「健康経営優良法人」は、経済産業省が2016年度から実施している認定制度です。
この制度は「健康経営」に取り組む優良な法人の「見える化」を行い、求職者、従業員や
関連企業、金融期間などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として認知・評価される環境整備を目標としています。
大企業、中小企業で要件が異なり、認定を受けるためには申請が必要で、今年度の締め切りは2022年10月21日(大企業は2022年10月14日)となっています。
この記事では中小企業対象の「健康経営優良法人」の内容を記載しています。
健康経営の必要性
健康経営とは、「健康管理」と「経営」を統合させ企業に必要な従業員等の健康管理を
経営的な視点から戦略的に実践することをいいます。
健康経営の取り組みにより、従業員の健康維持・増進、生産性向上や業績アップ、
組織の活性化などの効果が期待されます。
健康経営優良法人の最近の状況
健康経営優良法人の認定申請は年々増加しており、健康経営の推進に向け社内で明文化を
している企業は増えています。また、健康経営の普及を進めるため、独自の取り組みを行う自治体(商工会議所、市区町村など)もあります。
【健康優良法人(中小規模法人部門)申請・認定状況】
健康経営優良法人は業種を問わず認定されており、建設業、製造業、運輸業が上位を占めています。
都道府県別では、大阪府、愛知県、東京都の順に多く、鳥取県、徳島県、茨城県、和歌山県は前年度と比較すると2倍以上に増加しています。
健康経営優良法人の顕彰制度、優遇制度とは
健康経営優良法人に認定されると顕彰制度や優遇制度があり、都道府県や自治体によって
内容は異なります。
内容はさまざまで、企業だけではなく、認定を受けた企業に勤務する従業員が優遇制度
(個人ローンの金利優遇など)を受けられることもあり、法人には以下のような顕彰制度や優遇制度があります。
詳細は、各自治体や顕彰制度・優遇制度の実施機関へお問い合わせください。
【顕彰制度・優遇制度】
・金融機関からの支援(融資)
・公共調達加点評価(入札参加資格)
・融資利率割引
・取組に対する表彰
・取組に対する相談・支援 など
企業のメリット・デメリット
健康経営優良法人の認定を取得したときのメリット・デメリットを以下にまとめています。
【メリット】
・健康経営優良法人の認定マークの使用
・ハローワークの求人に認定マークが掲載
・企業のブランドイメージの向上
・顕彰制度、地域のインセンティブ措置を利用
・離職率が低下
・社内コミュニケーション活性化
・モチベーションの向上
・従業員の健康意識が向上
・従業員の疾患リスク低下 など
【デメリット】
・認定申請がインターネット(郵送など不可)
・認定申請の書類作成などに時間が必要
・効果が見えにくい
・健康データなどの収集・管理に時間が必要
・認定申請料がかかる など
健康経営優良法人の認定基準とは
健康経営優良法人認定の申請ができるのは「法人(法人番号が付与あり)」のみとなる
ため、個人事業主は申請ができません。
認定基準は「経営理念」「組織体制」「制度・施行実行」「評価・改善」「法令遵守・リスクマネジメント」の5つの大項目に分類されており、大企業も中小企業も同じですが
中項目以降は異なります。
また、健康経営を実施した結果を元に申請を行うため、今年の申請は来年度(2023年度)の認定分になります。
※ブライト500とは「健康経営優良認定制度」における中小企業のうち上位500の企業です。
健康経営優良法人認定の流れ
健康経営優良法人認定の申請を進めるにあたり、加入している健康保険(協会けんぽ、健康保険組合など)に「健康宣言」を行なわなければなりません。
健康宣言とは、企業の健康経営の方針に基づき、従業員の健康づくりへの取組などを社内、社外に宣言することです。
健康宣言については、加入している健康保険へお問合せください。
認定は更新制となっており、健康経営優良法人認定の継続には毎年申請が必要です。
また、申請には1件あたり15,000円(税抜き)の「認定申請料」がかかります。
11月上旬にメールと郵送で請求書が届き、12月9日までに振込みが必要です。
申請期限:2022年10月21日(金)17時(大企業は2022年10月14日(金)17時まで)
申請方法:「ACTION!健康経営」サイトから申請(郵送不可)
※IDの発行が必要になります。サイト内の「新規ID発行サイト」かお手続きを行ってください。
ID、申請先のURLなどがメールで届きます。
【健康経営優良法人の認定申請の流れ
まとめ
健康経営を実践している企業はまだまだ少なく、取り組みには時間やコストがかかります。しかし、健康経営への取組みは、従業員の健康改善や維持だけではなく、企業が従業員を
大切にしてることが伝わり、「安心」に繋がります。
従業員が安心して健康に働ける職場づくりのためにも、健康経営についての検討をおすすめします。
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