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- 企業に求められる安全配慮義務
企業には守らなければならない義務がさまざまありますが、そのなかのひとつに 安全配慮義務があります。 しかし、具体的に何をすべきか理解しづらいと感じる労務担当者も多いかと思います。 今回の記事では、安全配慮義務の概要や事例、企業の対応方法について解説します。 安全配慮義務とは 安全配慮義務とは、従業員の生命や身体の安全、心身の健康などを確保して働けるよう 配慮する義務のことです。 職場での労働災害を未然に防ぐための、安全衛生管理上の義務ともいえます。 企業は雇用契約上、従業員に賃金を支払う義務を負います。 しかし、ただ賃金を支払う義務を負うだけでなく、付随して従業員への安全配慮義務も 負います。 従業員が危険に遭遇し、たとえケガなどの被害がなかったとしても、事前の対策や 予防を怠っていただけで契約違反(債務不履行)となり、損害賠償責任を問われる ケースもあります。 安全配慮義務違反の事例および防止対策 企業が配慮しなければならない内容について、特定の措置などの定めはありませんが、 従業員の職種や業務内容、就業場所など具体的な状況に応じた必要な配慮が求められます。 以下①〜③は、安全配慮義務違反となった事例です。 ①〜③は典型的なケースですが、④⑤は働き方や環境の変化によって、新たに安全配慮義務 違反とならないように気を付けなければならないケースです。 各ケースとその対策例を参考に、安全配慮義務の取り組みに役立ててください。 ①事故・災害 製麺会社で働く従業員が製麺機に左手を巻き込まれて骨折した事例です。 製麺機の刃にカバーをかぶせるなどの対策を行っていなかったことや、製麺機の危険性に ついて十分な教育を行っていなかったことから、安全配慮義務の違反が認められました。 ただし、従業員側にも落ち度があるなどの事情も考慮されたため、従業員の過失割合が 3割と認定され、企業は損害額の7割の賠償責任を負うこととなりました。 なお、厚生労働省のサイトに、業種別の安全対策に関する資料が紹介されています。 参考にしてください。 参考| 福岡労働局『パンフレット・リーフレット(安全対策関係)』 ②過重労働 月100時間を超える時間外労働が長期間行われていた事例です。 実際に体調を崩していない状況にも関わらず、安全配慮義務の違反が認められました。 長期間に渡り長時間労働をさせているにもかかわらず、労働時間の減少のための対策を 講じなかったことによる責任です。 一般的に、過重労働による安全配慮については、従業員に何らかの病気や精神障害などが 発症し、その要因が長時間労働であると判断されたことにより義務違反が認められますが、 この事例は、疾病の発症が判断とはなっていません。 長時間労働が従業員の健康に危険を及ぼすことは周知の事実です。 だからこそ、企業による労働時間の管理や長時間労働などの対策は非常に重要です。 過労死ラインとされる「2~6か月の平均残業時間が80時間」「1か月の残業時間が100時間」の水準を超えていなくても、これに近い残業を行っている場合は義務違反となる 可能性が高くなります。 なお、過重労働は労働時間の長さだけで判断されるものではありません。 長時間労働以外の要因による大きな負荷がかかっていなかったかなども考慮して 判断されます。 ③ハラスメント 暴言や暴行などのパワーハラスメントを受けて後遺症が残った事例です。 ある従業員がパワーハラスメントを受けていることを上司が認識しているにもかかわらず、 企業が何の対応も行わなかったことに対して、安全配慮義務の違反が認められました。 参考| 厚生労働省『職場における・パワーハラスメント対策・セクシュアルハラスメント対策・妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策は事業主の義務です︕』 ④在宅勤務 在宅勤務では直接従業員の様子を確認できないため、労働時間の管理が難しく、労働時間が 長時間になる傾向があります。 労働時間の管理が不完全であったり、長時間労働による心身の不調が見られた場合、安全 配慮義務違反となる可能性もあります。 ⑤副業・兼業 従業員の副業や兼業を認めている企業では、副業や兼業先での労働時間も考慮する必要が あります。 適切な対応を行わなかったことにより従業員が体調を崩してしまった場合など、安全配慮 義務違反となる可能性もあります。 なお、従業員が個人事業主として事業を行っている場合の兼業については注意が必要です。 個人事業主は労働基準法が適用されないため法定労働時間の問題は生じません。 そのため個人事業主として兼業している従業員への配慮は不要と考えられがちです。 しかし、企業はその従業員を雇用している以上、心身の疲労など健康への安全配慮を 行わなければなりません。 個人事業主であっても定期的に勤務状況などを報告させることをおすすめします。 時間の把握を行うとともに、心身の不調などが見られる場合は適切な措置を行う必要が あります。 安全配慮義務を怠ったときの罰則 ①労働契約法 安全配慮義務が定められている労働契約法では、義務を怠ったことによる罰則の定めは とくにありません。 ただし、安全配慮義務を怠ったことにより何らかの問題が発生した場合など、状況によって は民事上の責任(債務不履行、不法行為責任、使用者責任など)として多額の損害賠償を 請求される可能性もあります。 ②労働安全衛生法 労働安全衛生法には、従業員の安全と健康を守るために企業が取り組まなければならない 義務などが定められています。 義務を怠った場合には罰則があります。 労働安全衛生法はあくまでも最低限守るべき基準です。 この基準を満たすだけで足りるというものではなく、個別の状況に応じた最低基準以上の 必要な対策を行うことが安全配慮義務では求められています。 労働安全衛生法上の罰則を免れられたからといって、必ずしも民事上の損害賠償責任が ないとはいえません。 おわりに 安全配慮義務違反による罰則が適用されなかったとしても、違反を問われるような状況が 起きれば、従業員だけではなく企業の社会的信頼も失いかねません。 その結果、取引先からの信用失墜、優秀な人材の流出など、大きなダメージを受ける可能性 もあります。 安全配慮義務は、従業員の危険をあらかじめ予測し対策を行うものです。 どのように取り組むべきか分かりにくい場合があるかもしれません。 労働安全コンサルタント・労働衛生コンサルタントなどの、労働安全や労働衛生の専門家に 相談するのもひとつの方法です。
- 【2024年改正】育児・介護休業法ポイント
2024年5月31日、 改正育児・介護休業法等 が公布されました。 この改正では、育児・介護と仕事の両立を目的に、特に多様化する育児期の 働き方のニーズや介護の両立支援制度の認知度向上に対応するための制度が 拡充されました。 それに伴い、就業規則や労使協定の見直しが必要な場合もあるため注意が必要です。 今回の記事では、2024年の改正法の内容と、企業が注意すべきポイントを解説します。 育児と仕事の両立支援 今回の改正では、主に3歳以降の子をもつ従業員を対象とした制度の新設・変更が 行われています。 背景としては、既存の制度が3歳までを対象としているものが多いことや、子の成長に 合わせてフルタイムで働きながら両立を行いたいというニーズが増えることなどが 挙げられ、これらに対応するための改正となっています。 改正に合わせて、就業規則や育児・介護休業規程などの見直しも必要となりますので、 注意してください。 【育児①】子の看護休暇の見直し(2025年4月施行) 病気やケガ、予防接種など、子の世話を行う従業員に与えられる「子の看護休暇」の要件が 2025年4月1日 から拡大されます。 新型コロナウイルスの流行による学校等の休校や学級閉鎖に伴い、仕事を休まざるを 得なかった従業員も多くいたことから、取得事由に 感染症による学級閉鎖 や 入園式・ 卒園式・入学式の参加 が追加されます(詳細は今後の省令で公表されます)。 これに伴い、名称が「 子の看護等休暇 」に変更されます。 また、休暇を取得できる子の年齢も 小学校3年生の修了まで に延長されます。 なお、現在の制度では労使協定の締結により、子の看護休暇の取得が適用除外と されている範囲は以下のとおりです。 ・継続して雇用された期間が6か月に満たない従業員 ・1週間の所定労働日数が2日以下の従業員 しかし、2025年4月1日以降は、労使協定の適用除外の範囲のうち「継続して雇用された 期間が6か月に満たない従業員」は撤廃されます。 施行日以前に当該労使協定を結んでいる企業は、見直しが必要となりますので注意して ください。 【育児②】残業免除(所定外労働の制限)の延長(2025年4月施行) 子を養育する従業員が残業の免除(所定外労働の制限)を受けることができる制度の 対象が2025年4月1日から拡大されます。 3歳未満の子をもつ従業員から、 小学校入学前の子をもつ従業員 へと拡大され、 さらに柔軟な働き方に対応できるようになります。 【育児③】柔軟な働き方のための措置の義務化(施行日未定) 子の年齢に応じて、育児と仕事を両立しながらフルタイムで働くニーズが増えていく ことを踏まえ、既存の制度では対応できていない 3歳から小学校入学前の子をもつ 従業員に対し、柔軟な働き方を実現するための措置が義務化 されます。 企業は、以下の制度から 2つ以上を選択して措置を講じる必要 があります。 なお、詳細は今後省令で公表されます。 2022年の調査では、育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度を導入している 企業の71.6%が短時間勤務制度を実施しています。 今回の改正では、フルタイムの労働と育児の両立が大きな目的とされていますので、 短時間勤務制度に加えて他の措置の導入も積極的に検討されることをおすすめします。 【注意点】 企業が措置を選択するときには、従業員の過半数労働組合または過半数代表者に 意見を聴く必要があります。 また、 3歳になるまでの適切な時期 に、企業は 従業員への制度の周知と利用の意向を 確認するための面談などの措置 を講じる必要があります。 加えて、制度の利用中にも従業員のニーズを把握するため、継続的に面談などを行う ことをおすすめします。 【育児④】個別の意向聴取・配慮の義務化(施行日未定) 従業員の仕事と育児の両立支援の多様なニーズに対応するため、 個別の意向確認と配慮 が 企業に義務付けられます。 意向確認を行う時期は、従業員から妊娠・出産の申出があったときに行う 「育児休業などの取得確認のための面談等(2022年4月施行)」のときと、 3歳になるまでのあいだに行う「柔軟な働き方のための措置」の周知や意向確認の ための面談等のときです。 企業は、育児と仕事の両立困難による従業員の離職を防ぐため、勤務地などの 別の意向を確認し、自社の状況に応じて配慮を行う必要があります。 法定の時期以外にも、育児休業からの復帰時や従業員から申出があったときには その都度意向を確認することが大切です。 さらに障害をもつ子を養育する場合やひとり親の場合には、従業員の希望に応じ、 より柔軟な制度運用が望まれます。 【育児⑤】テレワークの努力義務化(2025年4月施行) 2025年4月1日から、育児を行う従業員がテレワークを選択できるように取り組むことが 企業の努力義務 となります。 対象となる従業員は、3歳未満の子を養育する従業員です。 【育児⑥】育児休業の取得状況の公表義務の拡大(2025年4月施行) 男性の育児休業の取得を促進するため、2023年4月から従業員数が1,000人を超える 企業には男性従業員の育児休業の取得状況の公表が義務付けられています。 今回の改正により、 2025年4月1日から従業員数が300人を超える企業 へと 対象が拡大されます。 【育児⑦】育児休業などの状況把握・数値目標設定の義務化(2025年4月施行) 仕事と育児の両立支援に関する企業の取り組みを促進する目的で、 2025年4月1日から 従業員数が100人を超える企業には一般事業主行動計画の策定時に以下のことが 義務 付けられます。 義務化の対象となる行動計画は、施行日以降に開始されるものとなります。 介護と仕事の両立支援 介護休業や介護休暇など、介護と仕事の両立支援制度は法律で定められています。 しかし、介護を理由に離職した人の中には、仕事を続けたかったにもかかわらず 両立支援制度を利用できずに離職した人が一定数います。 このような状況を防ぐために、今回の改正では、企業が両立支援制度の周知や 雇用環境の整備を行うことが盛り込まれています。 【介護①】個別の周知・意向確認の義務化(2025年4月施行) 育児休業制度の個別周知・意向確認の仕組み(2022年4月施行)のように、 介護に関する両立支援制度についても、家族の介護に直面した 従業員の申出があった場合、 制度の個別周知と意向確認が2025年4月1日から 企業に義務付けられます。 面談や書面の交付などが予定されていますが、詳細は省令で公表されます。 なお、個別周知と意向確認は、従業員に利用を控えさせるような形で行わないように 注意してください。 【介護②】制度に関する早期の情報提供の義務化(2025年4月施行) 従業員が介護に直面する前に両立支援制度について知り、内容を理解するため、 40歳等の早い段階で情報提供を行うこと が 2025年4月1日から 企業に義務付けられます。 【介護③】雇用環境の整備の義務化(2025年4月施行) 両立支援制度の利用の円滑化のため、 2025年4月1日から 企業は両立支援制度に関して、 研修や相談窓口設置など一定の措置の中からいずれかを講じる必要があります。 (詳細は省令で公表されます。) 【介護④】介護休暇の労使協定に関する変更(2025年4月施行) 要介護状態の家族を介護するための介護休暇は、労使協定を締結することで 雇用期間が6か月未満の従業員を対象から除外できますが、日常的な介護のニーズは 雇用期間にかかわらず存在するため、 2025年4月1日からこの仕組みは廃止 されます。 【介護⑤】テレワークの努力義務化(2025年4月施行) 育児と仕事の両立支援制度と同様に、 2025年4月1日から、介護を行う従業員が テレワークを選択できるように取り組むことも企業の努力義務 となります。 対象となる従業員は、要介護状態の家族を介護する従業員です。 おわりに 今回の改正では多くの制度が新設・変更されていますので、既存の社内制度を 今一度確認し、必要があれば就業規則などの変更の準備を行ってください。 現時点で、企業が独自に法を上回る内容を定めている場合でも、改正により、 その内容レベルまで義務の基準が引き上げられることも考えられます。 これを機に社内制度の見直しを図ることは、さらなる職場環境の充実に効果的といえます。
- 随時改定(月額変更届)実務での事例と対応
随時改定(月額変更届)は、社会保険料や傷病手当金、将来受け取る年金額にも 影響する大切な手続です。 そのため実務担当者は随時改定(月額変更届)のしくみを十分に理解しておくことが 必要です。 しかし、賃金の変動は基本的なパターンばかりではなく、判断に迷うケースが発生する 可能性もあります。 今回の記事では、随時改定(月額変更届)の実務を行ううえで「誤りやすい」 「判断に迷いやすい」などさまざまな事例の対応について解説します。 なお、随時改定(月額変更届)の基礎知識や手続の流れについては、以前の記事を ご確認ください。 以前の記事『 随時改定(月額変更届)基礎知識と手続き 』 随時改定の基本 以下の3つの要件すべてを満たした場合、随時改定の対象となります。 ただし、以下の場合は随時改定の対象にはなりません。 ①固定的賃金は増加したが、非固定的賃金が減少したため標準報酬月額が 2等級以上さがった場合 ②固定的賃金は減少したが、非固定的賃金が増加したため標準報酬月額が 2等級以上あがった場合 以下の表を参考に、随時改定の対象になるかを確認してください。 ここからは、さまざまな事例をご紹介します。 【今回ご紹介する事例】 ・複数の固定的賃金が変動したとき(増額と減額が同時に発生など) ・非固定的賃金が新設または廃止されたとき ・単価や支給率を変更したとき ・給与計算期間の途中で固定的賃金が変動したとき ・制裁により減給が行われたとき ・給与形態(月給、日給、時給など)を変更したとき ・所定労働時間を変更したとき ・被保険者区分が変更になったとき ・休職したとき ・一時帰休により休業手当を支給したとき ・一時帰休を解消したとき 複数の固定的賃金が変動したとき(増額と減額が同時に発生など) 同じ月に複数の固定的賃金が変動した場合、変動した固定的賃金の 総額を確認 します。 総額が増額か減額かで、以下にしたがって随時改定の対象かを判断します。 ・総額が増額:標準報酬月額が2等級以上あがると随時改定の対象 ・総額が減額:標準報酬月額が2等級以上さがると随時改定の対象 非固定的賃金が新設または廃止されたとき 非固定的賃金は勤務状況や成績などにより支給額が変わるため、増額や減額があっても 随時改定の対象となりません。 ただし、非固定的賃金の 新設または廃止 は「給与体系の変動」です。 そのため、固定的賃金の変動となり随時改定の判断が必要です。 ・非固定的賃金の新設:標準報酬月額が2等級以上あがると随時改定の対象 ・非固定的賃金の廃止:標準報酬月額が2等級以上さがると随時改定の対象 単価や支給率を変更したとき 上述のとおり、非固定的賃金は支給額が変動しても随時改定の対象にはなりません。 ただし、非固定的賃金の 単価や支給率 が変わった場合は固定的賃金の変動となるため、 随時改定の判断が必要です。 給与計算期間の途中で固定的賃金が変動したとき 給与計算期間の途中で固定的賃金が変動した場合、変動後の固定的賃金が1か月分 確保された月、つまり 翌月を変動月 として随時改定の判断をします。 制裁により減給が行われたとき 素行不良や職場秩序を乱すなど問題行為があった従業員に対し、就業規則の定めにより 減給の制裁 を行うことがあります。減給の制裁は固定的賃金の変動ではないため、 随時改定の対象とはなりません。 給与形態(月給、日給、時給など)を変更したとき 「時給から月給」「月給から時給」などの給与形態の変更は固定的賃金の変動となるため、随時改定の判断が必要です。 所定労働時間を変更したとき 所定労働時間を変更した場合は固定的賃金の変動となるため、随時改定の判断が必要です。 なお、時給単価や被保険者区分などの変更は問いません。 画像ファイル(.jpg、.jpeg、.png)を選択 被保険者区分が変更になったとき 特定適用事業所における従業員の被保険者区分の変更は、所定労働時間の変更により 発生します。 上述のとおり所定労働時間の変更は固定的賃金の変動となるため、随時改定の判断が 必要です。 休職したとき 休職したときの随時改定の判断は、状況によって異なります。 (会社都合による休業は、後述の「一時帰休により休業手当が支給されたとき」を ご覧ください。) ①休職により給与が減額になったとき 休職による基本給や諸手当などの減額は、ノーワーク・ノーペイの原則により 勤務していない日の賃金が不支給になり減額されたものです。 固定的賃金の変動ではないため随時改定の対象にはなりません。 ②休職により低額の休職給を受けたとき 傷病等により休職している従業員に対し、休職給を支給する会社もあります。 以下のいずれも満たす休職給(以下、低額の休職給)の支給は固定的賃金の変動に あたらないため、随時改定の対象にはなりません。 ・通常の基本給や諸手当とは別のもので、休職という事由に対して支給される賃金 ・通常の賃金よりも低額 ③固定的賃金の変動後3か月のあいだに、休職により低額の休職給が支給されたとき 固定的賃金の変動月以降3か月間、いずれの月も支払基礎日数が17日以上(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日以上。以下同じ)あるか確認します。 支払基礎日数が17日以上ある場合、変動月の翌月または翌々月に低額な休職給が支給されて いたとしても随時改定の判断が必要です。 ④低額の休職給が支給されている休職期間中に固定的賃金の変動が発生したとき 休職給では固定的賃金の変動を反映した賃金とはいえません。 そのため、休職が終了して通常の賃金支給に戻った月以降3か月間に支給された賃金の 平均月額をもとに、随時改定の判断をします。 一時帰休により休業手当を支給したとき 一時帰休とは、業績悪化や事業の縮小など会社の都合により従業員を休業させることです。休業した日は、平均賃金の6割以上の賃金を従業員に支払わなければなりません。 通常の賃金よりも低額の休業手当等が 連続3か月を超えて 支払われた場合、固定的賃金の 変動となり、随時改定の判断が必要です。 なお、一時帰休により休業手当等が支給された日は支払基礎日数に含みます。 一時帰休を解消したとき 一時帰休が解消され、通常の賃金が 連続3か月を超えて 支払われた場合、固定的賃金の 変動となり随時改定の判断が必要です。 おわりに 固定的賃金の変動は、会社の辞令に伴う基本給や諸手当の変更(昇給や昇格など)だけで なく、従業員個人の環境の変化に伴う諸手当の変更(通勤手当や家族手当の変更など)も あります。 実務担当者は、給与計算後など毎月定期的に随時改定の可能性がないか確認することをおすすめします。
- 【2024年改正】雇用保険法 企業と従業員に与える影響とは?
2024年5月10日、改正雇用保険法が成立しました。 この改正では、多様な働き方の広がりを支える雇用のセーフティーネットとしての役割を 果たし、政府が掲げる「人への投資」の強化を目的に、対象となる被保険者の拡大や 給付制限の見直しなどが行われます。 雇用保険法には、今回の改正以外にも施行が予定されているものもあります。 今回の記事では、2024年5月の改正法や直近に施行予定のものの中から、企業や従業員への 影響が特に大きい改正内容について解説します。 適用要件の拡大(2028年10月施行) 2024年10月から社会保険の適用拡大が行われますが、今回の改正で雇用保険についても 適用要件が拡大することとなりました。 女性や高齢者などの労働参加による人材の多様化や、働くことに対する価値観やライフ スタイルの多様化が進む中で、働き方や生計維持のあり方に対応し、雇用のセーフティー ネットを拡大することが目的です。 これまでは週所定労働時間が「20時間以上」の労働者が雇用保険の対象でしたが、 2028年10月1日からは「10時間以上」 の労働者へと対象が広がります。 これにより、約500万人の労働者が新たに雇用保険の対象となります。 また、適用要件の拡大に伴い、20時間を基準として設定されていた他の基準も合わせて 変更されます。 改正から施行までの準備期間が長く設定されていることや、新たな対象者数からも分かる 通り、企業や労働者の双方にとって大きな影響のある変更となります。 対象となる可能性のあるパート・アルバイトを雇用している企業は、スムーズに対応できる よう前々から準備をしておくことが大切です。 自己都合離職者の給付制限緩和(2025年4月施行) 雇用保険の基本手当には、正当な理由がなく自己の都合で離職した者に対して、原則2か月 間の給付制限があります。 これは、自ら失業状態を選ぶのは労働の意思がないからであり、そのような者に基本手当を 支給することは就業の促進を目的とする雇用保険の理念に反するからです。 しかし、近年では転職のために離職する労働者も増加しており、労働の意思を持つ自己都合離職者が増えています。 そこで、転職を目指す労働者が安心して再就職活動を行えるようにするため、 2025年4月 1日 から給付制限期間が 1か月 へ短縮されます。 ただし、5年間で3回以上の自己都合離職の場合の給付制限期間は3か月となります。 さらに、 離職期間中や離職日前1年以内に教育訓練給付制度を利用し教育訓練を行った場合は、給付制限が解除 されます。 育児休業給付の延長申請における審査の厳格化(2025年4月施行) 育児休業給付金は、労働者の育児休業の取得を促進するために、休業期間中に賃金の一定額が支払われる制度です。 原則として、子が1歳に達する日までの休業期間に対して支給されます。 しかし、子が1歳に達した日の後の期間であっても、就労を継続するために 育児休業が特に 必要と認められる場合 には、1歳6か月または2歳に達する日までの延長が例外的に認められています。 この「育児休業が特に必要と認められる場合」として、「 保育所などの入所を希望し申込みを行ったが、当面入所できない場合 」が規定されており、確認書類として自治体の発行する入所保留通知書が用いられています。 しかし、保育所を利用するつもりがないにもかかわらず、育児休業給付の延長を目的に 申込みを行う者が一定数いるため、入所保留通知書を発行する自治体の手間となっていました。 そこで、以下のように制度が改正されます。 改正後に追加される要件によって、育児休業給付の延長だけを目的とした入所意思がない者 に対しては支給されなくなります。 また入所意思の確認のために、申し込んだ保育所までの通所時間や入所内定を辞退した理由 などの申告も必要となり、審査が厳格化されます。 この改正は、 2025年4月1日 から施行されます。 ただし施行日前に、子が1歳、または1歳6か月にすでに達している場合には、この規定は 適用されないため注意が必要です。 (「パパママ育休プラス」の場合は、施行日前に育児休業の終了予定日に達していると適用されません。) 高年齢雇用継続給付の支給率の縮小(2025年4月施行) 高年齢者雇用継続給付とは、被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の労働者で、 賃金が60歳時点の賃金額の75%未満となった者に対して、賃金の15%を支給する制度です。 2025年4月1日から は、この給付額が60歳以後の各月の賃金の15%から 10% へ縮小されます。 なお、賃金と給付の合計額が60歳時点の賃金の 70.4% を超え 75%未満 の場合は、給付額が 10%から逓減されます。 高年齢者雇用継続給付金は、これまでも給付率が縮小されてきました。 そして、近年では雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保が目指されていることから、 今後段階的に廃止される予定です。 企業としては、公正な待遇の確保のために、賃金制度や処遇の見直しを検討することが 大切です。 出生後休業支援給付・育児時短就業給付の創設(2025年4月) 2025年4月1日から 、「出生後休業支援給付」と「育児時短就業給付」が新たに創設されます。 1 出生後休業支援給付 出生後休業支援給付とは、 男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内に、 両親とも14日以上の育児休業を取得すると休業期間の28日間を上限に休業開始前賃金の 13%の額が支給される制度 です。 この制度は、収入の低下を懸念する男性に所得を促し、取得率を上げることが目的です。 既存の育児休業給付に出生後休業支援給付が上乗せされることで、休業開始前賃金の80%の 額が支給されることになり、社会保険料の免除を合わせると手取り収入が休業前と変わらなくなります。 2 育児時短就業給付 育児休業だけでなく、育児とキャリア形成の両立を支える制度として短時間勤務制度が ありますが、利用率は伸び悩んでいます。 そこで、 2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合に、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を支給する「育児時短就業給付」 が創設されます。 労働時間の減少に伴う賃金低下を補い、時短勤務の利用を促進することが目的です。 なお、給付金は賃金額と給付額の合計額が時短勤務前の賃金を超えることがないように支給されます。 (出典) こども家庭庁『子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案の概要』P7 おわりに 今回の記事以外にも、雇用保険法にはさまざまな改正が予定されています。 内容によっては企業や従業員に大きな影響があるものもありますので、事前に把握することをおすすめします。
- 随時改定(月額変更届)基礎知識と手続き
随時改定とは、昇給や降給など賃金が大幅に変わったとき、実態に即した社会保険料に 改定するための手続です。 届出する書類の名称「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届」(以下、月額変更届)から「月額変更」や「月変(げっぺん)」と呼ばれることもあります。 今回の記事は、随時改定の基礎知識と手続の流れについて解説します。 なお、今後公開の記事では、随時改定のさまざまな事例を紹介する予定です。 なぜ随時改定が必要なのか 社会保険に加入すると、被保険者である従業員や役員に支給する賃金や役員報酬など (以下、賃金)から 標準報酬月額 が決定されます。 そしてこの標準報酬月額にもとづき社会保険料が算出されます。 標準報酬月額は年1回の定時決定で見直しが行われます。 しかし、次の定時決定までのあいだに、昇給や降給、諸手当の金額変更などで賃金が 大幅に変動した場合、標準報酬月額が実態とかけ離れてしまうことがあります。 そのため、一定の要件に該当した場合は、次の定時決定を待たずに標準報酬月額を改定 します。 これを 随時改定 といいます。 随時改定の要件 以下の3つの要件すべてを満たした場合、随時改定の対象となります。 ここからは、随時改定の要件について詳しく解説します。 1 固定的賃金に変動があった 【固定的賃金とは】 固定的賃金とは、支給額や支給率などが決まっているものをいいます。 固定的賃金は、金銭(通貨)だけでなく食事や住宅、定期券などの現物給与も対象です。 一方、残業手当や夜勤手当など、その月の勤務状況により支給額が変わるものは対象に なりません。このような賃金を 非固定的賃金 といいます。 以下の図は、固定的賃金と非固定的賃金の具体例です。 【変動とは】 変動とは、以下の状況などが発生した場合をいいます。 (出典) 日本年金機構『随時改定(月額変更届)』 2 3か月間、いずれの月も支払基礎日数が17日以上である 固定的賃金が変動した月以降の3か月間、いずれの月も 支払基礎日数が17日以上 あることが必要です。 (ただし、特定適用事業所(※)に勤務するパート・アルバイトなどの短時間労働者は 11日以上 ) ※特定適用事業所とは、12か月のうち6か月以上、厚生年金保険の被保険者数が101人以上 (2024年10月以降は51人以上)見込まれる企業 【固定的賃金が変動した月とは】 固定的賃金が変動した月とは、金額変更後の固定的賃金が 最初に支給された月 のことです。 たとえば、月末締め、翌月15日支給の企業の場合、1月に昇給すると2月15日支給分から 昇給後の賃金となります。 この場合、変動した月は2月になります。 【支払基礎日数とは】 支払基礎日数とは、賃金計算の対象となる日数です。完全月給制や日給月給制、週給制の 場合は 暦日数 、日給制や時給制の場合は 出勤日数 (年次有給休暇なども含む)が支払基礎 日数となります。 ただし、日給月給制で欠勤があった場合は、就業規則等で定められた日数から欠勤日数を 差し引いた日数になります。 3 標準報酬月額に2等級以上の差が生じた 「変動後の標準報酬月額」と「これまでの標準報酬月額」をくらべて 2等級以上の差 が 生じたかを確認します。 確認は以下①②の手順で行います。 ①「変動後の標準報酬月額」を確認する (1)変動した月以降3か月間に支給された賃金(非固定的賃金も含む)の平均月額を算出 (2)平均月額を加入する保険者の保険料額表にあてはめ、該当する行の標準報酬月額が「変動後の標準報酬月額」となる 協会けんぽの保険料額表は以下のサイトから確認できます。 健康保険組合に加入の企業は、加入先の組合に確認してください。 参考| 協会けんぽ『令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)』 ②等級の差を確認する 保険料額表で、「変動後の標準報酬月額」と「これまでの標準報酬月額」をくらべます。 2等級以上の差 が生じていれば要件に該当します。 【例外:1等級の差でも要件に該当する場合】 標準報酬月額の上限および下限にかかる変動の場合、以下に該当するときは 1等級の差でも 要件に該当します。 (出典) 日本年金機構『随時改定(月額変更届)』 4 随時改定の対象とならない場合 上記で解説した3つの要件をすべて満たした場合、原則として随時改定の対象となります。ただし、以下の場合は随時改定の対象にはなりません。 ①固定的賃金は増加したが非固定的賃金が減少したため、標準報酬月額が2等級以上下がった場合 ②固定的賃金は減少したが非固定的賃金が増加したため、標準報酬月額が2等級以上上がった場合 以下の表を参考に随時改定の対象になるか確認してください。 随時改定の手続 随時改定の対象者が発生した場合、日本年金機構に届出をします。 1 必要書類や提出方法 ①提出時期 :速やかに ②届出書類 :「健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届」 参考・ダウンロード| 日本年金機構『健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額変更届/厚生年金保険 70歳以上被用者月額変更届(PDF)』 ③添付書類 :原則必要なし (ただし、3か月の平均月額と年間の平均月額が著しく乖離する場合の特例を申し立てる 場合、別途添付書類が必要) ④提出先 :事務センターまたは管轄の年金事務所 ⑤提出方法 :電子申請、郵送、窓口持参 2 月額変更届の記入方法 随時改定の対象となる従業員(または役員)ごとに以下の内容を記入します。 ①被保険者整理番号 :資格取得時に一人ずつ付与された番号(分からない場合は標準報酬 決定通知書などで確認可能) ③生年月日 :該当する元号の番号と年月日を記入 【元号】1 明治、3 大正、5 昭和、7 平成、9 令和 【記入例】平成10年4月23日の場合:7-100423 ④改定年月 :変動後の賃金が支給された月から4か月目の年月 ⑤従前の標準報酬月額 :現在の標準報酬月額(千円単位で記入) ⑥従前改定月 :⑤が適用された年月 ⑦昇(降)給 :変動後の賃金が最初に支給された月(昇給・降給の区分も〇で囲む) ⑧遡及支払額 :遡及分が支給された場合、支給月と遡及差額分を記入 ⑨支給月 :変動後の賃金を支給した月以降3か月 ⑩日数 :完全月給制や日給月給制、週給制の場合は暦日数、日給制や時給制の場合は出勤 日数(「随時改定の要件」の支払基礎日数の解説を参照) ⑪通貨 :労働の対償として金銭(通貨)で支給された金額 ⑫現物 :食事、住宅、定期券など、金銭(通貨)以外で支給されたものの額(厚生労働大臣 や都道府県ごとに定められた額など) ⑬合計 :⑪と⑫の合計 ⑭総計 :3か月間の⑬の合計 ⑮平均額 :⑭÷3で算出した金額(1円未満切り捨て) ⑯修正平均額 :さかのぼって昇給したことにより対象月中に差額分が含まれている場合は、 差額分を除いた平均額を記入 ⑰個人番号 :70歳以上被用者のみ記入(基礎年金番号の記入も可) ⑱備考 :「4.昇給・降給の理由」に〇で囲み、固定的賃金の変動内容を記入(そのほか 該当するものがあれば〇で囲む) 3 決定通知書の到着 届出後、手続の完了とともに日本年金機構より「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬 決定通知書」が届きます。 改定月および給与に反映するタイミング 標準報酬月額が改定される月(改定月)の到来にあわせ、給与システムの社会保険料額の 変更作業を行います。 正しいタイミングで変更するようご注意ください。 1 新しい標準報酬月額の改定月 随時改定の対象となった場合、新しい標準報酬月額は、固定的賃金が変動した月から起算 して4か月目に改定されます。 そして、標準報酬月額の改定により社会保険料が変更されます。 2 いつの給与から反映されるのか 給与から社会保険料を控除する場合、原則として 前月分の社会保険料 を控除します。 (ただし、月末退職の場合は前月分と当月分の社会保険料の控除が可能) 随時改定の対象者がいる場合、新しい標準報酬月額による社会保険料をいつの給与から控除 するか正しく認識しておく必要があります。 おわりに 随時改定は、手続を間違うと社会保険料や傷病手当金、出産手当金のほか、将来受け取る 年金額にも影響する可能性が出てきます。 そのため実務担当者は、随時改定のしくみを十分に理解しておくことが必要です。 なお、今後公開の記事『随時改定(月額変更届)の実務における事例と対応。』では、 随時改定の実務を行ううえで「誤りやすい事例」「判断に迷いやすい事例」などさまざまな 事例を紹介する予定です。
- 【2024年度版】賞与支払届と社会保険料計算
賞与とは、毎月の定期的な給与とは別に支払われる特別な賃金のことです。 賞与支払届は、賃金、給与、手当、賞与など、名称にかかわらず賞与(年3回まで)を 支給したときに必要な手続です。 今回の記事では、賞与にかかる手続や社会保険料の計算についてお伝えします。 ・届出の対象者は 賞与支払届は、賞与を支給した人のうち、社会保険に加入しているすべての役員・従業員で 届出が必要です。 賞与支払月に社会保険料が免除されている育児休業中の従業員や、社会保険の資格を喪失 した従業員も届出が必要です。 ・届出が不要な賞与とは 賞与支払届の届出が不要な賞与もあります。 7月1日前の1年間で4回以上支給する賞与は、毎月の社会保険料を決める基準となる標準報酬 月額の対象になるため、賞与支払届は必要ありません。 ただし、年の途中で、賞与の支給回数を4回以上とすることの賞与規定を新設した場合は、 次の定時決定(7月、8月または9月の随時改定を含む)までは賞与として取り扱うことに なっています。 また、労働とは関係なく支給される慶弔見舞金(結婚祝い、出産祝いなど)などは、 賞与の対象外となるため届出の必要はありません。 ・賞与支払届の手続 賞与支払届出書の用紙は、日本年金機構に登録されている賞与支払予定月の1か月前に 企業へ送付されます。 届出用紙の基礎情報は、賞与支払月の前々月の19日までの情報を元に年金事務所が作成 します。 そのため、社会保険に加入している役員・従業員の氏名の記載が賞与支払届にないときは、 追記をしてください。 賞与支払届の枚数が不足するときは、届出様式をダウンロードして作成します。 【賞与を支給したとき】 賞与を支給したときは、以下の届出をします。 賞与支払届に記載されている被保険者のうち支給がない被保険者がいるときは、賞与支払届 の該当者欄に斜線を引いて届出をしてください。 届出様式:健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届/厚生年金保険 70歳以上被用者 賞与支払届 添付書類:原則なし 届出期限:賞与を支払った日から5日以内 届出先 :事務センターまたは管轄の年金事務所 届出方法:郵送、電子申請、電子媒体(CD・DVD)、持参 参考・ダウンロード| 日本年金機構『健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届/厚生年金保険 70歳以上被用者賞与支払届』 【賞与不支給のとき】 賞与支払月に事業所全体のすべての役員・従業員の賞与が不支給のときは、以下の届出を します。 届出様式は、賞与支払届と一緒に送付される書類もしくは以下をダウンロードして使用して ください 。 参考・ダウンロード| 日本年金機構『健康保険・厚生年金保険 賞与不支給報告書』 ・賞与支払月が変更になるときの手続 賞与支払月は日本年金機構に登録されている情報のひとつです。 賞与支払月を変更したときは、5日以内に年金事務所へ健康保険・厚生年金保険 事業所関係 変更(訂正)届の届出が必要です。 届出様式:健康保険・厚生年金保険 事業所関係変更(訂正)届 添付書類:なし 届出期限:変更の事実が発生してから5日以内 届出先 :事務センターまたは管轄の年金事務所 届出方法:郵送、電子申請、持参 参考・ダウンロード| 日本年金機構『健康保険・厚生年金保険 事業所関係変更(訂正)届』 ・賞与支払時の社会保険料の計算方法 賞与を支給するときは、社会保険料を控除しなければなりません。 雇用保険料は給与支給時と同じ計算方法ですが、社会保険料は計算方法が異なります。 社会保険料の計算は以下のとおりです。 ①健康保険料 ②介護保険料 介護保険料は40歳以上65歳未満の従業員から徴収が必要です。 賞与の支払月に40歳または65歳に到達する従業員は注意してください。 健康保険料率・介護保険料率は、加入している健康保険の種類や都道府県ごとに 異なります。 協会けんぽの企業は都道府県ごとの保険料率を確認し、保険料額表から計算してください。 参考| 協会けんぽ『令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)』 ③厚生年金保険料 厚生年金保険料(現在は一律18.3%)の計算式は以下のとおりです。 標準賞与額は、総支給額(社会保険・税金などを控除する前)から1,000円未満を 切り捨てた額です。 従業員の社会保険料に1円未満の端数がでたときは、50銭未満は切り捨て、50銭以上は 切り上げになります。 社会保険料の計算方法で、年齢到達や産前産後休業・育児休業、退職などにより注意す べきことを4つ解説します。 【賞与の支払月に40歳・65歳になる従業員の介護保険料】 介護保険料は、介護が必要な高齢者を支える保険制度です。 賞与の介護保険料は、40歳に到達した日の属する月から保険料の徴収が必要となり、 65歳に到達した日の属する月から保険料の徴収が不要です。 「到達した日」とは、誕生日の前日を指します。 1日生まれの従業員は、特に間違いやすいため注意が必要です。 【70歳以上の従業員の厚生年金保険料】 70歳以上の被保険者は厚生年金保険に加入する資格を失うため、厚生年金保険料の徴収は 不要です。 【賞与支払月に退職予定の従業員がいる場合】 賞与の支払月に退職予定(退職日が末日以外)のときは、社会保険料を徴収しません。 【賞与支払月に産前休業に入る従業員がいる場合】 産前産後休業・育児休業中のときは社会保険料を徴収しません。 また、産前休業などに入る場合同じ月の支給であっても、以下の例のように給与と賞与の 社会保険料の徴収月が異なるケースもあるため特に慎重に確認してください。 ・社会保険料計算時の賞与額の上限 社会保険料がかかる賞与額の上限は、法令等で、健康保険(介護保険含む)、厚生年金保険 ごとに定められています。 【健康保険】4月1日から翌年3月31日までの賞与の累計額573万円まで 年間(4月1日から翌年3月31日)の賞与額が累計573万円を超えるときは、健康保険 標準 賞与額累計申出書を作成し添付してください。 参考・ダウンロード| 日本年金機構『健康保険 標準賞与額累計申出書』 年度途中の転勤・転職などで被保険者資格の取得・喪失があった場合の標準賞与額の 累計は、保険者単位(協会けんぽ、健康保険組合など)で行います。 したがって、同一の年度内で複数の被保険者期間がある場合は、同一の保険者である期間に 決定された標準賞与額を累計することとなります。 育児休業等による保険料免除期間に支払われた賞与や、資格喪失月に支払われた賞与に ついては保険料の徴収は行われませんが、決定された標準賞与額も年度の累計額に含まれ ます。 【厚生年金保険】支給1回(同じ月に2回以上支給されたときは合算)の賞与額150万円まで 同じ月に同じ被保険者に賞与が2回支払われる場合は、2回の賞与の合計額が150万円に 達するまで厚生年金保険料がかかります。 おわりに 6月から8月にかけ、夏季賞与が支給される企業が多くあります。 労務担当者にとっては、年度更新や定時決定、高齢・障害者雇用状況等報告など1年に1度の 手続や報告が密集する期間でもあります。 賞与支払届の提出期限は5日以内と短くなっています。 ミスなく速やかに手続を終了させるため、賞与計算、賞与振込、手続終了までの計画や 対応期限の目安を立て、賞与の支給額が決まり次第、計画に基づいた対応をお願いします。
- 【7/16期限】高年齢者、障害者雇用状況報告書の提出
一定数以上の従業員を雇用している企業には、 毎年6月1日時点 の高年齢者、障害者の 雇用状況の提出が法令等で義務付けられています。 報告書の結果は厚生労働省が集計し、高年齢者、障害者の雇用状況を公表しています。 対象となる企業には、5月下旬〜6月初旬に厚生労働省(ハローワーク)より「高年齢者 雇用状況等報告書」と「障害者雇用状況報告書」が郵送されています。 2024年の提出期限は、 7月16日(火) です。 今回の記事では、各報告書について詳細を交えながら解説していきます。 高年齢者、障害者雇用状況報告書はなぜ必要なのか 報告された情報は、今後の高年齢者、障害者雇用のための施策検討に用いられます。 必要に応じて、ハローワークなどが企業へ助言・指導・調査を行うための基本情報として 使われることもあります。 そのほか、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構へ報告書を提供するとともに、 高年齢者、障害者の雇用の安定と就業機会の確保などの総合的な支援事務の委託も行って います。 高年齢者雇用状況等報告書の対象企業と報告内容 厚生労働省は毎年、常時雇用する従業員(※1)が 21人以上の企業 を対象に、高年齢者の 雇用状況等を集計しています。 高年齢者雇用状況等報告書の用紙は、従業員数の増減を考慮し、対象者確認時点で 雇用保険に加入している人数が20人以上の企業に送付されます。 提出は、事業所(本社、支店など)が複数あっても本社で一括して行います。 雇用している高年齢者が0人のときでも報告が必要です。 【報告内容】 ・定年制の状況 ・継続雇用制度の状況 ・創業支援等措置(※2)の実施有無 ・創業支援等措置(※2)の導入・改定予定 ・65歳を超えて働ける制度等の状況 ・年齢別の常用雇用の人数 ・過去1年間の離職者状況 ・過去1年間の定年到達者等の適用状況(65歳まで働ける制度、65歳を超えて働ける 制度など) ・高年齢者雇用等推進者 など ※1 「高年齢者雇用状況等報告書」の常時雇用とは、正社員、契約社員、パート・ アルバイトなど雇用形態にかかわらず以下のいずれも満たしている従業員をいいます。 ①1年以上継続して雇用されている者(1年以上雇用が見込まれる者を含む) ②1週間の所定労働時間が20時間以上の者 ※2 創業支援等措置とは、65歳以上の高年齢者について雇用ではなく業務委託契約として 働く制度や社会貢献事業に従事できる制度などを導入し、就業機会を確保することです。 70歳までの就業確保の措置(努力義務)のひとつです。 障害者雇用状況報告書の対象企業と報告内容 常時雇用する従業員が 40.0人以上の企業 が提出の対象となります。 報告書は、事業所(本社、支店など)が複数あっても本社で一括して提出できますが、 報告書には事業所ごとの状況を記載します 障害をもつ従業員が0人のときでも報告が必要です。 「障害者雇用状況報告書」の常時雇用とは、正社員、契約社員、パート・アルバイトなど 雇用形態にかかわらず以下のいずれも満たしている従業員をいいます。 (障害の有無は問いません。) ①雇用期間の定めがない、または1年以上継続して雇用されている者(1年以上雇用が 見込まれる者を含む) ②1週間の所定労働時間が20時間以上の者 休業中の者、外国人労働者、兼務役員なども人数に含め、以下の従業員も要件に該当する 場合は人数に含めます。 ・出向労働者 :自社側の雇用保険に加入している場合 ・生命保険会社の外務員:雇用保険に加入している場合 ・海外勤務労働者 :日本国内の事業所から派遣している場合(現地採用除く) ・登録型の派遣労働者 :派遣元で一定基準を満たす場合 【報告内容】 ・常用雇用労働者の人数(週の所定労働時間が30時間以上) ・短時間労働者の人数(週の所定労働時間が20時間以上30時間未満)(※3) ・障害をもつ従業員の人数(※4) ・障害者の実雇用率 など ※3 短時間労働者の人数を記入する場合、報告書の欄によって算出方法が異なるため 留意してください。 ・⑩(ロ)欄:短時間労働者1人を1人としてカウント ・⑩(ハ)欄:短時間労働者1人を0.5人としてカウント 参考・ダウンロード| 厚生労働省『様式第6号 障害者雇用状況報告書』 ※4 障害をもつ従業員数は、身体的、知的、精神的な障害(発達障害も含む)などの 障害種別や障害の度合い、1週間の所定労働時間数によって人数の算定方法が異なります。 なお、2024年4月よりカウントする従業員の範囲が広がりました。詳しくは後述の 「障害者雇用における算定方法の変更」を確認してください。 【障害者雇用における算定方法の変更】 2024年4月より 法定雇用率の算定方法が変更 され、週の所定労働時間が10時間以上20時間 未満の者(以下、特定短時間労働者)のうち「重度の身体障害者」「重度の知的障害者」 「精神障害者」の従業員を0.5人としてカウントすることとなりました。 (就労継続支援A型の利用者は除きます。) そのため、障害者雇用状況報告書の「⑪(リ)(ヨ)(ツ)欄」に、該当する障害をもつ 特定短時間労働者数の記入欄が追加されています。 (⑩(ロ)欄、⑪(ト)(チ)(ワ)(カ)(ソ)欄は特定短時間労働者数を含めません。) 参考・ダウンロード| 厚生労働省『様式第6号 障害者雇用状況報告書』 電子申請の手順 高年齢者、障害者雇用状況報告書の提出は、郵送や窓口への持参のほか、電子申請も 可能です 電子申請には「24時間いつでも提出できる」「移動時間を削減できる」「通信費や用紙代を 削減できる」などのメリットがあり、業務効率化や経費削減を図ることができます。 ①GビズIDの取得(取得していない場合のみ) 電子申請の準備で必要となるのがGビズIDの取得です。GビズIDとは、法人・個人事業主 向け共通認証システムのことです。 GビズIDを取得すると、ひとつのID・パスワードでさまざまな行政サービスにログイン できるようになります。 GビズIDに関する手続きの詳細は、デジタル庁のサイトまたはヘルプデスク (TEL:0570-023-797)へご確認ください。 参考| デジタル庁『gBizIDで行政サービスへのログインをかんたんに』 なお、GビズIDを利用せずe-Govアカウントを使用して電子申請することもできますが、 別途電子署名(有料)が必要です。 参考| e-Gov電子申請『電子証明書のご案内』 ②報告書の提出サイトにアクセス 高年齢者、障害者雇用状況報告書のサイトにアクセスします。 参考| 厚生労働省『令和6年高年齢者・障害者雇用状況報告の提出について』 ③電子申請メニューから電子申請を行う サイト内の「電子申請による提出」にある以下のメニューをそれぞれ選択し、案内に したがって電子申請を行います。 (このメニューは2024年6月1日に公開されます。) ・電子申請の方法(高年齢者) ・電子申請の方法(障害者) 参考| 厚生労働省『電子申請のご案内』 報告を怠った場合の罰則 高年齢者、障害者雇用状況報告書の報告を怠った場合、法令等による罰則の定めは それぞれの報告書によって異なります。 【高年齢者雇用状況報告書】 高年齢者雇用状況報告書の報告を怠った場合、法令等による罰則はとくにありません。 とはいえ、会社には報告義務があります。忘れずに報告してください。 【障害者雇用状況報告書】 障害者雇用状況報告書の報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合は、30万円以下の罰金が 課される可能性があります。 なお、一定数以上の障害者の雇用義務があるにも関わらず雇用していない企業など、 一定基準を超えた場合、ハローワークから「障害者の雇入れに関する計画」の作成を 命じられる可能性があります。 おわりに どちらの報告書も、提出期限は 7月16日(火 ) です。 提出期限まで時間があるように感じますが、すべての事業所ごとの高齢者や障害者の 状況を確認し、まとめなければならないため時間がかかります。 スムーズな報告ができるように準備をすすめてください。
- 【2024年度版】7月10日までに社会保険の定時決定の届出が必要です!
社会保険料は、賃金に見合うよう計算されています。 しかし賃金に変動があると、実際の賃金と社会保険料の基準となる標準報酬月額に 大きな差が出ることがあります。 そのため、1年に1回見直しを行い、賃金にあった標準報酬月額を決める必要があります。 定時決定は、毎年7月1日から7月10日のあいだに、社会保険に加入している役員・従業員 (以下、被保険者といいます)の4、5、6月に支給された役員報酬・賃金(以下、賃金と いいます)を届出する定例の手続です。 2024年の届出期限は、7月10日(水)です。 提出方法や届出様式に変更はありません。 今回の記事では、定時決定の基礎知識である対象者や標準報酬月額の決定方法について、 改めてお伝えします。 定時決定の対象者 7月1日時点で在籍している社会保険の被保険者および70歳以上被用者が対象になりますが、 随時改定対象者など対象外となる方もいます。 定時決定の対象者は以下の表でご確認ください。 ※1 70歳以上被用者とは、社会保険の加入要件を満たす働き方をしている従業員で、 継続雇用をして70歳を過ぎた方や新たに雇用した70歳以上75歳未満の方をいいます。 ※2 一時帰休とは、企業の経済的理由や事業の縮小などにより、一時的に雇用が停止 される状態です。 ※3 随時改定とは、固定的賃金(基本給、諸手当など)が変更になり、標準報酬月額に 2等級以上の差がでたときに行う手続です。 産前産後休業終了時報酬月額変更、育児休業等終了時報酬月額変更を含みます。 ※4 8月、9月に随時改定をする予定の人は、届出時において随時改定が予定されている 旨を申出するときは、算定基礎届の届出を省略できます。 参考|日本年金機構『8月、9月の随時改定予定者にかかる算定基礎届の提出について』 標準報酬月額の決定方法 定時決定は、支給月をベースに届出するため、実際に4、5、6月に賃金が支払われた月の 賃金台帳や出勤簿を準備します。 (例)20日締め/当月末日払い 賃金台帳:4月20日締4月30日支払分/5月20日締5月31日支払分/6月20日締6月30日支払分 出勤簿:3月21日~4月20日分/4月21日~5月20日分/5月21日~6月20日分 (例)末日締め/翌月15日払い 賃金台帳:3月末日締4月15日支払分/4月末日締5月15日支払分/5月末日締6月15日支払分 出勤簿:3月1日~3月31日分/4月1日~4月30日分/5月1日~5月31日分 そして、毎年4、5、6月に支給する3か月間の賃金総額を合計した額(以下、報酬総額と いいます)に対し、対象とした月数「3(2または1)」で除した額を報酬月額として 日本年金機構へ届出します。 届出された報酬月額をもとに、健康保険・厚生年金保険の保険料額表に沿って標準報酬月額 が決定されます。 なお、算出した報酬月額に小数点以下の端数が出た場合は、1円未満は切り捨てます。 報酬月額を一定の範囲ごとに区分して標準報酬月額が決まるため、端数処理の誤りがあると標準報酬月額に影響が出る可能性もあるため、注意が必要です。 報酬月額の対象となる月とは 報酬月額の対象となるのは、4、5、6月に支給された賃金の支払対象となる日数(以下、 支払基礎日数といいます)が1か月に17日以上ある月です。 支払基礎日数は、給与形態によってカウント方法が異なります。 <月給制、週給制> 支払基礎日数は、公休日を含めて「暦日数」をカウントします。 休日に出勤した日、年次有給休暇、会社都合の休業日も含みます。 なお、欠勤控除するときは、所定労働日数から欠勤控除した日数を除いた日数です。 <時給制、日給制> 支払基礎日数は、「実際の出勤日数」をカウントします。 休日に出勤した日、年次有給休暇、会社都合の休業日も含みます。 パートタイマーなどの短時間就労者は、17日以上の支払基礎日数が1か月もないときは、 支払基礎日数が15、16日の月のみ報酬総額とします。 特定適用事業所(厚生年金保険の被保険者数が101人以上)の短時間労働者は、支払基礎 日数が11日以上の月を報酬総額とします。 報酬の対象となる賃金とは 報酬の対象となる賃金は、給料、俸給、手当、賞与などの名称を問わず、労働の対償として 受けるすべてのものを含みます。 また、金銭(通貨)に限らず、通勤定期券、食事、住宅など現物で支給されるものも報酬に 含まれます。 ただし、臨時に受けるものや、年3回以下支給の賞与などは、報酬に含みません。 ケースごとの標準報酬月額の算出方法 定時決定には、雇用形態や勤務状況に応じたさまざまな標準報酬月額の決定方法があり ます。 多くの企業で発生する基本的な決定方法をご紹介します。 --------------------------------- 1 一般的な被保険者のとき 2 短時間就労者(パート・アルバイトなど)のとき 3 賃金計算期間の途中から資格取得したとき --------------------------------- 1 一般的な被保険者のとき 報酬総額に含める賃金は、支払基礎日数が1か月に17日以上ある月の賃金です。 月給制であれば支払基礎日数は「暦日数」としますが、月給者で欠勤控除するときは、 所定労働日数から欠勤控除した日数を除いた日数となります。 【すべてが17日以上ある】 対象となる賃金計算期間中の支払基礎日数が3か月すべて17日以上の場合は、4月、5月、6 月の3か月が報酬総額の対象になります。 【17日未満の月がある】 対象となる賃金計算期間中に欠勤控除となる日が多く、支払基礎日数に17日未満の月がある 場合は、支払基礎日数が17日以上の月を報酬総額の対象とします。 【すべてが17日未満である】 4、5、6月のいずれも支払基礎日数が17日未満の場合や、病気等による欠勤、育児休業や 介護休業等により賃金の支払いがまったくない場合は、従前の標準報酬月額で決定され ます。 従前の標準報酬月額で決定される場合、算定基礎届の「備考」の欄に一般的な方法では 算定できない理由を記載してください。 2 短時間就労者(パート・アルバイトなど)のとき 短時間就労者とは、正社員に比べて短い時間で働く人のことです。 パート・アルバイト、契約社員、嘱託社員など名称を問わず、週の所定労働時間および 月の所定労働日数が、正社員と比べて4分の3以上の被保険者です。 短時間就労者のときは算定基礎届の備考欄「7.パート」を〇で囲みます。 短時間就労者の支払基礎日数が3か月すべて17日以上の場合のときは、一般的な被保険者の ケースと同じく3か月が報酬総額の対象となります。 また、4月、5月、6月の3か月のうち17日未満の月があるときは、算定方法が3パターンある ため以下を確認してください。 【17日以上の月が1か月以上ある】 短時間就労者で支払基礎日数が17日以上の月が1か月以上あるときは、支払基礎日数が 17日以上の月を報酬総額の対象とします。 【すべてが17日未満である】 短時間就労者で、4月、5月、6月すべての支払基礎日数が17日未満のときは、支払基礎日数が15日、16日の月を報酬総額の対象とします。 【すべてが15日未満である】 短時間就労者で、4月、5月、6月すべての支払基礎日数が15日未満のときは、4月、5月、 6月の報酬総額で算定せず、従前の標準報酬月額で決定されます。 従前の標準報酬月額で決定される場合、一般的な被保険者の【すべてが17日未満である】 ケースと同じく算定基礎届の「備考」の欄に一般的な方法では算定できない理由を記載 してください。 3 賃金計算期間の途中から資格取得したとき 4月1日に入社するなど企業の給与締め日・支払日によっては、賃金計算期間の途中から 資格取得することにより対象となる月の1か月分の賃金が支給されないことがあります。 その場合、1か月分の賃金が支給されない月を除いた月を対象とし報酬総額を算出します。報酬総額は、1か月分の賃金が確保された月から対象となります。 5月分の賃金は日割計算になり、1か月の賃金が支給されないため、4月、5月を除いた6月の みの賃金総額で報酬月額を算出し修正平均として使用します。 修正平均とは、4月から6月のあいだに支払われた賃金で計算すると高い標準報酬月額に なったり、反対に、低い標準報酬月額で計算されてしまったりということが起こるため、 それらを調整することをいいます。 この修正平均を使用した場合、算定基礎届の「備考」の欄に、必ず修正平均の内容を 記載しなければなりません。 今回ご紹介したケース以外にも、特定適用事業所の短時間労働者や社会保険適用促進手当を 支給している場合など、さまざまな標準報酬月額の決定方法があります。 必要に応じて、下記を参照してください。 参考|日本年金機構『算定基礎届の記入・提出ガイドブック 令和6年度』 定時決定の届出方法 定時決定の届出には、算定基礎届という書類を使います。 6月中旬より順次、算定基礎届が同封された茶色の封筒が、日本年金機構から企業宛に 発送されています。 届出様式:健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届/70歳以上被用者算定基礎届 添付書類:なし 届出期限:2024年7月1日(月)~2024年7月10日(水) 届出先 :事務センターまたは管轄の年金事務所 届出方法:郵送、電子申請、電子媒体(CD・DVD)持参、窓口持参 郵送のときは、日本年金機構からの送付物に同封された返信用封筒を使って届出して ください。 また、電子媒体(CD・DVD)で届出をするときは、電子媒体届出書総括票の添付が 必要です。 参考・ダウンロード|健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届/70歳以上被用者 算定基礎届 参考・ダウンロード|健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届/70歳以上被用者 算定基礎届(エクセル) まとめ 定時決定は、毎年決まった時期に必ず行う手続です。 届出期間は7月1日から7月10日と短いため、6月支給の賃金が確定したら手続準備を 進めてください。 日本年金機構では、定時決定の流れについての動画も提供しています。 ぜひ参考にしてください。 参考|日本年金機構『令和6年度 算定基礎届事務説明』
- 【2024年度版】暑さに慣れる暑熱順化と熱中症対策
熱中症のピークは8月です。 しかし近年では、5月や6月など気温が高くない時期から熱中症患者が発生しています。 熱中症は野外だけでなく室内でも発症するため、熱中症リスクはすべての従業員が 持っています。 この記事では、企業が実施できる従業員の熱中症予防と、労災になったときの手続について 解説しています。 熱中症とは 熱中症とは、高温多湿な環境に身体が慣れずに体内の水分や塩分のバランスが崩れ、 体内の調整機能が破綻して発症する症状の総称です。 一般的な症状に、めまい、吐き気、意識障害などがあります。 熱中症の重症度は、Ⅰ度からⅢ度に分かれています。Ⅰ度は軽度の症状とされており、 現場での適切な対応があれば重症化が防げ、症状改善ができる段階です。 症状が改善しないⅡ度以降は医療機関への搬送が必要です。 (出典)厚生労働省『働く人の今すぐ使える熱中症ガイド』P7 暑さに慣れる暑熱順化 人間は、多少ですが、暑さに慣れることができます。 身体の機能が暑さに適応することを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といい、 暑さに慣れるための期間を設けることで熱中症の予防につなげられると考えられています。 暑熱順化には個人差があり数日から2週間程度かかるため、梅雨に入る今の時期から、 暑さに強い⾝体をつくることの従業員への呼びかけをおすすめします。 暑熱順化のポイントは、汗をかくことです。 適度な運動や入浴などを日常生活にうまく取り入れることで対応ができます。 暑さに慣れた身体になると、早く汗が出るようになり、体温の上昇を⾷い⽌められるように なります。 (出典)厚生労働省『働く人の今すぐ使える熱中症ガイド』P85 ただし暑熱順化の効果に持続性はなく、数⽇間でも暑い作業から離れると暑熱順化の効果は 減少します。 入社したてや長期休暇明けの従業員などには、改めて暑さに慣れてもらうことが重要です。熱中症対策が必要な9月頃までは、従業員へ暑熱順化の声掛けをしてください。 職場での熱中症予防対策 熱中症は屋内や屋外に関係なく、暑ければどこでも発症する可能性があるため、 職場での熱中症対策はすべての業種・職種で重要です。 以下、職場での熱中症予防策をまとめましたので、参考にしてください。 1 作業時間の短縮や休憩所の設置 簡易な屋根の設置、通風または冷房設備やミストシャワーなどの設置により、WBGT値を 下げる方法を検討し、作業場所の近くに冷房を備えた休憩場所や日陰のある涼しい休憩場所 を確保してください。 WBGT値が高いときは単独作業を控え、WBGT値に応じた作業の中止や、こまめな休憩取得 などの工夫を行ってください。 厚生労働省によると、熱中症による死傷者数が多い時間帯は14時、15時台となっており、 その時間帯は屋外の作業をできるだけ避けることや、休憩時間の工夫などもおすすめ します。 【WBGT値(暑さ指数)とは】 WBGT値(暑さ指数)は人体と外気との熱のやりとりに着目した指標で、人体の熱収支に 与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温 の3つを取り入れています。 WBGT値(暑さ指数)が、28℃を超えるときは熱中症にかかりやすくなります。 以下の厚生労働省のサイトでは、作業に対応したWBGT値や実測の仕方などが記載されて います。 参考|厚生労働省 職場における熱中症予防情報『暑さ指数について』 2 通気性の良い服装の着用 通気性のよい作業着を準備し、冷却機能をもつ服の着用の検討を行ってください。 3 汗で不足しがちな塩分と水分の補給 休憩場所に飲料水や塩飴などを用意します。 大量に発汗すると体内の塩分が消失するため、水分補給のみでは不十分です。 水分と塩分を補給してください。こまめな休憩とともに、喉が渇いていなくても水分と 塩分を定期的に補給するように促してください。 スポーツ飲料や経口補水液の塩分は製品によって成分量が異なりますが、「栄養成分表示」 を確認するとよいでしょう。 (出典)厚生労働省『働く人の今すぐ使える熱中症ガイド』P39 4 従業員の異変に気付く観察 熱中症は身近な災害です。普段から従業員同士で声をかけ合い、現場管理者や部署のマネージャーが異変に気付けるように、今の時期から従業員の健康観察や安全確保に努めてください。 初期症状が出ていても「仕事を一旦止めて休む」ことを選択せず、無理に仕事を続けることで重度化するケースがあります。いつもと違うと感じたら熱中症を疑ってみることも大切です。 (出典)厚生労働省『働く人の今すぐ使える熱中症ガイド』P6 普段から自身や周囲の異変に気付けるように、熱中症「応急手当」カードなどもご活用 ください。 (出典)厚生労働省『働く人の今すぐ使える熱中症ガイド』P11 5 熱中症に関する健康状態自己チェックリストの利用 業務中に熱中症の症状が起きたときは、労災を申請することになりますが、労災の認定要件 のひとつに、本人の身体の状況があります。熱中症は、体調不良や不摂生、睡眠不足で発症 リスクが高まります。 発症の原因が本人の体調等による要素が大きい場合、労災認定されない場合もあるため、 従業員は日常的に自身の体調管理に努める必要があります。 また、持病のある従業員は熱中症リスクも高まります。定期健康診断や持病確認などを 行い、必要に応じて産業医や主治医に対応方法を確認しておきましょう。 熱中症予防のための体調自己チェックリストなどを参考に、朝礼時や作業前の従業員の健康 状態の確認をすすめてください。 参考・ダウンロード|大阪労働局『熱中症予防のための体調自己チェックリスト(例)』 6 高齢の従業員の体調管理 高年齢者の熱中症にも注意が必要です。高年齢者は暑さや喉の渇きを感じにくく、体温を 下げるための身体反応が弱くなっていることがあります。 エアコンがなくても平気だった昔と比べ、昨今は異常な暑さです。 高齢の従業員の体調変化を観察し、体調確認や水分補給など積極的な声掛けをして ください。 参考|厚生労働省『高齢者のための熱中症対策』 熱中症が疑われる従業員の応急処置 気温が本格化する前の6月でも熱中症で救急搬送される方がいます。 従業員の熱中症が疑われる場合は、呼びかけに応答するか確認し、その反応に応じた 適切な処置を行ってください。 【意識があるとき】 ・涼しい場所へ移動させ、身体を楽な姿勢にさせる ・スポーツドリンクや薄い食塩水など水分と塩分を摂取する (ただし、水分を吐くときは無理に飲ませてはなりません) ・衣服をゆるめ、身体を冷やす 症状が悪化する可能性もありますので、ひとりで休ませることはせず必ず誰かが付き添って ください。 水分を自力で摂取できないときや症状がよくならないときは、従業員の様子がおかしく なったときの状況を知っている者が付き添い、医療機関を受診してください。 【意識がないとき】 ・呼びかけて反応がないときは、すぐに救急車を呼ぶ ・涼しい場所へ移動させ、身体を横にする ・衣服をゆるめ、首、わきの下、太もものつけ根を集中的に冷やす 意識がないときに水を飲ませると窒息する危険があるので、飲ませてはなりません。 おわりに 企業側が熱中症対策を怠ってはならないのはもちろんですが、暑熱順化や体調管理には 従業員自身の意識向上も必要です。 暑熱順化のポイントは汗をかくこととお伝えしましたが、始業前にラジオ体操を行うだけ でも汗をかくことができます。 危険性や、簡単にできる自衛方法などを周知して、全社の熱中症リスクを回避しましょう。
- 【知っておきたい】任意継続被保険者制度とは
従業員が退職や労働条件の変更で社会保険の加入要件を満たさなくなった場合、 その従業員は社会保険の資格を喪失します。 日本では、国民すべてが国民健康保険や勤務先の社会保険などいずれかの健康保険 (公的医療保険)に加入する「国民皆保険制度」が採用されています。 そのため、会社で加入していた社会保険を失った後は、国民健康保険、任意継続制度、 ご家族の健康保険(被扶養者)という3つの選択肢からいずれかを選んで健康保険に 加入する必要があります。 今回は、その中でも任意継続制度について詳しく紹介します。 なお、この記事では協会けんぽの任意継続制度の活用を前提に解説を進めます。 任意継続制度とは 任意継続制度は、健康保険の被保険者が資格を喪失した後も最長2年間、同じ健康保険に 引き続き加入できる制度です。 保険料は在職時の基準に基づいて計算され、退職後も同じように健康保険の給付 (傷病手当金、出産手当金等を除く)や健康保険証の利用を続けることが可能です。 家族も引き続き被扶養者として加入できるため、医療費負担を抑えられるメリットも あります。 任意継続制度に加入できる人 任意継続被保険者となるためには、以下の2つの条件を満たしている必要があります。 ①資格喪失日の前日(退職日)までに「継続して2か月以上の被保険者期間」があること 入社間もない退職で、被保険者期間が2か月未満の場合であっても、1日もあいだを開ける ことなく前職の協会けんぽの被保険者期間から通算して2か月以上あれば、任意継続制度に 加入することができます。 ②資格喪失日(退職日の翌日)から「20日以内」に自宅住所地を管轄する協会けんぽ都道府県支部へ申請すること 20日目が土日・祝日の場合は、翌営業日になります。窓口での手続も可能ですが、窓口が 込み合うことがあるため郵送で申請されるケースが多いです。 郵送での申請の場合でも20日以内に必着となるため、配達日数を考慮して手続きする必要が あります。 (例)退職日が1月31日の場合 資格喪失日は2月1日となるため、2月20日までに申請する必要があります。 任意継続被保険者の保険料 任意継続被保険者の保険料は、以下のいずれか少ない標準報酬月額に被保険者の住所がある 都道府県の保険料率を乗じた額となります。 在職中には保険料の半分は企業負担となっていますが、任意継続制度では被保険者が 企業負担分も含めて全額負担することになります。 なお、保険料は、原則2年間変わりません。 任意継続制度における保険料の納付方法 任意継続制度の保険料の納付方法は、以下の3通りです。 納付期日までに保険料を納付しなかった場合、納付期日の翌日で任意継続被保険者の資格を 喪失し、保険給付が受けられなくなります。 ①毎月納付書により納付する方法 毎月月初めに送付される納付書を使い、その月の10日(10日が土日・祝日の場合は、 翌営業日)までに納付します。 初回保険料の納付期日については、保険者の指定した日となります。 保険料は、金融機関の窓口や金融機関のATM、コンビニエンスストア、インターネット バンキングで納付できます。 ②一定期間分を一括して事前に納付書により納付する方法(前納) 4月分から9月分、10月分から翌年3月分までの6か月分、または4月分から翌年3月分までの 12か月分を一括して先に納めることができます。 前納を希望する場合は、協会けんぽに前納の申込みを行う必要があります。 なお、前納制度を利用すると保険料の割引があります。 ③毎月口座振替により納付する方法 協会けんぽに口座振替の申込みを行うことで、口座振替で保険料を納付することが できます。 希望するときは「保険料預金口座振替依頼書・自動払込利用申込書」を提出します。 ただし、振替による前納はできません。 参考|協会けんぽ『保険料預金口座振替依頼書・自動払込利用申込書』 任意継続制度の加入手続き 任意継続制度への加入は、「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」を記入し、 資格喪失日(退職日の翌日)から20日以内に自宅住所地を管轄する協会けんぽ都道府県支部 に提出します。 参考|協会けんぽ『健康保険任意継続被保険者資格取得申出書』 その際、退職日が確認できる書類の添付、または申出書の健康保険資格喪失証明欄への 記載を行うことで、新しい保険証の受取までの期間が通常より短くなります。 なお添付・記載は任意ですので、添付・記載がない場合でも申請できます。 また、口座振替により保険料の納付を希望する場合には「保険料預金口座振替依頼書・ 自動払込利用申込書」も同時に提出します。 さらに、家族に任意継続制度の被扶養者となる方がいる場合には、申出書の2ページ目に 被扶養者の情報を記入し、以下に該当する確認書類を添付します。 (出典)協会けんぽ『被扶養者がいる場合に必要な確認書類』 (確認書類の具体例) ①続柄を証明する書類:戸籍謄(抄)本、または、世帯全員が記載されている住民票 ②収入を証明する書類:所得証明書、非課税証明書、給与証明書、離職票のコピー、直近の 年金額改定(振込)通知のコピー、確定申告書のコピー など ※16歳未満の場合は添付不要(学生の場合でも16歳以上の方は添付が必要) ③同居していることを証明する書類:同居が確認できる、世帯全員が記載されている住民票 ④仕送りの事実と1回あたりの仕送り額が確認できる書類:預金通帳のコピー、現金書留 控えのコピー など 任意継続被保険者の資格喪失 任意継続制度の加入期間は2年間ですが、以下のいずれかの事項に当てはまるときには、 期間の途中でも被保険者の資格を喪失します。 ②③④のときには、被保険者は「任意継続被保険者資格喪失申出書」に保険証を添付 します。 新たな企業に就職した場合は②に該当しますので、喪失申出書の提出を忘れないように 注意が必要です。 参考|協会けんぽ『任意継続被保険者資格喪失申出書』 加入期間の2年を満了したときや、保険料を期日までに納付しなかったこと等により 資格を喪失した場合には、国民健康保険、または家族の健康保険(被扶養者)へ加入する ことになります。 任意継続制度におけるその他の注意事項 1 被保険者側 申出書を提出してから保険証が送付されるまでの期間に診療を受ける場合にも、保険給付の 対象となります。 その期間に診療を受けて医療費を負担した場合には、保険証が送付された後に「療養費支給 申請書」を提出することで保険負担分を後から受け取ることができます。 2 企業側 企業は従業員が退職する際に従業員から保険証を回収し、その保険証を添付した「被保険者 資格喪失届」を退職日から5日以内に管轄の年金事務所または事務センター(日本年金 機構)に提出します。 また、新たな保険証を通常より早く受け取るために必要な「退職日が確認できる書類※)」 と「申出書の健康保険資格喪失証明欄への記載」は企業側が用意するため、退職前に任意 継続制度を希望しているかを確認し、従業員から書類を求められたら迅速に対応できる ように準備しておくことをおすすめします。 ※退職日が確認できる書類 退職証明書のコピー、雇用保険被保険者離職票のコピー、健康保険被保険者資格喪失届の コピー、事業主または公的機関が作成した資格喪失の事実が確認できる書類 など おわりに 退職後、すぐに再就職しない従業員にとって任意継続制度はひとつの選択肢です。 そのため、退職する従業員の必要に応じて案内できるよう、あらかじめ理解しておくことが 大切です。 任意継続制度についてのスムーズな案内は、退職する最後の最後まで良好な関係を築く ことにつながります。
- 年調減税事務の流れと定額減税のQ&A
2024年6月から、2024年分の所得税および住民税について定額減税が実施されます。 実務担当者は、毎月の給与および賞与の計算時だけではなく、年末調整時も対応が 必要です。 今回の記事は、年末調整時における所得税の定額減税(以下、年調減税)の実務ポイントや 月次減税・年調減税に関する質問と対応について解説します。 なお、定額減税の仕組みや給与・賞与計算時(月次減税)の実務ポイントについては、 以前の記事をご確認ください。 以前の記事『定額減税制度の仕組みと月次減税。(従業員向け概要説明資料付)』 所得税の定額減税 1 月次減税と年調減税 所得税の定額減税には、月次減税と年調減税があります。 2 年調減税の流れ 今回の記事で解説する年調減税の対応の流れは以下となります。年末調整の時期までに各作業の内容を理解したうえで、早めにスケジュールを立てることをおすすめします。 年調減税の対象従業員の確認 年調減税が適用される従業員を確認します。 原則として、年末調整の対象となる従業員には年調減税が適用されますが、 一部対象外となる場合があります。 詳細については、下記も参考にしてください。 参考|国税庁『令和6年分所得税の定額減税Q&A』P8 【合計所得金額が1,805万円を超える従業員について】 合計所得金額が1,805万円を超える従業員は定額減税の対象外のため、 年調減税額の控除を行いません。 しかし、給与等からは月次減税額が控除されている状態のため、年末調整で精算します。 年末調整では、後述の「年調減税額の計算」「年調減税額の控除」は行わず、 通常の年末調整と同じ流れで処理を行います。 ただし、源泉徴収票の記載は通常と異なります。 後述の「源泉徴収票への表示」をご覧ください。 なお、合計所得金額が1,805万円を超えるかどうかの確認は「令和6年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書 兼 所得金額調整控除申告書」の左側にある「給与所得者の基礎控除申告書」の記載内容で判断します。 【年末調整の対象とならない従業員について】 年末調整の対象外の従業員のうち、月次減税による控除を受けている人 (または途中まで受けていた人)は、確定申告で月次減税額を精算します。 年調減税額の計算 年調減税が適用される従業員について、年調減税の計算対象となる同一生計配偶者や扶養親族がいるかどうかを確認します。 具体的には、2024年の年末調整時に提出された以下の申告書に基づき、年調減税の計算対象となるか判断します。 各申告書の確認ポイントは下図のとおりです。 確認後、計算対象となる同一生計配偶者や扶養親族の人数をもとに「計算対象者の人数✕30,000円」を算出します。 (計算対象者数は従業員自身も1人としてカウントします。)この金額を年調減税額といい、最終的に確定された定額減税額です。 ただし、この年調減税額の全額が年末調整時に控除されるわけではありません。 多くの従業員は、2024年6月以降に支給された給与等で、月次減税として定額減税額の一部または全額がすでに減税されています。 そのため年末調整では年調減税額と月次減税額との差額が精算されます。 また、2024年6月2日以降に入社した従業員や、扶養の増減が発生した従業員などの減税額も年末調整時に精算されます。 年調減税額の控除 年調減税額の控除は、以下の流れで行います。 ①年調所得税額の算出 住宅借入金等特別控除後の所得税額(以下、年調所得税額)の算出までは、通常の年末調整と同じ手順で計算します。 ②年調減税額の控除 ①の年調所得税額から、上述「年調減税額の計算」で算出した年調減税額を控除します。 ただし、年調減税額が①の年調所得税額を上回る場合、控除できるのは年調所得税額までが限度です。 ③年調年税額の算出、過不足の精算 年調減税額控除後(上記①-②)の金額に102.1%を乗じ、復興特別所得税を含めた 年調年税額を算出します。 この年調年税額と、2024年中に給与等から源泉徴収した所得税との差額を計算し 過不足の精算をします。 (出典)国税庁『給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた』P11 【年末調整計算シート】 年末調整計算シートとは、給与等の支給額や扶養親族の人数など各種情報の入力で、 年末調整の税額計算を効率よく行うことができるExcelシートです。 年調減税にも対応した計算シートは、国税庁のサイトからダウンロードできます。 参考|国税庁『年末調整計算シート』 参考・ダウンロード|国税庁『年末調整計算シート(令和6年用)』(Excel) (出典)国税庁『給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた』P12 源泉徴収票への表示 年末調整後に作成する「令和6年分 給与所得の源泉徴収票」(以下、源泉徴収票)の 「摘要」欄に年調減税の内容を表示します。 【合計所得金額が1,805万円を超える場合】 定額減税の対象外ですが、年末調整の対象者であるため源泉徴収票に定額減税額に 関する記載が必要です。 「源泉徴収時所得税減税控除済額0円、控除外額0円」と記載してください。 【年末調整を行わない場合】 年の途中で退職した場合や給与の収入金額が2,000万円超の場合など、年末調整を 行わないときは、源泉徴収票の「摘要」欄に年調減税の内容を記載する必要はありません。 定額減税(月次減税・年調減税)に関するQ&A 1 6月2日以降に入社した従業員の定額減税はどのように対応すればよいですか? 2024年6月2日以降に入社した従業員は、甲欄適用者であっても月次減税の対象と なりません。 年末調整時に年調減税を行います。 2 6月1日以降に退職した従業員の定額減税はどのように対応すればよいですか? 月額減税額が控除された場合であっても、年の途中に退職する場合は年末調整を 行わないため年調減税も行いません。源泉徴収票の「摘要」欄の記載も不要です。 (「源泉徴収税額」欄には、控除前税額から月次減税額を控除した後の源泉徴収額を記載。) ただし、12月支給分の給与等が支給された後に退職した従業員や死亡により退職した 従業員は、年末調整および年調減税を行います。 源泉徴収票の「摘要」欄にも年調減税の内容を記載します。 3 7月に子どもが出生した場合、月次減税額は途中で変更になりますか? 月次減税額が途中で変更になることはありません。月次減税額の計算対象となる同一生計 配偶者や扶養親族の人数は、2024年6月1日以後最初の月次減税事務を行うまでに提出 された扶養控除等申告書や定額減税のための申告書に基づき確定します。 以降、人数の増減があった場合でも月次減税額は変更されません。 なお、2024年12月31日時点でその子どもが扶養親族であれば年調減税額の計算に含めて 年末調整時に精算します。(年末調整を行わない従業員は確定申告で精算) 4 5月に亡くなった扶養親族は月次減税額の計算対象になりますか? 2024年6月1日以後最初の給与等の支給日より前に死亡した扶養親族であっても、 2024年1月1日時点および死亡日時点で扶養親族であった場合は月次減税額の計算対象と なります。 5 6月2日以降、税区分が甲欄から乙欄に変更した従業員の定額減税はどのように対応すればよいですか? 税区分が甲欄の従業員が、2024年6月2日以降、他の企業に扶養控除等申告書を提出した ため乙欄となった場合、それ以降は月次減税の対象から外れます。 なお、2024年12月31日時点も乙欄の場合、年調減税も行いません。 (甲欄側の企業で年調減税が行われます。) 6 従業員から月次減税額を控除しないでほしいと申出がありました。控除しなくてもよいですか? 従業員が月次減税額を控除しないよう希望した場合でも、月次減税の対象従業員であれば 月次減税額を控除しなければなりません。 たとえば合計所得金額が1,805万円を超えることが明らかな場合も、従業員の希望により 月次減税額の控除をする・しないを選択することはできません。 7 休職中の従業員は月額減税の対象となりますか? 2024年6月1日現在、甲欄適用者であれば休職中でも月次減税の対象となります。 月次減税額は、復職後の給与等にかかる所得税から控除します。 8 「前月の給与支給額の10倍を超える賞与」を支給するときに源泉徴収税額を計算する 場合、どの金額を「前月の給与に係る源泉徴収税額」として計算すればよいですか? 「前月の給与支給額(※)の10倍を超える賞与(※)」を支給する場合、「月次減税額を 控除する前の所得税額」を「前月の給与に係る源泉徴収税額」として源泉徴収額を計算 します。 ※社会保険料等を差し引いた金額 9 同一生計配偶者や扶養親族の氏名等の提出は、扶養控除等申告書など所定の様式でなければなりませんか? 扶養控除等申告書や配偶者控除等申告書、定額減税のための申告書以外の様式で同一生計 配偶者や扶養親族の氏名等の提出を受けても差し支えありません。 ただし、法令等で定められたすべての事項が記載されていることが必要です。 10 「控除外額」として源泉徴収票に記載された金額が給付金として支給されるのですか? 源泉徴収票に記載された「控除外額」は、給付金の計算に用いられます。 ただし、扶養に該当する場合やそのほかの状況によっては控除外額と給付金の支給額が 必ずしも一致するとは限りません。 11 退職所得から所得税を源泉徴収する場合、定額減税の対象となりますか。 退職所得にかかる所得税は定額減税の対象にはなりません。 なお、控除しきれなかった定額減税額がある場合、退職した従業員本人が確定申告を行う ことで、退職所得を含めた合計所得金額にかかる所得税について、定額減税の適用を受ける ことができます。 おわりに 年末調整の事務についての詳細は、2024年9月頃から国税庁のサイトで公開される予定 です。 そのほか定額減税に関する最新情報なども以下の特設サイトから随時確認できるため、参考にしてください。 参考|国税庁『定額減税特設サイト』 なお、住民税(特別徴収)の定額減税については、実務担当者が年末調整時に計算を行う ことはありません。従業員に課税している各自治体が計算します。 ただし、自治体は給与支払報告書などの情報をもとに計算するため、漏れのないよう 源泉徴収票・給与支払報告書を作成してください。
- 【2024年度版】 労働保険の年度更新の申告が始まります
2024年6月3日(月)、労働保険の年度更新申告の受付が開始されます。 年度更新とは、毎年6月1日から7月10日までのあいだに労働保険料を計算し、納付を行う 毎年定例の手続です。 厚生労働省から企業宛てに、年度更新の申告書および納付書が同封された緑色(青色)の 封筒が5月末から6月初旬に到着するように発送されます。 本年の申告・納付期限は、7月10日(水)です。 今回の記事では、年度更新の基本情報に2024年度の変更点を盛り込んでお伝えします。 労働保険の年度更新とは 労働保険は、労災保険と雇用保険の2つの保険の総称です。 年度更新は、従業員を雇用するすべての企業が実施しなければならない手続です。 前年度に従業員に支払った賃金を月ごとに集計し、業種ごとに定められた保険料率を 掛けて保険料を計算します。 賃金を集計する期間は、前年度4月1日から3月31日のあいだの労働に対し、支払が確定した 分の賃金です。 労働保険は、事業の種類により「一元適用事業」と「二元適用事業」に区分されます。 一元適用事業は、労災保険と雇用保険をあわせてひとつの労働保険の保険関係として 取り扱い、労働保険料の申告・納付を行います。 緑色の封筒が届き「二元適用事業以外のすべての事業」がこれに該当します。 二元適用事業は、労災保険と雇用保険を別々の保険関係として労働保険料の申告・納付を 行います。 以下の事業が二元適用事業に該当し、緑色(労災保険)と青色(雇用保険)の封筒が届きます。 ・農林水産の事業 ・土木、建設の事業 ・港湾運輸の事業 ・都道府県、市区町村などの事業 2024年度の年度更新手続の変更点 2024年度の年度更新に関する保険料率や様式の変更点をお伝えします。 1 年度更新に関する保険料率 【雇用保険料率(事業主負担、従業員負担)】 2024年度の雇用保険料率は2023年度と同じ保険料率のため、改定はありません。 参考|厚生労働省『令和6年度の雇用保険料率について』 【労災保険率等(事業主負担のみ)】 労災保険率は原則として3年ごとに改定されるため、2024年4月より労災保険率が 改定されました。 労災保険率は事業の種類ごとに定められています。 2024年度の概算保険料は新しい料率(労災保険率表の「新」列)で、2023年度の確定保険料はこれまでの料率(労災保険率表の「旧」列)で保険料を計算します。 なお、建設事業の労務費率や第2種特別加入保険料率についても2024年4月より改定されました。 以下のパンフレットで確認してください。 参考|厚生労働省『労災保険の料率が変わります』P2 【一般拠出金率(事業主負担のみ)】 一般拠出金は、2018年度以降改定はありません。 業種を問わず、一律「0.02/1,000」です。 2 年度更新申告書や算定基礎賃金集計表の様式が変更になっています。 雇用保険料率が2022年度の途中で変更されたことへの対応として、昨年の年度更新では 前期(4月~同年9月)と後期(10月~翌年3月)に分けて保険料額のもととなる算定基礎 賃金を集計する必要があり、年度更新申告書や算定基礎賃金集計表の様式も一部変更されて いました。 今年の年度更新は、4月〜翌年3月までの1年間の算定基礎賃金をもとに計算するため、 例年通りの様式に戻っています。 【年度更新申告書の変更箇所】 年度更新申告書の下段「期間別確定保険料算定内訳」欄が削除されています。 【確定保険料一般拠出金算定基礎賃金集計表の変更箇所】 2023年4月〜3月の1年間の算定基礎賃金を集計する様式に変更されています。 また、算定基礎賃金集計表の下段「確定保険料算定内訳」欄が削除されています。 3 2024年度に対応した年度更新申告書支援ツールが公開 毎年、年度更新の申告書にあわせた計算支援ツールが厚生労働省から公開されます。 Excelで作成されているため使いやすくなっています。 以下からダウンロードしてください。 参考・ダウンロード|年度更新申告書支援ツール(継続事業用) 年度更新申告書支援ツール(雇用保険用) 年度更新申告書支援ツール(建設事業用) 年度更新申告書を作成するときのチェックポイント 1 労働保険の対象者 労働保険の対象者は、労災保険と雇用保険で異なります。 従業員の月ごとに支払うすべての賃金を集計するときに、正しい対象者を選定しないと 保険料が正しく計算できません。 【労災保険】 時間・日数・期間を問わず、労働の対償として賃金を受け取るすべての従業員が対象です。 役員や事業主と同居している親族は対象外です。(派遣従業員は、派遣元事業場での適用) 【雇用保険】 正社員や契約社員、パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず、すべての雇用保険の 被保険者が該当します。 役員で雇用保険に加入している兼務役員も含まれます。 雇用保険の被保険者とは、1週間の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上雇用される ことが見込まれる従業員です。 (雇用保険マルチジョブホルダー制度による65歳以上の被保険者も対象) 2 労働保険料の計算に含める賃金、含めない賃金 従業員へ月ごとに支払う賃金には、労働保険料の計算に含める賃金と含めない賃金が あります。 賃金、手当、賞与など名称にかかわらず、労働の対償として支払うすべてのものが 対象となります。 【含める賃金】 基本給、各種手当、賞与、通勤費(定期券)、休業手当 など 【含めない賃金】 役員報酬、慶弔見舞金、退職金、解雇予告手当、休業補償費 、実費弁償的な費用 など 3 年度更新書類に同封されている申告書の確認 年度更新書類に同封されている申告書には、企業の労働保険料に関する重要な情報が 記載されています。 登録情報を確認してから手続を始めるようにしてください。 電子申請や年度更新申告書支援ツールを使用するときは、登録情報を入力して手続を進めてください。 また、企業側で管理している情報と登録情報が異なるときは、年度更新の封筒に記載されて いる管轄の都道府県労働局にお問い合わせください。 ① 労働保険番号 ② 申告済概算保険料額 ③ 各種区分 ④ 保険料率 ⑤ 口座振替の有無 (口座振替の申込手続が完了しているときは「●口座振替●」と印字されています) ⑥ 電子申請対象の有無 (電子申請義務化の対象となる企業(※)は「●電子申請対象●」と印字されています) ⑦ メリット制の有無(メリット制の適用となる企業は印字されています) ※資本金、出資金が1億円を超える法人など一定要件を満たす法人は、電子申請による 手続が義務化されています。 参考|厚生労働省『2020年4⽉から特定の法人について電子申請が義務化されます。』 年度更新を効率よく対応するために 1 登録情報の確認 年度更新は、前年度4月1日から3月31日までの従業員の月ごとに支払うすべての賃金を 集計することから始まります。 給与ソフトで年度更新用の賃金を集計作業ができるものもありますが、入社日や退職日、 雇用保険の加入有無、労働保険の対象となる賃金設定などに誤りがあると、正しい保険料が 計算できません。 毎月の給与計算を確実に行っていれば、急な対応を避けることができます。 2 電子申請による申告書の提出 電子申請には、前年度の情報を取り込めたり、入力チェック機能や自動計算機能を効率よく 使えるというメリットがあります。 提出先である労働局や労働基準監督署の窓口に出向く必要もなく、申告書記入漏れや 記入ミスも防止できます。 参考|厚生労働省『労働保険は電子申請』 3 保険料の口座振替 口座振替に手数料はかかりません。口座振替による納付で、毎回金融機関の窓口に行く 手間や待ち時間が解消されます。 納付漏れも防止でき、延滞金の心配がありません。 納付期限についても、納付書で保険料を納付するよりも、保険料の引き落としに最大2か月 のゆとりができます。 なお、2024年度より対象金融機関に「ゆうちょ銀行」が加わっています。 2024年度の全期または第1期の申込締切は終了しています。 新たに口座振替を検討したり口座情報を変更する場合は、第2期の申込締切日(8月14日) までに口座振替依頼書を金融機関の窓口にご提出ください。 (出典)厚生労働省『労働保険料は口座振替が便利です!』 「水力発電施設、ずい道等新設事業」の元請工事がある場合 建設事業のうち、2018年(平成30年)4月1日から2021年(令和3年)1月31日までのあいだ に開始した元請工事について、業種番号31「水力発電施設、ずい道等新設事業」がある 場合は、すでに申告している保険料額等に変更が出る可能性があります。 すでに厚生労働省から連絡済みの事業以外で、該当する元請工事がある場合は管轄の 都道府県労働局へ連絡をしてください。 詳しくは、以下のリーフレットをご確認ください。 参考|厚生労働省『「水力発電施設、ずい道等新設事業」の元請工事がある場合の注意点』 まとめ 年度更新は、毎年必ず行う手続です。 慌てないよう、早めに必要な情報を集めるようにしてください。 申告期限の7月10日(水)は、労働保険料の計算だけではなく、納付期限でもあります。 納付が難しいときは管轄の労働局または労働基準監督署に相談し、分割などの対策を 取るようにしてください。 期限までに納付ができず滞納の状態になると、延滞金などが発生することがあるため、 計画的な手続をおすすめします。











