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【2023年度版】年度更新の申告が始まります

  • jinzai10
  • 2023年5月26日
  • 読了時間: 6分


2023年6月1日より

労働保険の年度更新申告の受付が開始されます。


年度更新とは

毎年6月1日から7月10日までのあいだに

労働保険料を計算し、納付を行う毎年定例の手続です。


厚生労働省から企業宛てに

年度更新の申告書および納付書が同封された

緑色(青色)の封筒が発送されています。


本年の申告・納付期限は、7月10日(月)です。


今回の記事では、年度更新の基本情報に

2023年度の変更点を盛り込んでお伝えします。



労働保険の年度更新とは



労働保険は、労災保険と雇用保険の2つの保険の総称です。


年度更新は、従業員がいるすべての企業が

実施しなければならない手続で、

前年度に従業員に支払った賃金を月ごとに集計し

業種ごとに定められた保険料率を掛けて保険料を計算します。


賃金を集計する期間は

前年度4月1日から3月31日のあいだに働き、

支払いが確定した分の賃金です。


労働保険はすべての従業員に適用しますが

事業の種類や雇用の仕方によって適用方法が異なり、

「一元(一般的な業種)」と「二元(建設業や林業など賃金だけでは

労災保険料が計算しにくい、労災保険料率が複数適用されているなど)」

に分かれます。



2023年度の年度更新手続の変更点



今年の年度更新に関する料率などの変更点をお伝えします。


1 2022年4月と10月、雇用保険料率の引上げにより算定方法が例年と異なります


雇用保険料率が2022年4月、10月の2段階で引き上げられたことに伴い、

2022年度(令和4年度)確定保険料の算定方法は例年と異なります。


具体的には、保険料算定基礎額と保険料額を

労災保険分と雇用保険分ごとに

前期(4月~9月)・後期(10月~3月)に分けて算出します。


確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表の様式が変更されています。



雇用保険料率の適用は表を参考にしてください。


【2022年4月1日~2022年9月30日までの雇用保険料率】



【2022年10月1日~2023年3月31日までの雇用保険料率】


2018年4月1日以降、労災保険料率に変更はありません。




2 年度更新申告書の様式が変更になっています


年度更新申告書の下段に

新たに「㉜期間別確定保険料算定内訳」欄が設けられました。


確定保険料・一般拠出金算定賃金集計表の

「2022年度(令和4年度)確定保険料算定内訳」で算出した額を転記します。


なお、2022年度は雇用保険率が年度途中で変更されているため、

確定保険料算定内訳の「⑨保険料・一般拠出金率」欄には

「32欄参照」と印字されています。


「 ㉜期間別確定保険料算定内訳」欄に適用される雇用保険率が

印字されているため、注意してください。



3 2023年度に対応した年度更新申告書支援ツールが公開


毎年、年度更新の申告書に合わせた

計算支援ツールが厚生労働省から公開されます。


Excelで作成されているため使いやすくなっています。

ご利用は、こちらからダウンロードしてください。




年度更新申告書を作成するときのチェックポイント



1 労働保険対象労働者

・労働保険の対象労働者は、労災保険と雇用保険で異なります。

・従業員の月ごとに支払うすべての賃金を集計するときに

 正しい対象労働者を選定しないと保険料が正しく計算できません。


【労災保険】

・時間・日数・期間を問わず、労働の対償として

 賃金を受けるすべての従業員が対象です。

・役員や事業主と同居している親族は対象外です。

・派遣従業員については、派遣元事業場での適用になります。


【雇用保険】

・正社員、契約社員、パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず、

 すべての雇用保険の被保険者が該当します。

・役員で雇用保険に加入している兼務役員も含まれます。

・雇用保険の被保険者とは、1週間の労働時間が20時間以上かつ

 31日以上引き続いて雇用されることが見込まれる従業員です。

・また、雇用保険マルチジョブホルダー制度により

 雇用保険に加入している65歳以上の従業員も対象です。


2 労働保険料の計算に含める賃金、含めない賃金

・従業員の月ごとに支払う賃金には

 労働保険料の計算に含める賃金と含めない賃金があります。

・働いている従業員に支払う賃金、手当、賞与など名称にかかわらず、

 労働の対償として支払うすべてのものが対象となります。


【含める賃金】

基本給、各種手当、賞与、通勤費(定期券)、休業手当 など


【含めない賃金】

役員報酬、慶弔見舞金、退職金、解雇予告手当、休業補償費 、実費弁償的な費用 など


3 年度更新書類に同封されている申告書の確認

年度更新書類に同封されている申告書には

企業の労働保険料に関する重要な情報が記載されています。

登録情報を確認してから手続を始めるようにしてください。


電子申請や年度更新申告書支援ツールを使用するときは

登録情報を入力して手続を進めてください。


また、企業側で管理している情報と登録情報が異なるときは

年度更新の封筒に記載されている管轄の

都道府県労働局にお問い合わせください。


①労働保険番号

②申告済概算保険料額

③各種区分

④保険料率(今年は「32欄参照」と印字されています)

⑤口座振替 有無(口座振替の申込手続が完了しているときは印字されています)

⑥電子申請対象 有無(電子申請義務化の対象となる企業は印字されています)

⑦メリット制 有無(メリット制の適用となる企業は印字されています)

⑧雇用保険率




年度更新を効率よく対応するために



1 登録情報の確認

年度更新は、前年度4月1日から3月31日までの

従業員の月ごとに支払うすべての賃金を集計することから始まります。


給与ソフトで年度更新用の賃金を集計作業ができるものもありますが、

入社日や退職日、雇用保険の加入有無、労働保険の対象となる

賃金設定などに誤りがあると、正しい保険料計算ができません。


毎月の給与計算を確実に行っていれば、急な対応を避けることができます。


2 電子申請による申告書の提出

電子申請には、前年度の情報を取り込めたり、

入力チェック機能や自動計算機能を効率よく使えるというメリットがあります。


提出先である労働局や労働基準監督署の窓口に出向く必要もなく、

申告書記入漏れや記入ミスも防止できます。



3 保険料の口座振替

口座振替に手数料はかかりません。

口座振替による納付で、毎回金融機関の窓口に行く手間や待ち時間が解消されます。

納付漏れも防止でき、延滞金の心配がありません。

納付期限についても、納付書で保険料を納付するよりも

保険料の引き落としに最大2か月のゆとりができます。




まとめ


年度更新は毎年、必ずしなければいけない手続です。

慌てないように、早めに必要な情報を集めるようにしてください。


申告期限の7月10日(月)は、

労働保険料の計算だけではなく納付期限でもあります。

納付が難しいときは管轄の労働局または労働基準監督署に相談し、

分割などの対策を取るようにしてください。


期限までに納付ができず滞納の状態になると

延滞金などが発生することがありますので、計画的な手続をおすすめします。

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