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  • 【2022年度版】高年齢者、障害者雇用状況報告書の提出は、7月15日が期限です。

    一定数以上の従業員を雇用している企業には、毎年6月1日時点の高年齢者、障害者の雇用状況の提出が法令等で義務づけられています。報告書の結果は厚生労働省が集計し、毎年、高年齢者、障害者の雇用状況を公表しています。 対象となる企業には、5月下旬〜6月初旬、厚生労働省(ハローワーク)より「高年齢者雇用状況等報告書」と「障害者雇用状況報告書」が郵送されています。 2022年の提出期限は、7月15日(金)です。 高年齢者、障害者雇用状況報告書の概要は以下のとおりです。 今回の記事では、各報告書について詳細を交えながら解説していきます。 【高年齢者、障害者雇用状況報告書の概要】 高年齢者、障害者雇用状況報告書はなぜ必要なのか 毎年報告される情報は、今後の高年齢者、障害者雇用のための施策検討に用いられます。 必要に応じて、ハローワークなどが企業へ助言・指導・調査を行うための基本情報として使われることもあります。 そのほか、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構へ報告書を提供し、高年齢者、障害者の雇用の安定と就業機会の確保など、働く高年齢者、障害者の総合的な支援の委託も行っています。 高年齢者雇用状況等報告書の対象企業と報告内容 届出は、常時雇用労働者(※1)が20人以上の企業が対象です。 事業所(本社、支店など)が複数あっても本社で一括して届出ができます。 【報告内容】 ・定年年齢 ・継続雇用の有無 ・継続雇用制度の状況 ・創業支援等措置(※2)の有無 ・創業支援等措置(※2)の状況 ・年齢別の常用雇用の人数 ・過去1年間の定年年齢到達者 など ※1 「高年齢者雇用状況等報告書」の常時雇用労働者とは、以下のすべてを満たしている従業員をいいます。 ①1年以上継続して雇用されている者(1年以上雇用が見込まれる者含む) ②週の所定労働時間が20時間以上の者 ※2 創業支援等措置とは、65歳以上の高年齢者について雇用継続以外で就業を確保することです。2021年4月1日より、法令等で70歳までの就業の確保が努力義務になっています。昨年の報告以降に、高年齢者の就業確保に向け新たに制度導入をされた企業は、今年の報告内容へ記載をお願いします。 【措置の内容】 ①70歳までの継続雇用制度を導入する(再雇用制度、勤務延長制度) ・ グループ会社(特殊関係事業主)や他の事業主に雇用されるものを含む ②70歳まで業務委託契約を継続的に締結する制度を導入する ③70歳まで継続的に以下のいずれかの仕事に携わることができる制度を導入する a.企業が実施する社会貢献事業 b.企業が委託、出資などをしている団体が行う社会貢献事業 報告書の様式に変更はありません。 障害者雇用状況報告書の対象企業と報告内容 届出は、常時雇用労働者(※3)が43.5人以上の企業が対象です。報告書は、事業所(本社、支店など)が複数あっても本社で一括して届出ができますが、報告書には事業所ごとの状況を記載します。 雇用している障害者が0人のときでも報告が必要です。 報告をしない、または虚偽の報告をしたときは「30万円以下の罰金」になることがあります。 【報告内容】 ・常用雇用労働者の人数 ・短時間労働者の人数 ・障害者の人数 ・障害者の法定雇用率(※4) など ※3 「障害者雇用状況報告書」の常時雇用労働者とは、週の所定労働時間が20時間以上あり、以下のいずれかに該当する従業員をいいます。 ①雇用期間の定めがない者 ②1年を超えて雇用されている者(雇用が見込まれる者含む) ③日々雇用される従業員で、雇用契約が日々更新されて過去1年を超えて雇用されている者(1年を超えて雇用が見込まれる者含む) ※4 障害者の法定雇用率とは、企業が常用雇用労働者数に対して、障害者を雇用しなければならない割合です。2021年3月1日以降の法定雇用率は2.3%となっており、常用雇用労働者43.5人以上の企業は、従業員43.5人に障害者を1人以上の割合で雇用をしなければなりません。 障害者雇用状況報告書の様式の変更点 2022年の障害者雇用状況報告書の様式が変更になっています。以下3つの項目が追加されていますのでご確認ください。 (出典)厚生労働省『令和4年から障害者雇用状況報告書の様式が変わります』 電子申請による提出がおすすめです 高年齢者、障害者雇用状況報告書は、電子申請による提出も可能です。 電子申請は、提出先であるハローワークへの郵送手続きや窓口に出向く手間がなく、入力項目の自動チェック機能もあるため報告書の記入漏れも防止できます。ぜひご活用ください。 参考|厚生労働省『高年齢者雇用状況報告の電子申請による提出』 参考|厚生労働省『障害者雇用状況報告の電子申請による提出』 報告は、助成金の制定に役立てられています 2021年4月1日から、70歳までの高年齢者就業確保措置の努力義務、2021年3月1日からは障害者の法定雇用率がアップされています。年齢や障害にかかわらず、能力があれば誰でも働ける職場づくりや雇用の維持拡大が企業に求められています。 企業の取り組みに応じて助成金が準備されています。 【65歳超雇用推進助成金】 定年の引き上げなどを行ったときに対象になります。 参考|厚生労働省サイト『令和4年度65歳超雇用推進助成金のご案内 』 【特定求職者雇用開発助成金】 ハローワークなどから高齢者・障害者を採用したときに対象になります。 参考|厚生労働省サイト『特定求職者雇⽤開発助成⾦ (特定就職困難者コース)』 【キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)】 有期雇用契約の障害者を正社員へ転換したときに対象になります。 参考|厚生労働省サイト『キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)』 助成金には、細かな要件があります。助成金を検討するときは事前にご相談ください。 まとめ 提出期限は7月15日(金)です。 時間があるように感じますが、すべての事業所ごとの高齢者や障害者の状況を確認し、まとめなければならないため時間がかかります。 早めの集計や電子申請の活用で、スムーズな報告ができるように準備をすすめてください。

  • 【2022年度版】 労働保険の年度更新申告書の受付開始と、変更点について

    2022年6月1日より、労働保険の年度更新申告の受付が開始されました。 年度更新とは、毎年6月1日から7月10日までの間に労働保険料を計算し、納付を行う定例の手続きです。 年度更新の申告書および納付書が、同封された緑色(青色)の封筒が厚生労働省から企業宛てに発送されています。 本年の申告・納付期限は、7月11日(月)です。 今回の記事では、年度更新の基本の情報に2022年度の変更点を盛り込みお伝えします。 労働保険の年度更新とは 労働保険は、労災保険と雇用保険の2つの保険の総称です。 年度更新は、従業員がいるすべての企業が実施しなければならない手続きです。 前年度に従業員に支払った賃金を月ごとに集計し、業種ごとに定められた保険料を掛けて保険料を計算します。 賃金を集計する期間は、前年度4月1日から3月31日の間の支払われた賃金(支払義務が具体的に確定した賃金を含む)です。 業種によって「一元(一般的な業種)」と「二元(建築や林業など賃金だけでは労災保険料が計算しにくい、労災保険料率が複数適用されているなど)」にわかれます。 2022年度の年度更新手続の変更点 今年の年度更新に関する料率などの変更点をお伝えします。 1 2022年4月1日、2022年10月1日に雇用保険料率が引き上げになります。 ※労災保険料率は変更ありません。 雇用保険料率の適用は表を参考にしてください。 【2021年4月1日~2022年3月31日までの雇用保険料率】 【2022年4月1日~2022年9月30日までの雇用保険料率】 雇用保険二事業の保険料率(企業負担のみ)が0.5/1000引き上げられています。 【2022年10月1日~2023年3月31日までの雇用保険料率】 失業給付・育児休業給付の保険料率が4/1000(従業員・企業負担はそれぞれ2/1000)引き上げられます。従業員の雇用保険料率が10月1日から変更になります。 年度途中(10月1日)に雇用保険料率が変更になるため、給与計算のときに料率変更を失念してしまう可能性があります。 カレンダーなどに記載し、料率変更が漏れないよう対策を取られることをおすすめします。 2 申告・納付期限の延長はありません。 2022年は7月10日(日)が日曜日のため、翌日7月11日(月)が期限となっています。 3 年度更新申告書の様式は変わりませんが、申告書に雇用保険料率が記載されてきません。 年度途中に雇用保険料率が変更になるため、送付されてくる申告書の「概算・増加概算保険料算定内訳」は雇用保険料率が空欄になっています。昨年の様式では赤丸の箇所に雇用保険料率の記載がありましたが、今年はありません。 今年の年度更新は、雇用保険料率が適用される期間ごと (2022年4月1日から9月30日、10月1日から2023年3月31日) に区切って計算を行い、その合計を年度更新の申告書に記載をします。 送付されてくる封筒の中に 「令和3年度 確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表/令和4年度 概算保険料(雇用保険分)算定内訳 」(青色の封用の企業は「確定保険料算定基礎賃金集計表」)が同封されています。 集計表には以下のような雇用保険料を適用期間ごとに区分して計算する表があります。こちらの表を活用しながら計算されることをおすすめします。 4 2022年度に対応した年度更新申告書支援ツールが公開 毎年、年度更新の申告書に合わせた計算支援ツールが厚生労働省から公開されます。Excelで作成されているため使いやすくなっています。ご利用は、こちらからダウンロードしてください。 参考・ダウンロード|年度更新申告書支援ツール(継続事業用) 年度更新申告書支援ツール(雇用保険用) 年度更新申告書支援ツール(建設事業用) 年度更新申告書を作成するときのチェックポイント 1 労働保険対象労働者 労働保険の対象労働者は、雇用保険と労災保険で異なります。従業員の月ごとに支払うすべての賃金を集計するときに、正しい対象労働者を選定しないと保険料が正しく計算できません。 【雇用保険】 雇用保険被保険者が該当します。1週間の労働時間が20時間以上かつ31日以上引き続いて雇用されることが見込まれる従業員です。 【労災保険】 時間・日数・期間を問わず、労働の対償として賃金を受けるすべての従業員が対象です。役員や事業主と同居している親族は対象外です。派遣従業員については、派遣元事業場での適用になります。 2 労働保険料の計算に含める賃金、含めない賃金 従業員の月ごとに支払う賃金には、労働保険料の計算に含める賃金と含めない賃金があります。働いている従業員に支払う賃金、手当、賞与など名称にかかわらず、労働の対償として支払うすべてのものが対象となります。 【含める賃金】 基本給、各種手当、賞与、通勤費(定期券)、休業手当 など 【含めない賃金】 役員報酬、慶弔見舞金、退職金、解雇予告手当、休業補償費 など 3 年度更新書類に同封されている申告書の確認 年度更新書類に同封されている申告書には、企業の労働保険料に関する重要な情報が記載されています。登録情報を確認してから手続を始めるようにしてください。電子申請や年度更新申告書支援ツールを使用するときは、登録情報を入力して手続を進めてください。 また、企業側で管理している情報と登録情報が異なるときは、年度更新の封筒に記載されている管轄の都道府県労働局にお問合せください。 ①労働保険番号 ②申告済概算保険料額 ③各種区分 ④保険料率(今年は「概算・増加概算保険料算定内訳」の雇用保険料率が空欄です) ⑤口座振替 有無(口座振替の申込手続が完了しているときは印字されています) ⑥電子申請対象 有無(電子申請義務化の対象となる企業は印字されています) ⑦メリット制 有無(メリット制の適用となる企業は印字されています) 年度更新を効率よく対応するために 1 登録情報の確認 年度更新は、前年度4月1日から3月31日までの従業員の月ごとに支払うすべての賃金を集計することから始まります。 給与ソフトで年度更新用の賃金を集計作業ができるものもありますが、入社日や退職日、雇用保険の加入有無、労働保険の対象となる賃金設定などに誤りがあると、正しい保険料計算ができません。 毎月の給与計算を確実に行うことで、急な対応にならずにすみます。 2 電子申請による申告書の提出 電子申請の利用には、前年度の情報を取り込めたり、入力チェック機能や自動計算機能を効率よく使えるというメリットがあります。提出先である労働局や労働基準監督署の窓口に出向く必要もなく、申告書記入漏れや記入ミスも防止できます。 参考・ダウンロード|厚生労働省『総務の業務改善に10万馬力の右腕を。労働保険の電子申請』 3 保険料の口座振替 口座振替に手数料はかかりません。口座振替による納付を行うことで、毎回金融機関の窓口に行く手間や待ち時間が解消されます。 また、納付漏れを防ぐことができ延滞金の心配がありません。納付期限についても、納付書で保険料を納付するよりも、保険料の引き落としに最大2か月のゆとりができます。 参考・ダウンロード|厚生労働省『労働保険料は口座振替が便利です』 まとめ 年度更新は毎年、必ずしなければいけない手続きです。 慌てないように早めに必要な情報を集めるようにしてください。 申告期限の7月11日(月)は、労働保険料の計算だけではなく、納付期限でもあります。 納付が難しいときは管轄の労働局または労働基準監督署に相談をし、分割などの対策を取るようにしてください。 期限までに納付ができず滞納の状態になると、延滞金などが発生することがありますので、計画的に手続きなどを行うことをおすすめします。

  • 新型コロナウイルス感染症の欠勤、休業の取扱い

    新型コロナウイルス感染症に感染して仕事ができないときは、傷病手当金の支給対象になります。 傷病手当金とは、業務外の理由による病気やケガで仕事ができず、企業から給与の支払いがないときに、健康保険から生活保障として支給される手当です。 支給を受けられるのは、休業している期間が4日以上あるときです。 欠勤した日から最初の3日間(待期期間)は支給されず、4日目から支給されます。 支給額は以下の計算式で算出した額になります。 【傷病手当金の支給額の計算】 この記事では、協会けんぽの傷病手当金について記載しています。 協会けんぽ以外の健康保険に加入されているときは、加入されている健康保険の窓口へお問合せをお願いします。 また、国民健康保険には傷病手当金の制度はありませんが、給与の支払いを受けている方(事業主、無職などの方は対象外)を対象に、新型コロナウイルス感染症に限り傷病手当金を期限つきで支給している市区町村があります。 該当するときはお住まいの市区町村へお問合せください。 傷病手当金の申請には「医師の証明」は必要なのか 傷病手当金を申請するときは、仕事ができない状態であったことを医師に証明してもらわなければなりません。 しかし、新型コロナウイルス感染症に感染しているときや発熱などの自覚症状があるときに、ホテル療養や自宅待機等で医療機関を受診できないときは、医師の証明の代わりに保健所が発行する待機期間の証明書や事業主の証明などで申請できるようになっています。 協会けんぽの支部によって、証明書のひな形や対応が異なることがあります。 医師の証明を発行してもらえない状況のときは、事前に協会けんぽへ相談されることをおすすめします。 参考|全国健康保険協会サイト『都道府県支部』 濃厚接触者で陰性のとき、傷病手当金は支給されるのか 濃厚接触者で陰性のときは、傷病手当金は支給されません。 傷病手当金は業務外での疾病により仕事ができないときに支給される制度のためです。 支給の対象になるかどうかは以下の図を参考にしてください。 【新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金について】 (出典)全国健康保険協会 神奈川支部『新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金について』 新型コロナウイルス感染症関係の傷病手当金支給について、厚生労働省からQ&Aが発表されています。具体的なケースの記載がありますので、状況にあわせて内容をご確認ください。 参考|「新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給に関するQ&A」 の改訂について 待機期間が変更 新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者は、感染者と最終接触した日から7日間(8日目解除)ですが、4日目及び5日目に薬事承認された抗原定性検査キットを用いた検査で陰性を確認した場合は、社会機能維持者であるか否かに関わらず、5日目から解除が可能です。 新型コロナウイルス感染症感染症の支援 新型コロナウイルス感染症に関する国からの支援が、多岐にわたり準備されています。内閣官房サイトでは、支援内容や問い合わせ先の情報が随時更新されているので、最新の情報をご確認ください。 参考|内閣官房サイト『新型コロナウイルス感染症に伴う各種支援のご案内参考』 会社の休業手当の支払いについて 新型コロナウイルス感染症の「感染の疑い」「濃厚接触者の疑い」となる役員や従業員が出たとき、会社が自宅待機や休業を命じるケースがあります。 職場の安全確保や感染予防のために取った措置だとしても、従業員に対して休業手当の支払が発生します。 【休業をしたときの休業手当の支払い】 会社が行う対応 誰もが新型コロナウイルス感染症に感染する可能性、濃厚接触者になる可能性があります。感染者や濃厚接触者になると待期期間は出社できなくなるケースが出てくるので、待機期間中の対応を事前に検討しておくことをおすすめします。 【対応例】 ・テレワークの導入 ・定期的にPCR検査を実施 ・休業中の連絡方法 ・業務の引継ぎ方法 など まとめ 新型コロナウイルス感染症に感染する方は増加傾向にあり、それに伴い濃厚接触者も増えています。新型コロナウイルス感染症に感染していても無症状な方もいます。 会社の対応として、定期的に従業員にPCR検査を実施することは無症状者の早期発見につながり、新たな感染を防ぐことにもつながります。 従業員が出社できなくなることを想定して、早めに業務の見直しや感染者が出たときの対応を決めておくことをおすすめします。

  • ストレス症状の理解と、企業のメンタルヘルス対策

    ストレスの原因はさまざまです。 ストレスとは外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことをいいます。 嫌なこと、辛いこと、しんどいことなどを連想されるかもしれませんが、楽しいことや嬉しいこともストレスの原因になります。 たとえば、社会的要因(仕事、人間関係など)、環境(天候、騒音など)、身体的要因(疾病、寝不足など)の日常生活で起きること以外にも、結婚、就職、出産、引っ越しなどの外部からの刺激もストレスの原因になり得ます。 ストレスは身近なものだと理解して、上手く付き合っていくことが大切です。 ストレスが原因で起こること ストレスを感じたとき、人は恒常性のバランスを保っているため、身体に影響がでない仕組みになっています。しかしストレスが継続的であったり、過度で急激なストレスを感じたときは恒常性のバランスが崩れ、心身や行動などに症状がでてきます。 【ストレスの症状】 不眠、腹痛、もの忘れ、集中力低下、胃腸炎、片頭痛、動悸、便秘、下痢、アトピー性皮膚炎、高血圧、めまい、不安、暴飲暴食、拒食、飲酒、ギャンブル、メンタル不調など ストレスから現れる症状はさまざまです。 症状に気づかず無理を続けると悪化する可能性があります。 周りの人の症状と比較せず、ご自身の状態を確認し、早めのセルフケアをおすすめします。 ストレスの症状への対応(セルフケア) ストレス症状への対応に必要なのは、 「ストレスやメンタルヘルスに対する正しい理解」 「ストレスチェックなどを活用した気づき」 「ストレスの対処」などです。 厚生労働省のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」には、働く人がストレス症状に対応できるようにさまざまな対策やツールが掲載されています。 ストレスから現れる症状の説明動画やこころを整えるヨガ動画、ストレスセルフチェック、チェックリストなどです。 企業向け、本人向けに分かれて掲載されていますので、サイトを参考に対応してください。 参考|厚生労働省働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト『こころの耳』 ストレスに関係したメンタル不調を未然に防ぐ ストレスから起こるメンタル不調は、一次予防、二次予防、三次予防の3段階に分けられています。 第一次予防として、常時50人以上の従業員を雇用する事業場にはストレスチェックの実施が義務化されています。ストレスチェックは、企業が従業員のストレスの程度を把握し、従業員自身がストレスに気づけるよう促すとともに、職場環境の改善を行い、従業員がメンタル不調にならないよう未然に防止できることを目的としています。 50人未満の企業は努力義務ですが、メンタル不調を未然に防止するためにもできるだけ実施されることをおすすめします。 (出典)厚生労働省『ストレスチェック制度の効果摘な実施と活用に向けて』P3 テレワークにおけるメンタルヘルス対策 新型コロナウイルス感染症の流行により、テレワークを実施する企業が増えました。 テレワークの導入で 「通勤時間が節約できる」 「通勤による心身の負担が少ない」 「担当している業務に集中できる」など、 ストレス軽減につながる傾向が見られています。 その反面 「長時間労働になりやすい」 「コミュニケーションが取りづらい」など、 テレワークならではの課題もあります。 (出典)厚生労働省『こころの耳サイト テレワークにおけるメンタルヘルス対策のための手引き』 企業側も、テレワークでは対面の面談より得られる情報量が少ないなどの課題があり、メンタル不調に気づきにくいことがあります。 以下、課題解消の取組例をあげておきます。 ・サポート研修の実施 ・社内でメンタルヘルス関連の情報発信 ・相談窓口の設置 ・従業員からの職場についてアンケートやヒアリングの実施 ・定期的なオンライン面談の実施 ・雑談ができるチャットルームの作成 など (引用)厚生労働省『こころの耳サイト テレワークでのメンタルヘルス対策について』 社内でのコミュニケーションを活性化し、テレワーク中の従業員が孤立しないような取組をおすすめします。 また、テレワーク中の環境も大切です。 仕事場所の状態を確認するために「こころの耳」のサイトにチェックリストがあります。環境整備は従業員の身心の健康のために必要な要素です。 チェックリストを活用して、テレワークで働く従業員をサポートされることをおすすめします。 (出典)厚生労働省『自宅等においてテレワークを行う際の作業環境を確認するためのチェックリスト(労働者用)』 休職したときに支給される傷病手当金 ストレスが原因でメンタル不調になり、休職をすると、健康保険から傷病手当金が支給されることがあります。 傷病手当金は、労災以外の休業で仕事ができず、休業している期間が4日以上あるときに、4日目から支給されます。 最初の3日間は待機期間となり支給されません。支給額は以下になります。 【傷病手当金の支給額】 (出典)全国健康保険協会(協会けんぽ)『傷病手当金』 傷病手当金は、本人が社会保険に加入していないときは支給されません。 また、協会けんぽ以外の健康保険(国民健康保険、国民健康保険組合など)のときは、傷病手当金の制度が異なりますので、加入されている健康保険へお問合せください。 ストレスチェック等の助成金 企業がストレスチェックやメンタルヘルス対策を行うときは、助成金の対象になることがあります。助成金は「独立行政法人 労働者健康安全機構」が窓口となっています。 詳細については手引を参考にしてください。 1 心の健康づくり計画助成金 メンタルヘルス対策促進員の助言・支援に基づき「心の健康づくり計画」を作成し、計画に基づきメンタルヘルス対策の全部または一部を実施したときに助成されます。 【対象企業】 以下のすべての要件を満たす必要があります。 ・労働者を雇用している法人および個人事業主 ・労働保険の適用事業場 ・登記上の本店または本社機能がある事業場(個人事業主は、開業届のと届出がされている事業場) 【助成額】 100,000円(1法人または1個人事業主あたり1回限り) 参考|独立行政法人 労働者健康安全機構『令和4年度版「心の健康づくり計画助成金」の手引』 2 ストレスチェック実施促進のための助成金 医師・保健師などによるストレスチェックの実施、またはストレスチェック後に、医師の面談指導などを実施したときに助成されます。 【対象企業】 以下のすべての要件を満たす必要があります。 ・中小企業 ・事業場の従業員数50名未満 ・労働保険の適用事業場 【助成額】 ①ストレスチェックの実施費用:従業員1名につき500円(税込) ②ストレスチェックにかかわる医師による活動費:1事業場あたり1回の活動につき21,500円(税込)【上限3回】 参考|独立行政法人 労働者健康安全機構『令和4年度版「ストレスチェック」実施促進のための助成金の手引』 まとめ 身心に変化が現れていても、「ちょっと調子が悪いかな」「いつもの偏頭痛かな」などと捉えてしまい、気づかないうちに状態が悪化するケースもあります。 不調は本人にしかわかりません。 変化があったときは状況などを踏まえ、悪化する前にセルフケアなどを行ってください。 また従業員が安心して働ける環境づくりは、企業の責務です。 「ストレス対応は本人のみの課題」と判断し、正しい対応をしていないと、職場環境の悪化や離職、トラブルが増加する可能性があります。 従業員が安心して健康に働けるよう、ストレスについて理解を深めていただき、対応されることをおすすめします。

  • 改正育児・介護休業法の規定も追加された「求人不受理」とは

    法令等ではすべての求人を受理しなければならないとなっています。 しかし、法令等に違反している求人は心身の健康や定着、円滑なキャリア形成の面などで、求職者の職業生活に長期的な影響を及ぼす恐れがあります。 そこでハローワークや職業紹介事業者等(以下、ハローワーク等という)では、悪影響を未然に防ぐため、不受理の対象となる求人は受理しないことができると法律で定められています。 2022年4月、育児・介護休業法が改正されました。 この育児・介護休業法の改正に未対応のときも、求人不受理の対象になる可能性があります。 今回の記事では、どのようなときに求人が不受理の対象となるかをお伝えしていきます。 求人不受理とは 求人不受理とは、ハローワーク等が一定の労働関係法令違反のある求人者からの求人申し込みなどを受理しないことができる仕組みです。 2016年、新卒者向けの求人について、一定の労働関係法令違反の求人者の求人をハローワーク限定で受理しないことができる仕組みがスタートしました。 求人の不受理は、法令等上「できる」規定となっています。 そのため実際不受理とするか否かについてはハローワークの判断となりますが、厚生労働省の集計では、2019年までのハローワークにおける求人不受理の取扱件数は544事業所あったと報告されています。 その後、2020年、新卒者向け求人からすべての求人へと範囲拡大し、ハローワーク限定から民間の職業紹介事業所等も加えられました。 不受理の対象となる求人 以下のいずれかに該当するとき、求人の申し込みが受理されない可能性があります。 ①②③は、求人票に対しての項目です。 ④⑤⑥は、求人者である企業に対しての項目です。 (出典)厚生労働省『改正職業安定法(求人不受理)について』2020年2月版 上記のうち、①②③では以下のようなケースが見受けられます。 【不受理の対象となる求人例】 ・定年年齢が60歳を下回っている ・実際の待遇に比べて過大な基本給を明示しているが、実際は固定残業代が含まれている ・雇用期間や就業場所、労働時間、賃金など働く上で必要な条件が明示されていない など 不適当な求人には、誤解を生じる内容や虚偽の表示なども含まれます。 求人票には事実を記載し、最新の内容となるよう見直しをされることをおすすめします。 また、④一定の労働関係法令違反のある求人者とは、対象となっている労働関係法令に違反し、かつ、各法令により「同一の違反に対し是正指導を複数回受けた場合」や「是正を求める勧告に従わず公表された場合」などに該当したケースをいいます。 求人が不受理になると、ハローワーク等で一定期間求人を受け付けてもらえません。 (出典)厚生労働省『改正職業安定法(求人不受理)について』2020年2月版 不受理の対象となる規定 求人不受理の対象となる規定は、法令等(労働基準法、育児・介護休業法、職業安定法など)により定められています。 たとえば労働基準法の中には、過重労働の制限などに対する規定があります。 長時間労働や賃金不払い残業などに関する法違反は、求職者の職業生活のキャリア形成に支障をきたす恐れがあるため、対象とされました。 その他、求人の募集段階から労働条件に変更が生じやすいことから、就業前の労働条件確認が重要であるとし、募集・求人の申し込みと労働契約締結時の労働条件の明示などの規定も対象となっています。 【労働基準法の不受理の対象となる規定】 その他の法律の対象規定は、以下のパンフレットをご覧ください。 参考 | 厚生労働省『改正職業安定法(求人不受理)について』2020年2月版 新たに追加された育児・介護休業法の対象となる規定とは 求人不受理の対象となる規定は、法改正などにより規制が増えると対象規定も増え、今回の育児・介護休業法の改正も一部対象となっています。 今まで、仕事と育児などの両立を理由とした不適切な取扱いがあれば、求職者の継続就業が困難になるため、仕事と育児などの両立などに関する規定も対象となっていました。 2022年4月施行により、雇用環境の整備、個別の周知・意向確認等の規定が新設されました。それに伴い、求人不受理の対象となる以下の規定が追加されています。 【2022年4月に追加された規定】 ・妊娠や出産等についての申出を理由とした不利益取扱いの禁止(法第21条第2項) この規定に違反し、是正を求める勧告に従わず公表されたとき、ハローワーク等では求人の申し込みを不受理とすることができる条項が追加されています。 また、2022年10月の育児・介護休業法施行により以下の規定も追加される予定です。 【2022年10月追加予定の規定】 ・出生時育児休業申出に関する企業の雇用管理上の義務(改正法第9条の3第1項) ・出生時育児休業申出をしたことなどを理由とした不利益取扱いの禁止(改正法第10条) 法改正の対応をしていないと求人がすぐに受け付けてもらえないというわけではありませんが、違反の指摘がされてからでは求人不受理のリスクが高まるため、早めに改正育児・介護休業法の対応をされることをおすすめします。 ハローワーク等から求められる自己申告とは ハローワーク等は求人の申し込みに対し、不受理の対象となる求人かどうかを確認するために、求人者に対して自己申告書を求めます。 求人者は、ハローワーク等から自己申告の求めがあったときは、正当な理由がない限り応じなければならないとされています。 正当な理由なく自己申告を行わないときは求人の申込が受理されないことがあり、また、事実に相違する報告をしたときは、都道府県労働局による勧告や公表などの対象となる可能性があるため、正しい内容の自己申告をお願いします。 (出典)厚生労働省『改正職業安定法(求人不受理)について』2020年2月版 まとめ 法改正により新たに加わる求人不受理の対象規定は、ハローワーク等でも対応確認をされる可能性もありますので、採用の面でも注目が必要です。 必要なときに求人の申し込みをスムーズに行うためにも、求人票が事実と正しく最新の内容となっているか随時見直しを行うほか、労働関係法令が守られているか改めて確認されることをおすすめします。

  • 10月からの社会保険の適用拡大に向け、事務取扱いの通達や50のQ&Aが公開されました

    厚生労働省より、2022年10月からの社会保険の適用拡大に関する事務の取扱い通達や 50のQ&Aが公開されました。 今回は、通達やQ&Aより、社会保険の適用拡大に関するポイントをご説明いたします。 社会保険の適用拡大とは 社会保険の加入者は法令で定められています。 フルタイムの従業員(正社員など)と、フルタイムの従業員とを比べて週の所定労働時間および1か月の所定労働日数が3/4以上のパート・アルバイトなどです。 一般被保険者といいます。 社会保険の適用拡大とは、社会保険に加入する対象範囲が企業の従業員数によって段階的に拡大することです。 対象となる企業は「特定適用事業所」といいます。 現在、特定適用事業所は、従業員数500人を超える企業が対象となっています。 また、特定適用事業所の従業員のうち、一般被保険者にならない短時間労働者で 以下の4つの要件を満たす方が社会保険に加入することになります。 【短時間労働者の社会保険の加入要件】 1 週の所定労働時間が20時間以上 2 月額賃金が88,000円以上 3 雇用契約期間が継続して1年以上見込みがある 4 学生ではない(休学中または夜学生は除く) なぜ社会保険の適用拡大を進める必要があるのか これまでも法律改正により、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の適用拡大の取組が進められてきました。その意義については、以下の点があるとされています。 (出典)厚生労働省『被用者保険の適用拡大を進めるにあたっての基本的な考え方』 2022年10月以降、社会保険の適用拡大が次のように変わります。 2022年10月1日以降、特定適用事業所の企業の人数要件と短時間労働者の4つの加入要件のうち、雇用契約期間の要件が変わります。 【特定適用事業所の企業の人数要件】 現 在:従業員数500人を超える企業 改正後:従業員数100人を超える企業 2022年10月1日以降は、従業員数100人を超える企業が「特定適用事業所」となります。 【雇用契約期間の要件】 現 在:雇用契約期間が継続して1年以上見込みがあること 改正後:「雇用契約期間が継続して1年以上見込みがあること」が廃止、 2か月を超える雇用の見込みがあること 以下の特定適用事業所の企業の人数要件に該当し、短時間労働者の加入要件に該当するときは、社会保険に加入することになります。 【加入要件】 従業員数100人を超える企業とは 従業員数100人を超える企業とは、厚生年金の被保険者の総数が100人を超えることが見込まれる状態をいいます。 2022年10月からの社会保険の適用拡大に関するQ&Aでは、以下のように回答されています。 ~Q&A 問8より~ Q: 「被保険者の総数が常時100人を超える」とは、どのような状態を指すのか。 どの時点で常時100人を超えると判断することになるのか。 A:「被保険者の総数が常時100人を超える」とは、 ①法人事業所の場合は、同一の法人番号を有する全ての適用事業所に使用される厚生年金保険の被保険者の総数が12か月のうち、6か月以上100人を超えることが見込まれる場合を指します。 ②個人事業所の場合は、適用事業所ごとに使用される厚生年金保険の被保険者の総数が12か月のうち、6か月以上100人を超えることが見込まれる場合を指します。 従業員数100人超えに該当する企業と該当する可能性のある企業は、 2022年8月頃、日本年金機構からお知らせが届きます。 以下を参考に送付されるタイミングと必要な手続をご確認ください。 【2022年10月より前に届くお知らせ】 【2022年10月以降に届くお知らせ】 (出典)厚生労働省『短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(令和4年10月施行分)』 パート・アルバイトの所定労働時間が変更になったときの取扱い 特定適用事業所におけるパート・アルバイトの所定労働時間が変更になったときは、その状況に応じて社会保険資格取得届の届出または被保険者区分変更届の届出を日本年金機構に行う必要があります。 (例)所定労働時間が20時間未満の従業員が20時間以上(短時間労働者)になった場合 →社会保険資格取得届の届出 (例)所定労働時間が20時間の従業員が30時間(一般被保険者)になった場合 →被保険者区分変更届の届出:「短時間」→「一般」に区分を変更 (例)所定労働時間が30時間の従業員が20時間(短時間労働者)になった場合 →被保険者区分変更届の届出:「一般」→「短時間」に区分を変更 参考・ダウンロード|健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険 70歳以上被用者該当届 参考・ダウンロード|被保険者区分変更届・70歳以上被用者区分変更届 その他、2022年10月からの社会保険の適用拡大に関するQ&Aでは、以下のような取扱いについても回答をしています。 ~Q&A 問32より~ Q: 就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間が週20時間未満である者が、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が週20時間以上となった場合は、どのように取り扱うのか。 A:実際の労働時間が連続する2月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている又は続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に被保険者の資格を取得します。 引用|厚生労働省『短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集(令和4年10月施行分)』 従業員数に関係なく、2か月を超える見込みのある従業員も社会保険の加入が必要 2022年10月、社会保険の適用拡大とともに、厚生年金保険の適用除外要件が見直しになります。法令等では、日々雇用される者と以下の従業員は社会保険の適用の対象とはなっていません。 改正前(2022年9月30日まで):2か月を超えて雇用されない者 改正後(2022年10月1日以降):2か月を超えて雇用される見込みがない者 つまり、有期契約労働者の雇用契約書に「更新する場合がある」などの明示があるときは、2か月を超えて雇用が見込まれると判断され、最初の2か月の雇用契約期間を含めて社会保険に加入しなければならなくなります。 (出典)厚生労働省年金局『その他の制度改正事項及び業務運営改善事項について』 企業がすべきこと まずは自社が2022年10月以降の「特定適用事業所」に該当するかをご確認ください。 社会保険の適用拡大に向けては、今から準備が必要です。 パート・アルバイトで対象になる方を確認のうえ、対象者には今後社会保険に加入しなければならないことを早めに説明し、働き方や勤務時間などの労働条件について話合いを進めることをおすすめします。必要に応じて雇用契約書の変更などの準備をすすめます。 社会保険の適用拡大に伴い、企業の社会保険料も増えます。 どのくらい増えるかを早い段階で確認し、必要であれば、採用計画などの見直しも検討してください。 2022年10月、従業員100人を超える企業に適用拡大されたあと、 2024年10月からは従業員50人を超える企業が対象となります。 現時点で30名程度の企業では、2年後には現在よりも従業員数が増えていることが想定されます。 社会保険の適用拡大を意識した上でパート・アルバイトの働き方管理や採用を進めていくよう、現時点から制度について理解されることをおすすめいたします。

  • 2022年4月 育児・介護、定年引上げ等にかかわる助成金の改正点について

    厚生労働省の助成金は、毎年4月に改正・廃止などの発表がされます。今回は2022年に改正があった助成金のうち、育児・介護にかかわる「両立支援等助成金」、高齢者の雇用改善、定年の引上げ等にかかわる「65歳超雇用推進助成金」について記載しています。 両立支援等助成金 両立支援等助成金は、育児休業取得・復職や介護のときなどの体制の整備が必要な中小企業を対象にした助成金です。要件の改正は毎年行われています。今回は、よく利用されている「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」「育児休業等支援コース」の改正点についてお伝えします。 【両立支援等助成金 コース一覧】 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金) 男性従業員が、子の出生後8週間以内に開始する育児休業を取得したときに支給される助成金です。2022年度から要件や助成額が見直しになり、廃止された内容もあります。 【廃止された内容】 男性従業員が育児目的休暇を取得した場合の助成(助成額:28.5万円) 子の出生前6週間、出生後8週間以内に配偶者の出産支援、養育などのため休暇を取得し企業が賃金を支払ったときの助成金 【改正の内容】 男性従業員の助成金の対象が「大企業、中小企業」から「中小企業のみ」になりました。また、育児休業を取得したときの「第1種」と男性従業員の育児休業取得率がアップしたときの「第2種(新設)」になりました。 第1種の助成金を受給するためには、育児休業取得者の業務を代替する従業員の業務見直しにかかわる規定の作成、規定にそった業務体制の整備が必要です。 また、対象の男性従業員に対し育児休業の取得支援等を行ったときに支給されていた「個別支援加算」は、「代替要員加算」へ変更になっています。 第2種は新設された助成金です。第1種の助成金を受給した企業が、男性従業員の育児休業取得率を3年以内に30%以上アップさせ、第1種申請にかかる男性従業員以外に育児休業を取得した男性従業員が2名以上いることが必要です。 (出典)厚生労働省『両立支援等助成金』(出生時両立支援コース、育児休業等支援コース)が令和4年度から変わります』 また、第1種、第2種ともに以下の雇用環境整備を2つ以上実施する必要があります。ただし、従業員から企業へ行う育児・介護休業法の出生時育児休業の申請期限が2週間前を超えるときは、3つ以上の実施が必要になります。 【雇用環境整備とは】 1 雇用する従業員に対する育児休業にかかわる研修の実施 2 育児休業に関する相談体制の整備 3 雇用する従業員の育児休業の取得に関する事例の収集および当該事例の提供 4 雇用する従業員に対する育児休業に関する制度および育児休業の取得の促進に関する方針の周知 育児休業等支援コース 育児休業の取得、復職、育児休業中の従業員の代替要員を確保などに対して支給される助成金です。 【改正の内容】 「代替要員確保時」と「職場復帰時(職場支援加算)」に実施していた代替要員確保に対する支援が「業務代替支援」になりました。業務代替支援は「新規雇用」「手当支給等」の2つに分かれています。 新規雇用は、育児休業を取得する従業員の業務を代替する従業員を新規に雇用(派遣労働者含む)する必要があります。手当支給等は、業務の見直し・効率化のため以下のすべての取組を実施しなければなりません。 【手当支給等の必要な取組とは】 1 業務の一部の休止・廃止 2 手順・工程の見直し等による効率化、業務量の減少 3 マニュアル等の作成による業務、作業手順の標準化 4 対象の育児休業を取得している従業員の育児休業中の業務分担を明確にし、業務代替者の上司、または人事労務担当者が業務代替者に代替業務の内容、賃金について、面談により説明 (出典)厚生労働省『両立支援等助成金(出生時両立支援コース、育児休業等支援コース)が令和4年度から変わります』 65歳超雇用推進助成金 65歳超雇用推進助成金は、定年の引上げ、高年齢者の無期雇用転換などに対して支給される助成金です。要件の改正や助成金の名称など変更になっています。今回は、よく利用されている「65歳超継続雇用促進コース」の改正点について記載しています。 65歳超継続雇用促進コース 65歳以上への定年の引上げ、定年の廃止、希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用の導入に関して、助成額が被保険者数によって細分化されました。また「70歳以上の定年の引上げ」「定年の定めの廃止」「70歳以上の継続雇用」は導入前の定年年齢が70歳未満に限定されています。 【2021年度の助成額】 (出典)独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構『65歳超雇用推進助成金 65歳超継続雇用促進コース)支給申請の手引き(令和3年4月1日)』P8 【2022年度の助成額】 (出典)独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構『65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)支給申請の手引き(令和4年4月1日)』P9 【就業規則に定める内容】 定年引上げなどの実施日の6か月前の日から支給申請日の前日までの間に以下の内容を就業規則に定めておかなければならず、定めていないときは支給申請ができません。 1 定年が60歳以上であること 2 65歳までの高年齢者雇用確保措置が導入されていること (例) ・定年65歳 ・希望者全員を65歳まで継続雇用する制度 ・定年の廃止 など 【申請期間】 2021年度:定年引上げなど実施日の翌日から2か月以内 2022年度:実施日が属する月の翌月から起算して4か月以内の各月月初から5開庁日(休日除く) 定年の引上げなどの実施後に支給申請を行いますが、申請期間が大きく変更になっています。助成金の窓口サイト(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)に受付カレンダーがありますので、申請期間を確認し期限が過ぎないようにしてください。 (出典)独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構『受付カレンダーはこちら』 まとめ 育児休業関連、定年引上げ関連の助成金はよく知られています。毎年度、要件が変更になっており、細かな要件が多い助成金のため、申請を進めるときは事前に要件の確認や助成金の窓口、社会保険労務士へ相談をおすすめします。 また、定年の引上げ関係の助成金は、昨年度は予算に達したため年度途中(9月)で申請の受付が終了しました。(一部、今年度に申請の受付がされています。)助成金は予算が確保されており、年度途中での受付終了は珍しく、企業の関心の高さが見受けられます。 制度導入を検討している場合は、申請時期などを踏まえて早めに進められることをおすすめします。

  • シフト制で働く従業員の雇用管理を行うときの留意点について

    労働契約を締結するときは、1日8時間、週40時間を超えない範囲で、労働日ごとの始業・終業時刻を決めて働くことが基本です。しかし、繁閑期の人員調整や、労働者側の柔軟な働き方ニーズの拡大を背景として、労働日や始業・終業時刻を特定せず、一定期間ごとに労働時間を確定する労働契約も存在します。 シフト制と変形労働時間制です。今回の記事では、おもにシフト制で働く従業員の雇用管理のポイントをお伝えします。 シフト制と変形労働時間制の違い シフト制と変形労働時間制の違いは下記のとおりです。 【シフト制】 職場でいくつかの労働時間パターンを決めて、1週間や1か月の一定期間ごとに複数の従業員を配置する働き方です。シフト制従業員は、働く曜日や時間が常に一定ではありません。法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超える勤務時間の設定はできませんが、現場の都合を考慮しながらの人員配置など、直前にシフトを組むことができます。 【変形労働時間制】 繁閑期の業務量の変動にあわせて、年や月など一定期間ごとに労働時間を配分し調整する働き方です。繁忙期は所定労働時間を長くし、閑散期は所定労働時間を短くするなど、時期によって業務量の調整ができるため、残業代をおさえることもできます。ただし、就業規則への記載、労使協定などで労働時間を設定するなどの導入までの手続や出勤日と労働時間を特定した企業カレンダーを作成するなどの事前対応が必要です。 シフト制で企業が気をつけるポイント シフト制での働き方は、労使ともに事情にあわせて柔軟に労働日や労働時間を設定できるというメリットがある一方、企業の都合を優先しすぎるとトラブルに発展するケースがあります。トラブルを防ぐため、下記の5つのポイントに留意してください。 1 労働契約するときに始業・終業時刻、休日の基本的な考え方を明確にする 【始業・終業時刻】 シフト制で労働契約をするときは「シフトによる」と記載するだけでは不足しています。職場で決定している労働時間の始業・終業時刻のパターンやシフト期間など基本となる考え方を記載する対応が必要です。 【休日】 一定期間ごとに労働日を決定するため、毎週土曜日・日曜日を休日とするなど具体的な休日の特定をしていない場合でも、休日の設定について基本となる考え方を記載する必要があります。例えば、毎週1日以上もしくは4週4日以上の休みをシフトで指定するなどです。 2 シフト作成時の基本的ルールを事前にきめる 基本となる始業・終業時刻や休日を定めたうえで、シフト作成時の基本的ルールを事前に定めておく必要があります。下記の基本的ルールについて検討し、労働契約時に従業員に伝えるなどの対応が必要です。 ・シフト表作成にあたり従業員の意見も聴取すること ・確定したシフト表などの通知する期限や方法について ・シフト変更、キャンセルを申し出る期限や方法について 3 一定期間の働く可能性のある最大値・最小値をきめる トラブルになる要素として、企業と従業員がどのくらい働くかの共通認識がなされていないことがあります。そこで、一定期間の働く可能性がある最大値や最小値の日数・時間数・時間帯を雇用契約書などで明示し、納得して働いてもらうことでトラブル発展を防止します。 【一定期間に働く最大の日数、時間数、時間帯を設定】 例:毎週月、水、金曜日から勤務する日、勤務する時間をシフトで指定する 【一定期間中の目安となる労働日数、労働時間数を設定】 例:1か月〇日程度勤務/1週間あたり平均〇時間勤務 【一定期間に最低限働く日数、時間数などを設定】 例:1か月〇日以上勤務/少なくとも毎週月曜日は勤務するシフトを入れる 4 シフト制従業員の安全と健康確保について適切な対応をする シフト制従業員であっても、職場での安全や健康を確保するための安全衛生教育や労働災害対応、健康診断等による健康を確保する措置などの対応は必要です。 また、社会保険や雇用保険についても要件を満たすときは加入が必要です。社会保険や雇用保険の加入を判断するためにも、雇用契約書などで一定期間の働く日数や時間数などを明確にすることをおすすめします。社会保険と雇用保険の加入要件は下記のとおりです。 【社会保険】 1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が 企業のフルタイム従業員の3/4以上である 【雇用保険】 下記のいずれも満たすとき ・1週間の所定労働時間が20時間以上である ・31日以上の雇用見込みがある 5 シフト制従業員の有給休暇や会社都合休業の対応方法を周知する 【有給休暇の付与日数と取得】 有給休暇の付与日数について、シフト制従業員で1週間の所定労働日数が決まっていないときは、「週所定労働日数」ではなく「1年間の所定労働日数」の欄をご覧ください。原則、有給休暇の付与時点で予定されている今後1年間の所定労働日数に応じた日数で判断します。しかし、毎週の勤務シフトがまちまちで、予定されている所定労働日数を算出しがたいときは、有給休暇の付与直前の実績を考慮して算出することとして差し支えありません。 また、有給休暇は労働日に労働を免除する制度です。シフト表が確定する前に有給休暇を申請する従業員もいますが、本来は決定したシフト表の労働日に対して有給休暇を使うことになります。シフト制従業員が有給休暇の申請をしたあとに、シフトの調整をして有給休暇を与えないといった取扱いは認められません。 【会社都合の休業】 シフト制従業員であっても企業都合による休業のときは、休業手当の支払が必要です。シフト表が確定したあとに企業都合により休業させるときはわかりやすいのですが、コロナ感染関連による休業など、シフト表を組む前にシフト制従業員に休業をさせるときもあります。 そのようなときは、休業までの勤務実績や労働契約時の一定期間に働く勤務日数や時間を基準にみなしの休業日数を決定すると、シフト制従業員の休業に対しての納得性も高まるためおすすめです。 シフト制労働契約簡易チェックリストの活用 厚生労働省では、シフト制で働く従業員とのトラブル予防のため、下記のような簡易チェックリストが掲載されたリーフレットを公開しています。シフト制従業員をすでに雇用されている企業も、これからシフト制を導入する企業も一度チェックされることをおすすめします。 (引用)厚生労働省『「シフト制」労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項』 まとめ 「シフトが以前より少なくなった」「シフトを一方的に減らされた」など、労働契約時の契約をあいまいにすすめたことによるトラブルの発生が見受けられます。 企業と従業員がともに気持ちよく働けるように、今回の記事や厚生労働省の簡易チェックリストをご活用いただき、適切な雇用管理にお役立てください。

  • 2022年4月 キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金の改正点について

    厚生労働省の助成金は約70種類あり、毎年改正などが行われます。 今回は、キャリアアップ助成金、人材開発支援助成金の2022年4月1日の改正についての概要を解説します。 キャリアアップ助成金 キャリアアップ助成金は、企業内の正社員以外の従業員(有期契約労働者、パートタイマー、派遣労働者など)のキャリアアップが進むよう処遇改善の取組を実施した企業に対して支給される助成金です。取組内容は7コースに分かれており、それぞれに定められた要件があります。今回は支給申請が多い「正社員化コース」の改正点を記載しています。 【キャリアアップ助成金 コース一覧】 (出典)厚生労働省サイト『キャリアアップ助成金』 キャリアアップ助成金(正社員化コース) 正社員以外の従業員(有期契約労働者、パートタイマー、派遣労働者など)を正社員へ転換させたときに対象となる助成金です。改正の適用は2022年4月1日、10月1日の2段階に分かれています。 【2022年4月1日から適用】 1 有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換が廃止 以前は、勤務時間が通常より短い有期契約のパートタイマーを無期雇用契約に転換させたときなどが助成金の対象となっており、比較的、利用しやすい制度でした。 2 正社員転換を行う前に訓練を実施すると助成金が加算される対象の拡充 人材開発支援助成金の「人への投資促進コース」の対象となる訓練を修了後、正社員へ転換したときに助成金が加算されます。 加算額 有期契約労働者から正社員へ転換:95,000円(120,000円)/人 無期雇用労働者から正社員へ転換:47,500円(60,000円)/人 ※()は生産性要件を満たしたときの受給額です。 詳細はパンフレットを参考にしてください。 (出典)厚生労働省「労働生産性を向上させた事業所は労働関係助成金が割増されます」 【2022年10月1日から適用】 2022年10月1日以降は以下の内容を就業規則に規定しなければなりません。 1 正社員の定義の変更 賞与または退職金、昇給について就業規則に記載がないときは制度の導入が必要です。 【賞与】 賞与は、支給を前提とした制度が必要です。 OK例:賞与は原則として〇月に支給する。ただし業績によって支給しないことがある。 NG例:賞与は支給しません。ただし業績によって支給することがある。 【昇給】 昇給は、客観的な基準がある制度の導入が必要です。運用上、賃金の据え置きや降給の可能性があったとしても対象になります。 OK例:昇給は勤務成績が良好な従業員に対して毎年〇月〇日をもって行う。ただし、会社の業績の低下その他やむを得ない事由があるときは行わないこととする。 NG例:会社が必要と判断したときは、賃金の昇降給を行う。 【退職金】 退職金は、法令等で定められている適用される範囲、支給要件、金額の計算方法、支払時期などの記載が必要です。 (出典)厚生労働省『キャリアアップ助成金のご案内』P29 2 対象者の要件の変更 正社員、正社員以外で異なる基本給、賞与、退職金、各種手当などについて、1つ以上を就業規則に記載しておかなければなりません。正社員以外の賃金の記載が「個別の契約書による」になっているなど、賃金の額や計算方法が明確に記載されていないときは助成金の対象外となります。 (出典)厚生労働省『キャリアアップ助成金のご案内』P17 キャリアアップ助成金(正社員化コース)の加算 2021年12月21日以降に人材開発支援助成金の訓練を終了後、正社員転換を実施したときは、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の受給額に以下の額が加算されます。 (出典)厚生労働省『キャリアアップ助成金が使いやすくなりました』 対象となる訓練は定められていますので、2つの助成金を活用するときは事前に助成金の窓口(都道府県労働局、ハローワーク)などにご相談ください。 人材開発支援助成金 人材開発支援助成金とは、企業が従業員に対して行う訓練(OJT、OFF-JT)の経費や訓練期間中の賃金の一部が助成される制度です。対応者や訓練内容によって8コースあり、共通で改正される内容、各コースごとに改正される内容で分かれます。 【改正内容一覧】 (出典)厚生労働省『令和4年度から人材開発支援助成金の見直しを行います』 1 訓練施設の変更 2022年3月31日までは訓練を実施する施設に制限がありませんでした。そのため、グループ企業内での訓練や訓練を実施する企業の役員と、訓練施設の役員が同じケースのときなども助成金の対象でした。2022年4月1日以降は対象外となります。 2 訓練講師の要件の変更 外部講師を招いて訓練を実施するときの要件が明確になりました。また今後は、企業内講師のみ提出が必要だった講師要件確認書の提出が必要になります。 (出典)厚生労働省『令和4年度から人材開発支援助成金の見直しを行います』 3 OJTの助成額変更など 2022年4月1日以降に訓練の計画書を提出、OJTを実施したときの賃金助成が、1時間あたりではなく一律で支給に変更になりました。一律支給の額は以前の有期実習型訓練のOJTの賃金助成約130時間分(1時間760円換算)です。そのためOJTの時間数が多い企業(500時間など)は、以前に比べて受給額が大きく下回ります。OJTの指導者が1日に指導できる人数も制限されますので、訓練を行うときは詳細なスケジュールの作成が必要です。 (出典)厚生労働省『令和4年度から人材開発支援助成金の見直しを行います』 4 対象訓練の統廃合 コースの統廃合が行われました。新たに訓練計画書の提出を行うときは制度の内容確認を行ってください。また、訓練計画書を提出するまでにセルフキャリアドック制度の導入が必要です。制度を就業規則または事業内職業訓練能力開発計画、労働協約に定めてください。 (出典)厚生労働省『人材開発支援助成金(特定訓練コース・一般訓練コース)のご案内(詳細版)』P14 5 「若年人材育成訓練」の対象労働者の変更 対象者の要件になる「5年を経過していない労働者」の起算日が、雇用保険加入日に変更になりました。雇用保険加入要件を満たしていない期間を含めないため、対象労働者が広がりました。 (出典)厚生労働省『令和4年度から人材開発支援助成金の見直しを行います』 6 助成対象訓練の変更 職務に関連した接遇やマナー講習などの訓練時間数に占める割合を、半分未満にしなければならなくなりました。今までは時間数の制限がなかったため、接客業、サービス業などはOFF-JTに接遇やマナー講習の割合が大半を占めるケースがある場合も助成金対象になっていました。今後、訓練計画書を提出するときは内容の見直しが必要になるケースがあります。 7 計画書提出時の書類の変更 訓練計画書提出時の書類が変更・廃止になっています。申請書類をダウンロードするときは対象期間が含まれている書類を使用してください。 (出典)厚生労働省『令和4年度から人材開発支援助成金の見直しを行います』 eラーニング、通信制による訓練が助成金対象になります OFF-JTは「対面」での実施が必要なため、複数の従業員を同じ日時で受講させるにはシフトの調整などが難しく、訓練実施まで至らないケースがありました。今後は「eラーニング」「通信制」での訓練が認められるようになり、個人の勤務状況に合わせて受講できるので企業の負担が軽減され、従業員は訓練を受けやすくなります。 (出典)厚生労働省『人材開発支援助成金 人への投資促進コースのご案内(詳細版)』P45 まとめ 助成金利用は、雇用継続や育成期間中の訓練費用の負担軽減に繋がり、企業も大きなメリットを得られますが、助成金は毎年改正、廃止などがあるため申請には詳細の確認が必要。 記載の内容以外にも細かな要件があります。案内資料(パンフレットなど)はありますが種類や量が多く、分かりにくい部分もありますので、申請をすすめるときにはご注意ください。

  • 労災申請のために企業が準備しておくこと

    労災保険とは、労働者が業務中や通勤途中の災害によりケガや病気にかかったときに、治療費や休業中の生活補償、障害が残ったときの年金などを受けることができる制度をいいます。 今回の記事では、労災申請のために準備しておく企業対応と業務中の労災発生から給付までの流れをお伝えします。 スムーズな労災認定のために企業が準備しておくこと 1 労災が起こった現場等の詳細な記録 各種労災保険の申請書類には、ケガなどが起きたときの災害の原因および発生状況を記入する箇所があります。申請書類に不明な点があれば、労働基準監督署から本人や勤務先、医療機関に対し、文書照会や電話による問合せが行われます。必要に応じて、実地調査が行われることもあります。 そのため発生直後に現場写真の撮影や労災情報などを速やかにまとめ、情報の整理をしておくことをおすすめします。 2 災害発生時の関係者のヒアリング 急な労災事故では、ケガをした従業員は記憶が曖昧になる可能性が出てきます。情報不足の場合は、上司、同僚等からの聴取を行うこともあります。 より詳細な状況把握と原因分析のためにも、本人以外に災害発生状況を目撃した上司や同僚がいるときは、災害発生時の関係者ヒアリングを行い書面にまとめておくことをおすすめします。 3 同じ労働災害が起きないように再発防止の対策を検討する 労働災害が発生したときは、本人や関係者のヒアリングをもとに災害の原因を分析します。今後、同じ労働災害が起きないよう対策を実施するためにも、労働災害の発生事実と今後の防止対策について書面にまとめ、すべての従業員へ周知することをおすすめします。 4 労働時間の的確な把握 過労死等事案などの労災認定のときには、労働時間の的確な把握がもとめられます。タイムカードだけでなく、勤務場所の入退場記録、パソコンの使用時間の記録など、客観的な資料を可能な限り収集し、上司・同僚など関係者からの聴取により始業・終業時刻および休憩時間を詳細に特定することがあります。 労務担当者は、実態とタイムカードにズレが生じないよう、正しい打刻がされるように日頃から指導されることをおすすめします。 5 手当や割増賃金など就業規則にそった給与計算 休業補償の1日あたりの日額を正しく計算するため、労働基準監督署では割増賃金に含めるべき手当が含まれているかどうかや各種手当について、就業規則などで確認することがあります。 就業規則に沿った給与計算は、スムーズな労災認定にとって重要です。提出資料に算定内訳や企業の給与計算方法についてあらかじめ追記しておけば、不要な問合せは減少します。 業務中の労災発生から給付までの流れ 業務中の労災発生から申請、認定までの流れは以下のとおりです。今回は、第三者の行為などによって生じる災害以外の一般的なケースを例にお伝えします。 1 業務中に労災が発生したことの連絡を受ける 業務中に労災が発生したときは、ケガや病気をした本人もしくは現場にいた従業員から以下の状況を確認します。 ①疾病状況の確認 ②病院への搬送の必要性 ③従業員への家族へ連絡の必要性 ④事故が起きた状況 ⑤警察や消防署への連絡の必要性 また、死亡や重大な事故が発生したときは、管轄の労働基準監督署へ電話速報します。 2 治療費に関する労災保険の書類を作成し病院に提出する 業務中のケガなどで治療が必要なときは、労災保険により治療費が支払われます。そのため、ケガや病気をした本人もしくは付き添っている従業員(または家族)に、医療機関にたいし業務中のケガや病気であることを伝えてもらう必要があります。 すべての医療機関が労災保険に対応しているわけではありません。労災保険に対応している医療機関なのかを確認し、治療費に関する労災保険の書類を作成します。労災保険に対応している医療機関かどうかで、書類の様式が異なります。 【労災指定病院で治療を受けたとき】 療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の給付請求書 業務災害用・複数業務要因災害用(様式第5号) 【労災指定病院以外で治療を受けたとき】 療養補償給付及び複数事業労働者療養給付たる療養の費用請求書 業務災害用・複数業務要因災害用(様式第7号) 治療費に関する労災保険の書類ができたら、治療を受けた医療機関へ提出をしてください。治療費については、労災指定病院以外のときは一旦全額負担(10割)します。 3 休業中の補償に関する労災保険の書類を作成し、労働基準監督署へ提出する 業務中のケガなどで休業が必要なときは、休業4日目から休業補償が支給されます。休業中の補償に関する労災保険の書類を作成します。直近3か月の賃金台帳やタイムカード等の添付が必要です。 【業務中のケガなどで休業が必要なとき】 休業補償給付支給請求書 複数事業労働者休業給付支給請求書 業務災害用・複数業務要因災害用(様式第8号) 様式は以下よりダウンロードください。 参考|厚生労働省『労災保険給付関係請求書等』 また、休業3日目までは、企業が平均賃金の60%以上の休業補償を支払わなければなりません。 4 業務中に労災が発生したことを労働基準監督署へ報告する。 業務中に労災が発生したら、労働基準監督署へ報告をする必要があります。労災による休業が4日以上と4日未満のときで報告書の様式と報告するタイミングが異なります。 【休業が4日以上のとき】 労災が発生してからできる限り早いタイミングで、「労働者死傷病報告(様式第23号)」を労働基準監督署長に報告することが義務付けられています。 【休業が1日から3日のとき】 1月から3月まで、4月から6月まで、7月から9月まで、10月から12月までの期間の労災発生状況について、「労働者死傷病報告(様式第24号)」をそれぞれの期間の最終月の翌月末日までに労働基準監督署長へ報告することが義務付けられています。 様式は以下よりダウンロードください。 参考|厚生労働省『労働者死傷病報告の提出の仕方を教えて下さい。』 5 提出した労災申請の労働基準監督署の審査結果を待つ 労働基準監督署は、保険給付の決定のため申請書類の審査を行います。審査期間は申請内容によって異なりますが、2か月から6か月程度です。精神心疾患など審査に時間がかかるものもあります。 請求後、審査が3か月を経過するような場合は、労働基準監督署の担当者から労働者に対して電話にて処理状況などの連絡をすることになっています。 6 労災保険の支給・不支給の決定が行われ、給付が行われる。 労災保険の認定・不認定の決定が行われたあと、労働者本人に対し、支給(不支給)決定通知が送付されます。認定されると給付が行われます。また、脳・心臓疾患や精神障害等による給付申請や長期未決事案が不支給となったときは、請求を行った労働者の納得性を高めるため、労働基準監督署が支給要件の概要や不支給決定理由のポイントなどを分かりやすく説明をすることになっています。 その他のケガや病気の不支給のときは、不支給決定通知書が送付されますが、不支給理由が知りたい場合は、管轄の労働基準監督署へお問合せください。 まとめ いつ労災が起きるかはわかりません。雇入れ時や作業内容変更のときの安全教育などで安全ルールが決まっていても、日々の体調管理が災害に繋がることもあります。 労災発生からの給付の流れを理解し、労災発生時に慌てず申請ができるよう、社内で労災対応フローを見直すことをおすすめします。

  • 賃金を支払うときに気をつけるポイントについて。

    企業は、毎月従業員に賃金の支払いを行いますが、賃金を支払う際には法律等で定められたルールがあります。入社の手続きが多く発生するこの時期に改めて、対応に誤りがないかを確認してください。 賃金とは 労働基準法では賃金は「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と定義されています。 従業員が働いたことに対する対価として、企業から従業員に支払うものは賃金とされ保護されなければなりませんし、賃金を支払うときには、労働基準法で定められた賃金支払の原則を守らなければなりません。 賃金支払いの原則 1 通貨払いの原則 賃金は現金で支払わなければなりません。ただし、従業員の同意を得た場合は、銀行振込み等の方法によることができます。 2 直接払いの原則 賃金は労働者本人に払わなければなりません。未成年者だからといって、親などに代わりに支払うことはできません。 3 全額払いの原則 賃金は全額残らず支払われなければなりません。賃金の一部を控除(天引き)して支払うことは原則禁止されています。 ただし、以下の場合は認められています。 ・所得税や社会保険料など、法令で定められているものの控除 ・裁判所からの仮差押え、差押え等の法的手続きがなされた場合 ・労使によって「賃金控除に関する協定」が結ばれた場合 4 毎月1回以上払いの原則 賃金は、毎月1回以上支払わなければなりません。「毎月」とは、歴月をいうため、毎月1日から月末までの間に少なくとも1回は賃金を支払わなければなりません。ただし、臨時の賃金や賞与は例外です。 5 一定期日払いの原則 賃金は毎月一定の期日を定めて支払わなければなりません。「一定の期日」とは、期日が特定される必要があります。ただし、臨時の賃金や賞与(ボーナス)は例外です。 企業が特に注意すべきこと 1 銀行口座による賃金の支払を行う場合、同意書が必要 賃金は、原則として現金払いとなりますが、従業員の同意を得た場合は、指定する銀行その他の金融機関に振込を行うことができます。従業員による振込先の指定があれば、特段の事情のない限り従業員の同意が得られているものとなります。従業員の同意を取り、振込先の指定をしてもらうため、入社時等に口座を指定する書類を従業員から提出してもらうことをおすすめします。 参考・ダウンロード|銀行口座申請書 2 振込期限に注意 振込みとは、振り込まれた賃金の全額が所定の賃金支払日に払い出せるよう行わなければなりません。賃金支払い日の朝10時までに引き出せるようにしなければならないとされています。 3 賃金から控除を行う場合、労使協定を締結 原則としては、法定で定められているもの以外を賃金の一部から控除(天引き)をして支払うことは禁止されていますが、賃金控除に関する協定書を労使間で締結することにより、社宅料、駐車場代、購買代金等の控除を行っても労働基準法の罰則は適用されません。賃金控除に関する協定書については届出の義務はありません。 4 口座振込手数料は、企業負担 給与を銀行振込みをするときは、振込手数料は企業が負担しなければなりません。振込手数料を従業員が負担したときは、賃金を全額支払っていないとみなされ、法令等違反になります。 5 賃金の支払日は、毎月1回以上一定期日 賃金の支払いは毎月1回以上支払う必要があり、一定の期日を定めて支払わなければなりません。 【一定の期日となる例】 ・月給の場合「月の末日」 ・週給の場合「金曜日」 【一定の期日とならない例】 ・毎月15日から20日の間 ・毎月第4金曜日 支払日が休日にあたる場合は払出しができないため、前日または休日明けに支払うことは違法にはなりません。ただし、就業規則などで支払日が休日の場合の定めを設け、前日に支払うのか翌日に支払うのかを明確にしておく必要があります。 まとめ 賃金の支払いのルールは従業員が安心して生活ができるよう定められています。企業と従業員との信頼関係にも影響する、大切な取り決めです。また、賃金支払いの原則については労働基準法第24条で定められており、違反した場合は、企業には30万円以下の罰金刑が課されます。口座振込に同意書が必要ということを知らず口座振込をされている、給料日の10時までに引き出せるようにする必要を知らない企業もあり、当日の夕方などに振り込みをされているケースも見受けられます。 ルールが守られているか、就業規則に適切に記載されているかなどを確認し、給与処理をスムーズにされることをおすすめします。

  • 2022年4月から、在職定時改定制度が導入されます。

    2020年5月29日、「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」が成立し、同年6月5日に公布されました。今後は、より長く、多様な働き方をする方が増えると見込まれます。社会・経済の変化を年金制度に反映させ、長期化する高齢者の経済基盤の充実を図るため、厚生年金保険法の一部が改正されます。 2022年4月、在職定時改定制度が導入されます。在職定時改定制度とは、65歳以上の在職者で老齢厚生年金を受給している方の年金額を毎年10月に改定し、在職中に納めた保険料を反映する制度です。 年金制度について 年金制度には、国民年金と厚生年金があり、「年金の加入」「保険料の支払い」「年金の受給」の3つがあります。年金の受給額は、どのくらい加入していたか、いくら保険料を支払ったかで変わります。 また、受給できる年金には種類があります。一定の年齢になったら受給できる「老齢年金」、生活や仕事が制限されるときなどに受給できる「障害年金」、被保険者が死亡したときに遺族が受給できる「遺族年金」です。老齢年金の加入期間は、国民年金は原則60歳、厚生年金は原則70歳です。老齢年金を受給するためには10年以上の受給資格期間※(保険料納付済期間、保険料免除期間などの合計)が必要です。 ※受給資格期間の詳細については、以下をご覧ください。 参考|日本年金機構『必要な資格期間が25年から10年に短縮されました』 2000年から、在職老齢年金の制度の法改正は続いています。 2000年の法改正により、2002年4月1日から65歳以上70歳未満の老齢厚生年金の受給権者で厚生年金の被保険者に対し、65歳以降の年金と賃金(報酬)の合計が一定額以上のときに年金の全部または一部の支給停止を行う在職老齢年金の制度が導入されました。また、改正により2006年から70歳以上の方にも適用になっています。 現在の在職老齢年金の制度では、60歳台前半(60歳から65歳未満)と65歳以上から受給する老齢厚生年金で、停止額の計算方法などが異なります。 2022年4月1日から導入される在職定時改定 65歳以上の在職者で老齢厚生年金を受給している方の年金額を毎年改定し、在職中に納めた保険料を反映する在職定時改定制度が導入されます。 【年金額の改定時期】 10月(前年9月から当年8月までの厚生年金の加入実績に応じて年金額が反映され改定) 【改定された年金の支払いの時期】 12月(年金は2か月に1回、偶数月に支給) 改正前は、退職などにより厚生年金の被保険者の資格を喪失するまでは、老齢厚生年金は改定されませんでした。改正後は、毎年支払った保険料が年金額にきちんと反映されるようになり、年金を受給している方にとって経済的な充実が図られます。 (出典)厚生労働省サイト『令和4年4月から在職定時改定制度が導入されます』 2022年4月1日から60歳台前半の老齢厚生年金と賃金(報酬)の調整が拡大されます(在職老齢年金) 厚生年金の被保険者が在職しながら賃金(報酬)と老齢厚生年金を受給しているときは、年金の全部または一部が停止されるときがあります。今まで、60歳台前半は「基本月額」と「総報酬月額相当額」それぞれに制限があり、老齢厚生年金の停止がされやすい状態でした。それに比べ、65歳以上は「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が47万円まで停止されないため、老齢厚生年金の受給がしやすいという現状がありました。 2022年4月1日からは、60歳台前半の支給停止の基準が65歳以上の支給停止の基準と同じになります。つまり、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超えないときは、老齢厚生年金が全額支給されます。60歳台前半、65歳以上ともに老齢厚生年金の支給停止額の計算式は以下になります。 【用語説明】 基本月額:加給年金額を除いた特別支給の老齢厚生(退職共済)年金の月額 総報酬月額相当額: (その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12 【例:年金の基本月額が10万円で総報酬月額相当額が26万円、合計額36万円の場合】 参考|厚生労働省サイト『令和4年4月から65歳未満の方の在職老齢年金制度が見直されます。』 まとめ 年金制度は、賃金や物価変動、現役世代の保険料の負担能力などを検討し、随時見直しが行われます。しかし、高齢者の生活に密接に関係する年金制度はわかりにくく、内容を知らずにいる方も多くいます。制度を知らないと気づかないうちに損をしていることもありますので、不明点などあれば年金事務所や当社へご相談ください。

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