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【7/16期限】高年齢者、障害者雇用状況報告書の提出




一定数以上の従業員を雇用している企業には、毎年6月1日時点の高年齢者、障害者の

雇用状況の提出が法令等で義務付けられています。


報告書の結果は厚生労働省が集計し、高年齢者、障害者の雇用状況を公表しています。 

対象となる企業には、5月下旬〜6月初旬に厚生労働省(ハローワーク)より「高年齢者

雇用状況等報告書」と「障害者雇用状況報告書」が郵送されています。


2024年の提出期限は、7月16日(火)です。  


今回の記事では、各報告書について詳細を交えながら解説していきます。



高年齢者、障害者雇用状況報告書はなぜ必要なのか



報告された情報は、今後の高年齢者、障害者雇用のための施策検討に用いられます。

必要に応じて、ハローワークなどが企業へ助言・指導・調査を行うための基本情報として

使われることもあります。


そのほか、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構へ報告書を提供するとともに、

高年齢者、障害者の雇用の安定と就業機会の確保などの総合的な支援事務の委託も行って

います。



高年齢者雇用状況等報告書の対象企業と報告内容



厚生労働省は毎年、常時雇用する従業員(※1)が21人以上の企業を対象に、高年齢者の

雇用状況等を集計しています。


高年齢者雇用状況等報告書の用紙は、従業員数の増減を考慮し、対象者確認時点で

雇用保険に加入している人数が20人以上の企業に送付されます。


提出は、事業所(本社、支店など)が複数あっても本社で一括して行います。

雇用している高年齢者が0人のときでも報告が必要です。


【報告内容】

・定年制の状況

・継続雇用制度の状況

・創業支援等措置(※2)の実施有無

・創業支援等措置(※2)の導入・改定予定

・65歳を超えて働ける制度等の状況

・年齢別の常用雇用の人数

・過去1年間の離職者状況

・過去1年間の定年到達者等の適用状況(65歳まで働ける制度、65歳を超えて働ける

 制度など)

・高年齢者雇用等推進者 など


※1 「高年齢者雇用状況等報告書」の常時雇用とは、正社員、契約社員、パート・

アルバイトなど雇用形態にかかわらず以下のいずれも満たしている従業員をいいます。

①1年以上継続して雇用されている者(1年以上雇用が見込まれる者を含む)

②1週間の所定労働時間が20時間以上の者


※2 創業支援等措置とは、65歳以上の高年齢者について雇用ではなく業務委託契約として

働く制度や社会貢献事業に従事できる制度などを導入し、就業機会を確保することです。

70歳までの就業確保の措置(努力義務)のひとつです。



障害者雇用状況報告書の対象企業と報告内容



常時雇用する従業員が40.0人以上の企業が提出の対象となります。

報告書は、事業所(本社、支店など)が複数あっても本社で一括して提出できますが、

報告書には事業所ごとの状況を記載します


障害をもつ従業員が0人のときでも報告が必要です。


「障害者雇用状況報告書」の常時雇用とは、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど

雇用形態にかかわらず以下のいずれも満たしている従業員をいいます。

(障害の有無は問いません。)


①雇用期間の定めがない、または1年以上継続して雇用されている者(1年以上雇用が

見込まれる者を含む)


②1週間の所定労働時間が20時間以上の者


休業中の者、外国人労働者、兼務役員なども人数に含め、以下の従業員も要件に該当する

場合は人数に含めます。


・出向労働者     :自社側の雇用保険に加入している場合

・生命保険会社の外務員:雇用保険に加入している場合

・海外勤務労働者   :日本国内の事業所から派遣している場合(現地採用除く)

・登録型の派遣労働者 :派遣元で一定基準を満たす場合


【報告内容】

・常用雇用労働者の人数(週の所定労働時間が30時間以上)

・短時間労働者の人数(週の所定労働時間が20時間以上30時間未満)(※3)

・障害をもつ従業員の人数(※4)

・障害者の実雇用率 など


※3 短時間労働者の人数を記入する場合、報告書の欄によって算出方法が異なるため

留意してください。


・⑩(ロ)欄:短時間労働者1人を1人としてカウント

・⑩(ハ)欄:短時間労働者1人を0.5人としてカウント


※4 障害をもつ従業員数は、身体的、知的、精神的な障害(発達障害も含む)などの

障害種別や障害の度合い、1週間の所定労働時間数によって人数の算定方法が異なります。

なお、2024年4月よりカウントする従業員の範囲が広がりました。詳しくは後述の

「障害者雇用における算定方法の変更」を確認してください。




【障害者雇用における算定方法の変更】

2024年4月より法定雇用率の算定方法が変更され、週の所定労働時間が10時間以上20時間

未満の者(以下、特定短時間労働者)のうち「重度の身体障害者」「重度の知的障害者」

「精神障害者」の従業員を0.5人としてカウントすることとなりました。

(就労継続支援A型の利用者は除きます。)


そのため、障害者雇用状況報告書の「⑪(リ)(ヨ)(ツ)欄」に、該当する障害をもつ

特定短時間労働者数の記入欄が追加されています。

(⑩(ロ)欄、⑪(ト)(チ)(ワ)(カ)(ソ)欄は特定短時間労働者数を含めません。)




電子申請の手順



高年齢者、障害者雇用状況報告書の提出は、郵送や窓口への持参のほか、電子申請も

可能です

電子申請には「24時間いつでも提出できる」「移動時間を削減できる」「通信費や用紙代を

削減できる」などのメリットがあり、業務効率化や経費削減を図ることができます。


①GビズIDの取得(取得していない場合のみ)


電子申請の準備で必要となるのがGビズIDの取得です。GビズIDとは、法人・個人事業主

向け共通認証システムのことです。


GビズIDを取得すると、ひとつのID・パスワードでさまざまな行政サービスにログイン

できるようになります。


GビズIDに関する手続きの詳細は、デジタル庁のサイトまたはヘルプデスク

(TEL:0570-023-797)へご確認ください。



なお、GビズIDを利用せずe-Govアカウントを使用して電子申請することもできますが、

別途電子署名(有料)が必要です。




②報告書の提出サイトにアクセス


高年齢者、障害者雇用状況報告書のサイトにアクセスします。


③電子申請メニューから電子申請を行う


サイト内の「電子申請による提出」にある以下のメニューをそれぞれ選択し、案内に

したがって電子申請を行います。

(このメニューは2024年6月1日に公開されます。)


・電子申請の方法(高年齢者)

・電子申請の方法(障害者)




報告を怠った場合の罰則



高年齢者、障害者雇用状況報告書の報告を怠った場合、法令等による罰則の定めは

それぞれの報告書によって異なります。


【高年齢者雇用状況報告書】

高年齢者雇用状況報告書の報告を怠った場合、法令等による罰則はとくにありません。

とはいえ、会社には報告義務があります。忘れずに報告してください。


【障害者雇用状況報告書】

障害者雇用状況報告書の報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合は、30万円以下の罰金が

課される可能性があります。


なお、一定数以上の障害者の雇用義務があるにも関わらず雇用していない企業など、

一定基準を超えた場合、ハローワークから「障害者の雇入れに関する計画」の作成を

命じられる可能性があります。 



おわりに



どちらの報告書も、提出期限は7月16日(火です。


提出期限まで時間があるように感じますが、すべての事業所ごとの高齢者や障害者の

状況を確認し、まとめなければならないため時間がかかります。

スムーズな報告ができるように準備をすすめてください。

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