所となり、社会保険の適用対象となる短時間労働者の範囲が さらに広がっています。 従業員の家族が短時間労働者として社会保険を取得するケースもあるため、再確認の 際には扶養解除の申出漏れがないように従業員に周知することも大切です。 今回の記事では、協会けんぽに加入している企業の実務担当者が理解しておくべきポイント を解説します。 なお、健康保険組合でも同様に被扶養者資格の再確認が実施されますが、実施時期や 確認方法はご加入の健康保険組合にご確認ください。 被扶養者状況リストの到着 2024年10月上旬から11月上旬にかけて、協会けんぽから企業宛に被扶養者状況リスト などの書類が届いています。 企業はこの被扶養者状況リストをもとに、被扶養者資格の再確認を進めていきます。 再確認ができない状態が続く被扶養者については、法令等により被保険者証が無効となる 可能性もありますので、必ず提出してください。 なお、再確認の対象となる被扶養者がいない事業所には書類は発送されないため、今回の 再確認および提出は不要です。 1 対象となる被扶養者 対象となるのは、 2024年9月14日現在の被扶養者 です。(任意継続被保険者の被扶養者を 除く) ただし、以下の被扶養者は対象外のため再確認は不要です。(被扶養者状況リストの備考 欄に「確認不要」の印字がされています。) ・2024年4月1日時点で18歳未満(2006年4月2日以降生まれ)の被扶養者 ・2024年4月1日以降に被扶養者となった人 2 書類の種類 協会けんぽより書類一式が届いたら、以下の書類が同封されているか確認してください。 ①被扶養者状況リスト(2枚複写) ②被扶養者資格の再確認方法やリストの記入方法等についてのリーフレット ③被扶養者調書兼異動届 ④被扶養者現況申立書 ⑤マイナ保険証利用促進チラシ ⑥返信用封筒 3 提出期限 2024年11月29日(金) 従業員への扶養状況の確認 ここからは、被扶養者資格の再確認の手順について解説します。 まずは、被保険者である従業員に対し、被扶養者ごとの確認区分に応じた認定要件 (今後も継続して被扶養者となるために確認が必要な要件)を満たしているか確認を します。 1 確認区分とは 協会けんぽでは、2024年5月10日〜8月13日に実施したマイナンバー情報の照会で取得した被扶養者情報をもとに、被扶養者を以下の7つの区分に分けています。 この区分を確認区分といい、被扶養者状況リストの「確認区分」欄に記載されています。 (出典) 協会けんぽ『被扶養者資格の再確認とご提出のお願い』P3 確認は文書または口頭で行います。協会けんぽより調査票が紹介されていますので、 参考にしてください。 参考・ダウンロード| 協会けんぽ『被扶養者資格再確認調査票 表(Excel)』 参考・ダウンロード| 協会けんぽ『被扶養者資格再確認調査票 裏(PDF)』 2 確認内容 確認区分によって確認する内容が異なります。 なお、今回の記事において、年収に関して「130万円」とされる部分については、60歳以上 または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者は「180万円」に読み替えて対応 してください。 ①同居 【確認内容】 被扶養者の今後の見込み年収額が、「130万円未満」かつ「被保険者の年収の1/2未満」であるか ②別居 【確認内容】 被扶養者の今後の見込み年収額が、「130万円未満」かつ被保険者からの「仕送り額より 少ない」か ③要同居 【確認内容】 被保険者と同居が必要な被扶養者について、以下のいずれも満たしているか ・被保険者と同居(同一の世帯または世帯分離)している ・「①同居」の要件を満たしている 世帯分離など、同居していても別世帯である場合は「要同居」として判定されるため、 同居の確認が必要となります。 被保険者と同居が必要であるかは、以下の図を参考にしてください。 ④海外在住 被扶養者は、原則として国内に居住している(日本国内に住民票がある)ことが必要です。ただし、留学生や海外赴任に同行する家族など、海外特例要件を満たし、必要な届出を 行った場合は被扶養者になることができます。 【確認内容】 以下の図の海外特例要件を満たしているか ⑤資格重複 【確認内容】 被扶養者自身が被保険者として健康保険に加入していないか 被扶養者自身が被保険者になった場合は扶養解除となります。 国民健康保険の脱退手続を失念していたなど、現在ほかの健康保険への資格取得をして いない場合は、国民健康保険の脱退手続を行うことで今後も継続して被扶養者となれる 可能性があります。 ⑥収入超過 【確認内容】 以下の2点を確認してください。 ・被扶養者の現時点および今後の見込み年収額 ・収入超過の原因が人手不足による労働時間延長等に伴う一時的なものであるか 確認後、その結果に応じた対応をすることとなります。 【人手不足による労働時間延長等に伴う一時的な収入超過への対応】 被扶養者の年収が130万円以上であっても、人手不足による労働時間の延長等により一時的 に収入が増加している場合は、「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書を提出すること で被扶養者と認められる場合があります。 以下の証明書を従業員に渡し、被扶養者に勤務先の事業主の証明書を発行してもらうように 伝えてください。 なお、この措置は、あくまで一時的な事情として認定を行うことから、同一の被扶養者に つき原則として連続2回までです。 参考・ダウンロード| 厚生労働省『被扶養者の収入確認に当たっての「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書』 ⑦判定不能 被扶養者の現在の状況(収入額、同居または別居かなど)を確認し、どの確認区分に該当 するかを判断します。 次に、その確認区分に従って認定要件の確認を行ってください。 確認結果を被扶養者状況リストに記入 従業員に扶養状況を確認後、その結果を被扶養者状況リストに記入します。 1 正しい確認区分を記入する(現況と相違がある場合のみ) 被扶養者状況リストに記載されている確認区分が現況と相違する場合は、二重線で抹消し 正しい確認区分を記入します。 2 認定要件を満たすとき 継続して被扶養者となります。「変更なし」の欄にチェックを入れてください。 確認区分が「判定不能」の被扶養者が以下に該当する場合は、該当項目にもチェックを 入れます。 【被扶養者が被保険者と別居の場合】 「被保険者と別居している」にチェック 【被扶養者が海外に在住(国内に住民票なし)の場合】 「海外に在住している」にチェック 3 認定要件を満たさなかったとき 扶養を解除しなければなりません。「解除となる」の欄にチェックを入れ、備考欄に解除 理由の番号(①死亡 ②離婚 ③就職 ④収入増加 ⑤75歳到達 ⑥障害認定 ⑦その他)を記入 してください。 【今回扶養から解除となる場合】 「解除となる」欄にある「被扶養者調書兼異動届を添付」欄にチェックし、備考欄に解除 理由の番号を記入 【すでに被扶養者異動届または資格喪失届を提出済の場合】 「解除となる」欄にある「日本年金機構へ届出済」欄にチェックし、備考欄に解除理由の 番号を記入 提出書類の準備および郵送 提出書類は、認定要件の確認結果(「変更なし」または「解除となる」)や被扶養者の確認区分によって異なります。 以下の図を参考に被扶養者ごとに必要な提出書類を準備のうえ、 2024年11月29日(金) までに同封の返信用封筒で協会けんぽに提出してください。 ここからは、各提出書類について解説します。 1 被扶養者状況リスト ここまで解説した手順にしたがって、リストを作成してください。 なお、このリストは2枚複写です。1枚目を提出し、2枚目は事業主控として保管してくだ さい。 2 被扶養者現況申立書 被扶養者が以下に該当するときに、現在の状況を申し立てる書類です。 ・被保険者と別居 ・海外在住 ・世帯分離をしているとき ・確認区分が「収入超過」と判定されているが、扶養を継続するとき 参考・ダウンロード| 協会けんぽ『被扶養者現況申立書』 3 仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類 送金者名、受取人名および仕送り額が確認できる書類を提出します。(直近1か月分) なお、学生は省略可能です。 振込の場合:預金通帳等の写し、振込明細書など 送金の場合:現金書留の控えなど 4 被保険者と被扶養者の住民票 世帯分離をしているとき、確認区分が「要同居」と判定されることがあります。 その場合、同じ住所に住んでいることを証明するため、住民票を提出します。 5 海外特例の該当が確認できる書類 該当する海外特例要件ごとに定められた書類を提出します。 6 被扶養者調書兼異動届、健康保険証 確認の結果、扶養解除となる被扶養者がいる場合、被扶養者調書兼異動届を記入のうえ 提出します。 このとき、被扶養者の健康保険証も返却となるため添付してください。(高齢受給者証や 特定疾病療養受療証なども交付されている場合、これらも返却となるため添付) 参考・ダウンロード| 協会けんぽ『被扶養者調書兼異動届』 なお、健康保険証を返却できない場合、健康保険被保険者証回収不能届を添付してくだ さい。 参考・ダウンロード| 協会けんぽ『健康保険被保険者証回収不能届』 おわりに 本来、被扶養者が扶養の要件に該当しなくなったときは、その都度、被保険者である従業員 が企業に報告しなければなりません。 しかし、扶養から外す報告は忘れがちな報告のひとつです。 そのためにも、たとえば卒業・就職などライフスタイルが変わる人の多い4月前後には扶養 の外し忘れがないよう社内周知するなど、従業員の扶養に関する認識を高めることをおすすめします。
- 専門業務型裁量労働制の基礎知識と導入方法
労働時間に縛られず柔軟に働くことのできる制度のひとつとして 「 専門業務型裁量労働制 」があります。 しかし、2021年に厚生労働省が公表した「裁量労働制実態調査」の結果によると、 通常の働き方よりも労働時間が長時間になる傾向が見受けられたため、 2024年4月から制度を適用するときには従業員個人の同意が必要となるなどの改正が行われました。 この記事では、専門業務型裁量労働制の基礎知識や導入方法について解説します。 なお、今後公開の記事では、専門業務型裁量労働制の実務対応や企業が押さえておきたい ポイントを解説する予定です。 専門業務型裁量労働制とは 専門業務型裁量労働制は、従業員の裁量が大きく、企業が業務遂行の方法や時間配分の 決定等を指示することが難しい20の業務について、労使協定の締結と従業員の同意を 得ることであらかじめ定めた時間を労働したものとみなす制度です。 働いた時間ではなく、仕事の成果や実績などで評価が決まる制度といえます。 制度を導入している企業における業務別割合をみると、情報処理システムの分析・設計や 新商品・新技術の研究開発、大学における教授研究の業務などが高くなっています。 参考| 厚生労働省『「裁量労働制実態調査」の結果を公表します』P11 専門業務型裁量労働制のメリット・デメリット 専門業務型裁量労働制には、メリット・デメリットがあります。 それぞれを理解したうえで導入を検討することをおすすめします。 デメリットの部分については注意が必要です。 特に、従業員の裁量に任せたことで長時間労働が常態化し、従業員の健康が害された 場合などは、企業は安全配慮義務を問われる可能性があります。 そのため従業員が働いた時間は必ず記録し、長時間勤務の傾向が見受けられるときは、 健康・福祉確保措置を含む適切な対応を行ってください。 専門業務型裁量労働制の導入方法 専門業務型裁量労働制の導入は、以下の流れで行います。 ここからは、それぞれの流れについて詳しく解説します。 1 労使協定の締結 まずは、過半数労働組合または過半数代表者と労使協定を結ぶ必要があります。 労使協定で定めなければならない事項は以下の10項目です。 なお、締結した労使協定は、従業員に対して周知する必要があります。 ①対象となる業務 専門業務型裁量労働制の対象となる業務は、法令等で定められた 20種類の業務 です。 以下の20種類の業務の中から、企業が専門業務型裁量労働制の対象とする業務を定める 必要があります。 参考| 厚生労働省『専門業務型裁量労働制の解説』P6~8 なお、対象業務に従事する従業員がいる場合でも、業務遂行の方法や時間配分の決定等の 裁量が従業員にないときには、専門業務型裁量労働制を適用することはできません。 また、対象業務とそうではない業務を掛け持ちで行っている場合、専門業務型裁量労働制を 適用することができない場合があります。 適用できるか判断に迷う場合は労働基準監督署へご相談ください。 以下の厚生労働省のサイトには、具体的な対象業務が記載されています。 参考にしてください。 参考| 厚生労働省『専門業務型裁量労働制の解説』P6~8 ②1日のみなし労働時間 適用される従業員の、1日のみなし労働時間を具体的に定める必要があります。 このとき、フレックスタイム制のように、1週間や1か月といった単位で時間を定めることは できません。 また、みなし労働時間を定めるにあたっては、労使で協議のうえ設定します。 賃金などの処遇についても業務内容などを十分考慮し、相応のものとなるように設定する 必要があります。 ③業務遂行の方法、時間配分などの具体的指示を従業員にしないこと 対象となる業務の遂行方法や時間配分の決定等について、企業が適用される従業員に 具体的な指示をしないことを定める必要があります。 始業や終業時刻を指示してしまうなど、従業員の裁量が失われることがあると、制度の 適用外となってしまいます。 そのため、特に適用される従業員の直属の上司は制度を熟知していることが大切です。 ④健康・福祉確保措置の具体的内容 専門業務型裁量労働制を導入した場合でも、タイムカードやパソコンの使用時間の記録 などの客観的な方法で労働時間を把握する必要があります。 そのうえで、把握した労働時間をもとに、企業は「どの」健康・福祉確保措置を「どのように」実施するのかについて定める必要があります。 実施が望まれる健康・福祉確保措置は以下のとおりです。なお、2024年4月から、健康・ 福祉確保の強化のために措置が追加されています。 ⑤苦情処理措置の具体的内容 適用される従業員の苦情に対応するための措置を企業が実施することと、その措置の 具体的な内容を定める必要があります。 具体的な内容は、苦情を受け付ける窓口や担当者、対応の手順や方法などです。 また、評価制度や賃金制度などに関する苦情も受け付けることが望ましいとされています。 さらに、労務担当者以外の者を窓口にするなど、従業員が苦情を申出しやすい体制の整備も してください。 ⑥従業員の同意を得ること 制度の適用を受けることについて、従業員本人の同意を得ることを定める必要があります。 この同意は、適用対象の従業員一人ひとりと、労使協定の有効期間ごとに得なければ なりません。 ⑦同意をしなかった従業員に不利益取扱いをしないこと 制度の適用に同意をしなかった従業員に対して、解雇やそのほかの不利益な取扱いをしては ならないことを定める必要があります。 ⑧同意撤回の手続き 同意撤回の申出先や方法などの具体的な内容を含む、従業員の同意撤回の手続きについて 定める必要があります。 ※⑥⑦⑧については、2024年4月の法改正により追加された事項です。 「4 従業員の同意」で詳しく解説します。 ⑨労使協定の有効期間 労使協定の有効期間を定める必要があります。 労使協定は一定期間ごとにその内容を見直すことが大切となり、長くても3年程度の 有効期間がおすすめです。 ⑩労働時間の状況、健康・福祉確保措置の実施状況、苦情処理措置の実施状況、同意および 同意の撤回の従業員ごとの記録を協定の有効期間中およびその期間満了後3年間保存すること 企業は、労使協定の有効期間中および期間満了後の3年間は、従業員ごとの記録を保存する ことを定める必要があります。 2 就業規則の整備 労使協定を締結するだけで専門業務型裁量労働制を導入することはできません。 従業員本人から同意を得る前に、 就業規則に制度の規定を定める 必要があります。 従業員数10人未満で就業規則を作成していない企業は、個別の労働契約で定めることも できますが、トラブル防止等のためにも就業規則の作成をおすすめします。 就業規則に定める場合は、以下の規定例を参考にしてください。 (出典) 厚生労働省『専門業務型裁量労働制の解説』P17 就業規則を作成・変更した後は、従業員に対して周知する必要があります。 3 労働基準監督署への届出 締結した労使協定は、管轄の労働基準監督署へ届出が必要です。 また、従業員数10人以上の企業は、整備した就業規則も管轄の労働基準監督署に届出 しなければなりません。 労使協定の届出の記入例とひな形は以下を参考にしてください。 参考| 厚生労働省『専門業務型裁量労働制に関する協定届』(記入例) 参考・ダウンロード| 厚生労働省『専門業務型裁量労働制に関する協定届』(ひな形) 4 従業員の同意 2021年に厚生労働省が公表した「裁量労働制実態調査」の結果によると、裁量労働制 (専門業務型および企画業務型)を適用している企業は、裁量労働制を適用していない 企業に比べ、1か月平均の労働時間と1日平均の労働時間のいずれもが長いという結果 となりました。 こうした背景のもと、2024年4月から、専門業務型裁量労働制を適用するためには 従業員の個別の同意 が必要となりました。 なお、この同意は適用対象の従業員一人ひとりと、労使協定の有効期間ごとに得なければ なりません。 従業員から同意を得るときには、以下の事項を明示しながら、従業員が正しく理解、 納得できるように説明することが大切です。 ①労使協定の内容など制度の概要 ②同意した場合に適用される賃金・評価制度の内容 ③同意をしなかった場合の配置および処遇 【制度に関する説明書 例】 (出典) 厚生労働省『専門業務型裁量労働制の解説』P20 そのうえで、従業員の疑問にすべて対応して同意を得てください。 同意の取得については、書面や電子メール、イントラネットのような電磁的記録などの 確実な方法で行うことをおすすめします。 なお、従業員ごとの同意に関する記録は労使協定の有効期間およびその後3年間保存 しなければなりません。 【制度適用に関する同意書 例】 (出典) 厚生労働省『専門業務型裁量労働制の解説』P21 また、同意した場合でも後で撤回できます。 同意を撤回するときの申出書は以下を参考にしてください。 参考| 福岡労働局『専門業務型裁量労働制に関する同意の撤回申出書』 【雇用契約書の変更・再締結】 通常の労働時間制などから専門業務型裁量労働制へ変更した場合、労働時間などの 労働条件が変更となります。 賃金の変更を伴うケースも多く、書面により変更内容を伝えることはトラブル防止にも なります。そのため、雇用契約書を変更のうえ再締結してください。 (労働条件通知書による明示も可能) 5 制度の実施 ここまでの流れを経て初めて、実際の労働時間ではなくみなし労働時間で就業させることができます。 労使協定で定めた内容に沿って、制度を運用してください。 なお、専門業務型裁量労働制における割増賃金の考え方や適用除外となる者などについては、今後公開の記事を参考にしてください。 6 協定の期間満了 労使協定の有効期間が満了したら、専門業務型裁量労働制をそのまま継続することは できません。 継続したい場合は再び「1 労使協定の締結」から始める必要があります。 おわりに 専門業務型裁量労働制の導入には、メリットとデメリットの理解が大切です。 労使協定で定めなければならない項目は多くありますが、企業と従業員の双方にとって 良い制度となるように、従業員とコミュニケーションを取りながら自社に適したルール 設定を行ってください。 今後公開の記事では、専門業務型裁量労働制の実務対応について解説します。











